オタサーの姫にすらなれない無趣味な陰キャラの女

先日、非常に興味深い記事を見つけた。


この記事では、女社会に居場所がない発達障害で陰キャラの女子がオタサーに入り、サークルクラッシュなどを引き起こすまでの経緯、オタサーにすら居場所を失った陰キャラ女子の末路について解説されている。


私自身、大学のサークルには何度入ってもまったく馴染めず、かなり苦い思いをしてきた。

ただ、この記事で解説されている「オタサーの姫にすらなれない陰キャラ女子」とは違う。



私の場合、そもそもオタサーに入れなかったのだ。

オタサーといえばかなりマニアックな人が多いと思うので、ある程度知識がないと入りづらいのではないだろうか。ライトなオタサーもあるのかもしれないが、オタク趣味が一般的になりつつある今では、そういうサークルには女子もたくさんいるだろう。


つまり、自分でも勝てるステージであるオタサーに入るには、まずはそれなりにオタク趣味に興味があることが前提になる。



発達障害で陰キャラの女性はアニメや漫画などのオタク趣味に興味を持つ割合が多いとは思うが、中には全く興味のない人もいるだろう。

私自身、話し方がいかにもオタクなくせに、アニメや漫画やゲームには一切興味がない。

私は音楽が好きだが、音楽系のサークルは男女ともにオタサーほど陰キャラらしい感じでもない。それに、女子がそれなりにいる時点で「姫」になるのはまず無理である。

一方、オタサーの男子は陰キャラが多いので、器量の悪い女子でも優しくしてもらえる可能性が高い。オタサーは他のコミュニティに比べると、陰キャラ女子でもかなり受け入れてもらいやすいのは確かだろう。


つまり何が言いたいかというと、本人の興味の対象によって、集団に所属する難易度がかなり上下するということだ。


発達障害の陰キャラでも興味を持ちそうだが実は難易度の高い集団の代表例が、登山や航空機、乗馬、射撃などの地味目のアウトドア系サークルだ。

アウトドア系サークルは、とにかく「みんなで協力して何かをする」という機会が異常に多い。

まず設備の予約が必要で、現場でも様々な準備が必要だ。遠出するためには誰かが車を運転しなければならない。遠出となればそこで泊まりになるだろうし、かなりの長時間メンバーと一緒に過ごさなければならない。
また、アウトドア系サークルでは昼間は活動して夜はバーベキューという流れも多い。発達障害の陰キャラにバーベキューは鬼門である。

私自身、体力的にハードではない屋外スポーツのサークルに入ったことがあるが、最終的にはいじめに近い形でハブられて辞めた。女子グループのリーダーには露骨に仲間外れにされ、先輩には「もう会費払っちゃったんですか?(笑)」と言われた。

地味目のアウトドア系サークルは雰囲気がそこまでチャラくないため、一見発達障害の陰キャラでも入れそうな感じにも見えなくはない。だが、実際はかなり厳しい。


小山氏の記事によれば、オタサーを通じて社会性を身に着け、健全な社会生活を送れるようになる「光の姫」もいるそうだ。

自身を振り返ってみると、どのサークルも入って数カ月で辞めている。

陰キャラだらけのオタサーと違って普通の人も多いサークルでは、私のような発達障害の陰キャラはサークルクラッシュする前にしっかり弾き出されてしまう。私の場合、社会性を身に着ける土俵にすら立てなかったのだ。


社会性を身に着けられないのは決してコミュニケーション能力の問題だけではない。
「興味の対象」が、社会性を身に着けられるか否かを大きく左右すると私は考えている。

具体的に言うと、興味の対象が自分でも所属しやすい集団に向いているか、それなりに知名度があり話題を共有しやすいかなどである。

例えば有名なアニメが好きなら、知名度が高いので話が通じやすいし、多くのファンがいるので友達も作りやすいだろう。

アニメ、漫画、ゲームに興味がない陰キャラは、スクールカースト下位層でも肩身の狭い思いをするのは想像に容易い。


発達障害者の中には無趣味な人もいると思う。自閉症スペクトラム障害が強い人はオタクなイメージだが、ADHDが強い人は飽き性だったり、興味の対象が定まらないタイプの人もいるのではないだろうか。

そこそこメジャーなオタク趣味を持つ人に比べると、そういう人は友達を作るのがずっと難しくなる。逆に興味の対象が狭すぎたり、マニアックすぎたりする人も同様である。


オタサーの姫にすらなれなかった私からすれば、「女性社会に馴染めないから男性が多い趣味のコミュニティに入る」という戦略を取れる時点でかなりのアドバンテージがあるように見える。

社会性がない人=コミュ障のイメージだが、実は社会性にはコミュニケーション能力以外の要素も大きく作用しているのだ。


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