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<むぎゅっとタイム>は いかかが?


<むぎゅっとタイム>って?
「それ何?」って、思いますよね。

そうです。
子どもたちを<むぎゅっと抱きしめる時間>です。


「さようなら。」
と、帰りの挨拶をした後、むぎゅっとしてほしい子どもが教室に残って私の前に1列に並びます。
私は、順番に
「今日は 手をあげて発表できたね。」
「ドッジボールで ボールがキャッチできたね。」
と、一人ひとりに声をかけながら<むぎゅっと>抱きしめるのです。

手を広げた私の腕の中に、子どもがゆったりもたれかかってきて。
私の胸に 温かいぬくもりが伝わってきて。
私の方が満たされた気持ちになったのでした。

何より、むぎゅっとした後の子どもの顔を見るのが好きでした。
甘くとろけたような顔。
多分、私も同じような顔をしていたと思います。


<むぎゅっとタイム>を始めたきっかけは、なんだったかなあ。
もともと、私の学級経営は<ひらめき>からヒントを得ることが多いのです。
(いいかげんに思われるかもしれませんが、ひらめきって大事だと思っているのです。)

何かのタイミングで私が子どもを抱きしめたとき、それを見て、
「ぼくも、私も」と、子どもたちが集まってきました。
そのとき、
<むぎゅっとタイム>を作ろうと思ったのです。

ある年は、女の子たちが集まって来たり、またある年は、男の子ばかりがむぎゅっとされに来たりして、その年のクラスによって違いがあったことが面白かったです。

むぎゅっと? それって、大丈夫なの?」

そうですよね。
昨今は、ボディタッチに対して、細心の注意が必要です。
なので、私の方から積極的に近づくのではなくて、ただ両手を広げて待つことにしていました。

そんな<むぎゅっとタイム>も、毎日というわけではありません。
誰かが私のところに来ると、それにつられて何人かが集まってくるような感じでした。
だいたい週に2回くらいだったでしょうか。


そんなある日。
その日は、帰りの用意に時間がかかり、私も子どもたちもバタバタしていたので、「さよなら」の挨拶の後、みんなはさっさと帰っていきました。

そんな中、Aくんひとりが帰らずに、教室をうろうろしているのに気がつきました。
突然、Aくんは、私の前にやってくると、両手を広げて私の顔を見ています。
何秒かの間、私はAくんを見つめるだけでした。
そして、やっと気づきました。

そうです!
<むぎゅっとタイム>です!

「ぼく、がんばった。」
Aくんが言いました。
その日、初めて漢字テストで100点を取ったのでした。
「そうだったね。がんばったね。」と、私はAくんを思い切りむぎゅっとしました。
心の中に温かいものが満ちてきました。


<むぎゅっとタイム>は、子どもたちにだけでなく、大人も癒してくれる温かい時間だと思います。

今日からおうちでも、
一日の終わりに<むぎゅっとタイム>はいかかがですか?

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