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2-6 進路指導に悩むボク(後編)

(前回の記事より)
そんなカシワさん。そういえば,歯科衛生士の進路を決める前,部活を夏に引退した頃は「私,CA(キャビンアテンダンド)にもなりたい!」と言い出しました。でも,本人はどんな風に目指したら良いかわからない様子。CAになるための道のりがよくわかっていないボクは,職員室で隣の席に座っている進路指導部の先生に相談すると,「あの子の身長150cmちょっとしかないじゃない!英語だってできないし,ムリに決まってるじゃない!」という反応。うーむ,そうなのかな?それに,この先生の言葉通り,実現が難しいとしても,この台詞のまま生徒に伝えても「ただ夢をつぶすだけの教師だな…」と思います。一体どうしたらいいのかな?(みなさんだったらどうしますか?)

 そんなことを考えていたら,教師を目指して通信大学に入学した知り合いを思い出しました。通信大学の学習で一緒に情報共有しあった仲間。その子は元CAだったのです。「これは参考になる情報が聞けるかもしれない!」と思わずメール。きっと現実的な大変さも,CAの魅力も教えてくれそう!

 ひさしぶりの連絡だったので返信がくるか心配だったのですが,自分の経験が子どもに役に立つのはうれしいものなのでしょう。翌日には長文で下記のメールが届きました。このメールをそのまま印刷して朝に渡すと,放課後には「私,CAを目指すのはやめた!趣味で海外旅行できれば十分満足!連絡くれてとってもうれしい!!」というリアクション。異業種経験を持つ友達がいてホントに良かったなと思うボク。

あわせて,「いろんな進路を目指すクラスの子たちに対して,ボク自身の言葉ですべて対応をしなくてもいいんだ!経験豊富な他の人を紹介したり,言葉や情報を伝えるだけでもいいんだ」とホっとしたのでした。

