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プロダクトマネージャー1年生の業務知識の学び方

この記事は、プロダクトマネージャー(PdM)として業務を開始した自分が、PdMの業務知識を学ぶために、この一年間で取り組んできた内容をまとめたものです。

はじめに

株式会社Mobility Technologiesで、タクシーアプリ『GO』の法人向けサービス『GO BUSINESS』のプロダクトマネージャー(PdM)を担当しております。Tannyです。

私は2021年の7月にPdMとしての業務をスタートしました。それまでは「技術職の人」としてプロダクトの要件検討、外部ベンダへの発注、スケジュール管理、運用業務などを行なっていました。いわゆる何でも屋さんですね。

ここで気になったのが、システムの何でも屋さんとPdMはどう違うのだろうか?ということです。エンジニアならコードが書けること、デザイナならデザインを作成できること、といった具合に必要な業務スキルがあります。ではPdMは、何ができれば胸を張ってPdMと言えるのでしょうか?

しかし嬉しいことに、今ではPdMについて書かれた書籍も多くありますし、Web上では先輩PdMの方々が業務のノウハウをたくさん投稿してくれています!

この記事では、ここ1年で私が実践してきた、PdMとしての業務知識を身につけるための方法についてまとめました。PdMになりたての方の助けになれば嬉しいです。


1. 本を読んで体系的な知識を学ぶ

まずはプロダクトマネジメントに関する本を読んで、体系的な知識を学びます。さまざまな職種のメンバーと対面するPdMは、必要な知識の幅が非常に広いです。なので、ネット等で断片的な知識を拾うよりも、体系的に書かれた本を読んで、PdMにはどのような知識が求められるのか、自分の知識が足りていない点はどこか、という点を知るのをオススメします。

まず読むべきなのは「プロダクトマネジメントのすべて」です。文字通り、PdMに必要な知識の「すべて」が書かれているので、これを一通り読んでおけば、業務で聞くことになる専門用語は、ほとんど全て理解することができます。

また、今の自分にとってどの分野の理解が足りていないのかも把握できるため、この後の学習でどこを重点的に学ぶべきかも分かるようになります。

なお、この本の内容を最初から全て理解して、業務で実践できる必要はありません。(それができたら、もうPdMとして完璧ですね…)今の職場で自分が何を実践できていないのかを把握して、この後の学習に役立てましょう!

他にも体系的な知識を身につけたい場合は、やはり本を読むのがオススメです。PdMの業務に役立てられる本は、こちらの記事でも紹介しています。

2. Twitterで情報収集・発信する

ここからは、Web経由でPdMの業務知識を学ぶ方法を紹介します。まずはTwitterを始めましょう!Twitterでは現役PdMの方々からの業務ノウハウや、業界の最新動向などを入手できますし、後述するWebイベント関連の告知情報なども把握できます。

私はPdM職になったのをきっかけに、お仕事用のアカウントを作成しました。(https://twitter.com/tanny_pdm)私は以下のようなアカウントをフォローしています。

本やイベントで知ったPdMの方のアカウント
自分が読んだ本の著者の方であったり、参加したWebイベントの登壇者の方のアカウントは積極的にフォローしています。第一線で活躍されている方ばかりなので、PdMがハマりがちな罠などに関して、示唆に富んだ知識を得ることができますよ!

企業の公式アカウント・エンジニア向けアカウント
興味のある会社や自社の公式1.アカウントをフォローしておくと、ニュースリリースなどの情報を得ることができます。また、開発部署のアカウントもフォローしておくと、PdM向けイベントなどの告知も把握できます!

PdM関連のニュース系アカウント
PdMのお役立ち情報をつぶやいてくれるアカウントも便利です。

まさにPdM初心者向けのアカウントがこちら!

また、担当システムが関わっている業界に関連するアカウントもオススメです。私はMaaS領域のプロダクトを担当しているので、こちらのアカウントをフォローしています。

Twitterはもちろん、情報発信にも活用できます。学んだ知識について要約してツイートしたり、普段の業務での疑問点についてツイートしていれば、他のPdMの方からコメントしてもらえることもあります!Twitterを起点として、Webでの情報収集を進めていきましょう。

3. オンラインの勉強会に参加する

私がPdMの勉強を始めて驚いたのは、無料のオンライン勉強会(ウェビナー)が非常に充実しているということです。自宅からも気軽に参加できて、しかも無料!これを利用しない手はありません。

オンライン勉強会はconnpassというサイトで募集されていることが多いです。「プロダクトマネージャー」等で検索すると、PdM向けの勉強会・パネルディスカッション・対談などのイベントを見つけられます。また、Twitterで告知されることも多いです。

オンライン勉強会のメリットは、同業他社のリアルな実業務に関する話を聞くことができる点です。前述した「プロダクトマネジメントのすべて」の内容を実践しようとすると何らかの壁にぶつかることが多いですが、そういった課題を他社ではどのように解決しているかを学ぶことができます。また、疑問点があればその場で質問することもできます。

また、誰でも歓迎のオンライン勉強会がほとんどなので、デザイナーやエンジニアなど他領域の勉強会にも参加して、開発領域の知識を深めることも可能です。ちなみに、Mobility TechnologiesでもPdMをはじめとして、さまざまな分野の勉強会を開催しているので、チェックしてみてくださいね。