●元CA イチカワさんからのメール
CAについては経験としてするのは良いですが長く続ける仕事ではないと私は思います。ちなみに私は、国内会社2社を経験しています。先に、厳しい現実を以下3つお伝えします。(びっくりするくらい長文なのでお時間あるときに見てください(;ω;))
1つ目に、体力的にほんとにしんどいです。
国内線だと一日4本(多い時で羽田ー福岡2往復とか、休憩は上空でサービスが終わってから1人5分程度)
3泊4日は普通なので家になかなか帰れません。国際線だと航空会社にもよりますが、パターンによっては15日くらい家に帰れません。2つ目に、仕事はルーティンワークです。毎便お客様は違いますが、やることは同じです。慣れれば、楽(らく)しようと思えば正直頭使いませんwww接客が大好きで、お客様1人1人により良いサービスをと考えれる人はこの問題はクリアだと思いますが、私は正直おもしろさを感じなかったです。
あと、フライトするための資格が社内資格なので別の航空会社に転職するたびに、訓練をうけ直して資格をとる形となります。だから、(特に)異業種に転職するときに正直手に職がない状態です。接客業なら客室乗務員してたというラベルで転職は可能ですが、その他だと30歳すぎると正直厳しいです。だから、離職率も高く30歳前までに転職する人が多いです。なので、ほんとに客室乗務員になりたいのであれば、その先のことも一緒に考えてあげた方がよいと思います。3つ目に、人間関係は悪すぎます。まだまだ、女性社会なので先輩からの後輩いびりは多いです。(ほとんどが嫉妬とストレス解消?のためです)客室乗務員になるために努力してきたのにいじめられて、3ヶ月でやめる人も1/5はいます。ただ、これを乗り越えるとメンタルはかなり鍛えられます。
次に、良いところ3つです。
1つ目に、人があまり経験できないことができます。これが、客室乗務員になる人の理由として一番多いと思います。ステータスにもなりますし。。。私は飛行機が好きなので、訓練中飛行機について学べることがすごい楽しかったです。
2つ目に、いろんなところに無料でいけます。フライトパターンにもよりますが、ステイ先で時間があります。そこでクルー同士で、観光したり、美味しいもの食べたりしてました。
3つ目に、英語を使うことで役に立ってる気分になれますwwwわら
今、日系の航空会社でも半分くらいのパイロットが外国人です。だから、英語は必然的に使います。また、パイロットとのやり取りは安全に関わることなので、ほんとに大事な内容が多いです。聞き間違えるとえらいことなります。
ちなみに上記で、サービスのことをあげましたが客室乗務員の仕事の優先順位は「安全〉サービス〉その他(休憩も含む)」です。
だから、客室乗務員の素養としては
•責任感  •協調性  •コミュニケーション
と言われています。
身長基準については,私は156cmしかありませんよ!これは日系か外資系の航空会社かによります。日系だと、身長はなくても大丈夫です。
ただ、なにか飛び抜けた能力でカバーする必要があります。私の場合だと、カナダで5つ星ホテルのフロントとして働いた経験でした。ホテルにレファレンスレター(推薦書)を書いてもらって履歴書と一緒に提出しました。
外資は、身長に関してはすごい厳格です。面接の最初に身長(アームリーチ(背伸びして指定された高さに手が届くか)の場合もあります)を測られて基準を満たしていなければ、書類が通っていても面接さえしてもらえません。(私の場合、エミレーツ航空がそうでした)
英語力については,日系なら面接で聞かれる簡単な英会話ができれば正直大丈夫です。ただ、ほとんどの航空会社がTOEICの提出は求めてきます。(600点くらいあれば大丈夫かな、400点台でも内定出てた人もいますwww)
外資だと、書類提出から面接まで全て英語です。入社してからも訓練が全て英語なので、日常会話は当たり前、ビジネスくらい(ビジネスというか相手の意図を理解して自分の伝えたいことを的確に表現できるか)は必要です。これは正直、日本で生活してる分には無理です。留学などの経験は必須と考えてよいでしょう。
●どうやったらなれるのか
多くの方が、高校卒業後、客室乗務員養成の専門学校に行ってました。ECCとか石川県の日本航空学校とかいっぱいあります!大学に行ってる人でも、3年生くらいからダブルスクールして行ってる人もいます。私の場合は、ラッキーだったのでこのような学校は行ってません。ただ、カナダにいる間にビジネスカレッジに行ったのでそこで面接の受け答えや、自分をどう売り込むかとかの練習はしました。選考(日系の場合は日本語+ちょっと英語、外資系だとすべて英語)は書類審査:写真と語学力(スコア)しかみてない
・一次面接:集団面接(ディベート形式)、容姿(所作)と周りの人に気を配れるか(発言してない人がいたら、どう思いますか?ってしれっと聞けるか)しかみてない
・二次面接:個人、ここでやっと個人を見てもらえる。
とだいたいの航空会社がこの方法を採用していると言われています。だから、面接のやり方と、容姿(特に所作と雰囲気)を分かってればなれるかと私は思います。←これを専門学校で学んでいます。
私の場合、客室乗務員になりたい理由が、
•英語を使いたい(英語使ってる自分が好き?)
•飛行機が好き(海外に行くのが好きだったから)
•人生の中で一度はやってみたかった
という、ざっくりした理由でした。上記に、大変なこと(文句?)も書きましたが、全く後悔はしてませんし、やってみたかったことだったので経験できて満足です!私の生き方のモットーがLife is short!! have fun!!(人生は短い!だから楽しむ!)なので、やりたいことは全部やろうと思ってます。だからこそ、客室乗務員という仕事をずっと続ける気は最初からなかったです(;ω;)わら。JALでは、50歳くらいの方でチーフとして客室乗務員を続けている人もいらっしゃいました。客室乗務員という仕事にプライドを持ち続けていらっしゃったのですごい魅力的でした。そのような方のモチベーションは、飛行機が大好きだから側にいれるだけで幸せ!とか客室乗務員である自分が好きとかでした。接客が好きだからのようにアウト的な好きではなく、自分にフォーカスしたイン的な好きだった印象です。←意味わかりますか?涙
長々と書かせていただきましたが、あくまで私の意見と経験です。
少しでも、お役に立てればと思います。客室乗務員の情報が載ってるURLを紹介します。生徒さんと見ていただければイメージ湧くかなー求職者もみるものなのでちょっとまだ早いかもですが。乱文ですみませんが、わからないことあれば私でよければ、また聞いてください。久しぶりに航空会社の時のこと思い出せてなんか楽しかったです!笑

- こんな長文,ありがたいですね。このイチカワさんとは滅多にメールをしていません。たまにするやりとりだって,ほんの数行程度(汗)。でも,さっきも書いた通り「子どもの進路の役に立てれば」という想いがこんなたくさんの文字に表れているんじゃないかな。だから,目の前の高校生相手に悩むことがあったら,経験豊富な周りの人にどんどん相談すればいいんだ!(きっとその人も喜ぶ!)と思えるできごとでした。

 そうして,進路に関して周りの「人」や「言葉」に助けられ,頼りにしているボク。「進路指導」に悩みつつも,ひとりじゃないおかげで,悩みすぎず,どちらかというとたのしくやれているのでした。

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