オンライン勉強会は、お昼休みや終業後の時間帯に開催されることが多いですが、時間が合わないこともあると思います。多くのイベントでは登壇資料・アーカイブ動画・イベントレポートなどを後日公開しているので、それを探してみるのが良いです。(当日の参加者のみに公開、というケースも一部あります)

4. PdMのコミュニティに参加する

会社を横断した人脈を築くために、PdMのコミュニティに参加してみるのも有効です。私は「プロダクト筋トレ」と「PM Club」というコミュニティに参加しています。どちらも無料で参加できます。参加方法は公式ページを確認してください。参加登録するとSlackのワークスペースに招待されます。

PdMコミュニティでは、以下のような活動を通じて、PdM業務への理解を深めることができます。

  • 業務のモヤモヤに関する質問と議論

  • プロダクト作りに関するオススメ記事共有

  • PdM書籍の輪読会      などなど…

さまざまな業種・規模感のプロダクトを担当しているPdMが集まっているので、自分の担当と近いプロダクトのマネジメント手法はもちろん、異なる領域のマネジメント手法に関しても学ぶことができます。みんながPdMなので、双方向の情報交換がしやすいというのがコミュニティの魅力です。社内にPdMが自分一人しかおらず、PdMのお悩みについて情報交換がしづらいという方にもオススメです!

5. PdMのカンファレンスに参加する

年に一度、秋頃に開催される「プロダクトマネージャーカンファレンス」には是非参加しておきましょう。なんとこのカンファレンス、参加費が無料なんです!2022年は11月2日(水)に開催されるので、この日は予定を空けておくことをオススメします。(開催概要はこちら

さらに、このカンファレンスは昨年のセッションが全てYoutubeでアーカイブ配信されています!公式ページから閲覧できますので、昨年のカンファレンスに参加していない方は、ぜひ興味のあるセッションをのぞいてみてください。ここでは、特にオススメのセッションをいくつかご紹介します。

→PdMとして成長していくためのマインドセットに関するお話です。成長するためには「コンフォートゾーンを離れる」という意識は常に持っておきたいですね。

→やりたいことが常に溢れがちなプロダクト開発においては、「やること」よりも「やらないこと」を決める方が重要です。「なぜやらないか」を伝えるためのコミュニケーション術を学べます。

→2021年9月に発足したデジタル庁でCPOを務めている方の講演です。行政という領域にプロダクトマネジメントを導入するということについて、具体的に説明されています。

このように、プロダクトマネジメントの最新情報を1日中学ぶことができる貴重な機会です。今から次回の開催が待ち遠しいですね!

6. 他のプロダクトを触る

皆さんは普段の業務で、どんなプロダクトを使っていますか?私はGmail、Slack、ジョブカン、カオナビなどの全社導入されているツールをはじめとして、Conlfuence、Figma、Miro、Asana、JIRA、GitHubといったプロダクト開発業務に関するSaaSプロダクトを幅広く利用しています。

これらのプロダクトは優れたUI・UXを提供しているので、マニュアル等を読まずとも、なんとなく使うことができると思います。しかしこれらのプロダクトを誰よりも使いこなすように意識することで、普段の業務の中でもPdMとしてのスキルアップにつなげることができます。

私は以下のようにして、プロダクトをじっくりと使いこなすことを意識しています。

  • 🕵🏻‍♂️ 細かい設定項目も含めて、全ての機能を触ってみる。

    • 提供する機能構成によって、そのプロダクトがどんな課題を解決しようとしているのかがわかります。

  • 📝 リリースノートをチェックし、新機能が出たら真っ先に試す。

    • リリースノートの書き方や、新機能の価値の伝え方を参考にできます。

  • 📚 WEBマニュアル、活用事例、FAQなどを読み込む。

    • 自分の担当プロダクトの機能紹介を考えるのに役立ちます。

  • 👨‍👩‍👦‍👦 プロダクトのコミュニティ活動(アンバサダープログラム、ウェビナー、オフ会など)に参加する

    • プロダクトの活用方法を学べるだけでなく、プロダクトを価値を広めていく方法を知ることができます。

    • 例) Asanaアンバサダーなど。

優れたプロダクトは、それを使っているだけでも色々な学びが得られます。ぜひPdM目線になってプロダクトを使いこなしてみてください。普段の業務を通じてスキルアップができるので、おすすめです!


おわりに

プログラマーやデザイナーなどと比べると、PdMというのはどういうスキルを身につけていれば良いの、ちょっとわかりづらいですよね。そんな中で今回は、ここ1年間で自分なりに取り組んできた学習方法をまとめてみました。

いま、多くのプロダクト開発の現場は以下のような感じじゃないかと思っています。

  1. プロダクトマネジメントの理想的な手法は既に海外で確立されていて、ビジネス書を通じて学ぶことができる。

  2. この手法を実際の現場にすんなりと導入することは難しく、プロダクトのフェーズや企業規模によって異なる課題に直面し、対処している。

1.については、この記事でも取り上げた「プロダクトマネジメントのすべて」などの書籍を通じて、ほとんど全ての知識を得ることができます。ただし、ここで学んだ方法を現場に適用しようと思っても、自分一人の経験だけでは2.の壁に阻まれてしまいます。

しかし幸いなことに、実際の現場での事例はWeb上でたくさん見つけることができます!Twitterを起点にして情報収集し、誰かが実践してきた方法を自分でも真似してみることで、プロダクトマネジメントの手法をスムーズに実践できるようになるでしょう。



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