自己肯定感の低い女がクズ男に引っかかってしまう本当の理由

世の中には、いわゆるクズ男に引っかかってしまう女性がいる。

私は交際経験がないためクズ男と実際に付き合ったわけではないが、おそらくクズ男に引っかかりやすいタイプだと自覚している。
ちなみに私にはいわゆる「推し」がいるが、彼は浮気症でお金にもだらしないようで、一般的に見れば完全に「クズ」の分類に入るタイプの男性である。


よく聞くのが、「自己肯定感が低い女性ほどクズ男に引っかかりやすい」という説だ。クズ男に頼られることで生まれる「この人には私がいないと」という感覚が自己肯定感を満たしてくれるらしい。

この考えも間違ってはいないと思うし、「自己肯定感が低い女性ほどクズ男に引っかかりやすい」までは完全同意である。ただ、私の解釈とは少し異なっている。


「自己肯定感が低い女性ほどクズ男に引っかかりやすい」説に対する私の解釈


まず自己肯定感が低い女性は、他人から大切にされなかった経験を抱えている可能性が非常に高い。自己肯定感というのは、他人から大切にされることでしかまず生まれないからだ。

具体的にはいじめや虐待など、何らかの形で他人から虐げられた経験がある人がほとんどではないだろうか。


いじめや虐待の怖いところは、周りの人にはクズだと思われていない人が主犯になる場合が多々あることだ。

クラスの人気者が容姿の悪い女子を「ブス」とからかい、周りの人も一緒になって笑っているような光景はよくある。虐待も、本来は子供にとって味方であるはずの親によって行われる。

いじめる側はいじめる相手を人間として扱わない。傍観者もいじめられっ子がそういう扱いを受ける状況に慣れて、しまいにはいじめに加担することもよくある。人間は他人の痛みにとことん鈍感になれる、利己的な生き物だということをいじめられた側は鮮明に理解する。


「そんなひどいことをする奴は人として終わっている」と、いじめや虐待を100%相手側の落ち度だと思える人はまだ逃げられる可能性がある。

真面目な人ほど、いじめられた原因は自分にもある、「自分が不遇な扱いを受けるのは自分が人より劣っているからだ」と考えてしまう。他人をブス呼ばわりすること自体は間違いなく悪だが、自分がブスなのは事実だよね、としっかり真に受けてしまう。

その結果、自分は人より劣っている→自分には人から優しくされるほどの価値がない→自分のような下等生物が人に優しくしてもらうには対価を払わなければならないと思い込むようになる。


①人間は誰しも利己的で、自分以外の他人がどうなろうと何とも思わない
②人より劣っている自分が優しくしてもらうには対価を払わなければならない

いじめや虐待などの経験によって形成されるこの2つの思考が、まともな人の善意をないがしろにし、クズ男から離れられなくなる要因となる。


まずクズ男は、「①人間は誰しも利己的で、自分以外の他人がどうなろうと何とも思わない」と思い込む自分の思い通りに動いてくれる。

クズ男は平気で浮気したり、すぐに暴力を振るったりするが、それらの動機はすべて自分本位なものである。だから非常に分かりやすいのだ。

金を無心されたり暴言を吐かれたりしても、「②人より劣っている自分が優しくしてもらうには対価を払わなければならない」と思い込んでいるため、それくらいのことは受け入れなければ誰にも相手にされなくなると思い、あらゆることを受け入れてしまう。


また、自己肯定感の低い女性はクズ男を引き寄せると同時に、まともな人をシャットアウトしてしまう危険性もある。


普通の人と恋愛をすれば、当然優しくしてもらえることもあるはずだ。しかし、自己肯定感の低い女性が優しくされると「②人より劣っている自分が優しくしてもらうには対価を払わなければならない」思想が発動し、優しくしてくれた分何かしら応えなければならないという義務感から疲弊してしまう。

普通の人にもそういう感覚はあるのかもしれないが、人から優しくされることに慣れていない、自己肯定感の低い女性のそれはずっと重い。


さらに、ここでも「①人間は誰しも利己的で、自分以外の他人がどうなろうと何とも思わない」思想を発動させる場合もある。

これが発動すると、優しくしてくれるのは結局セックスがしたいからだとか、無理矢理利己的な動機を結び付けて、相手を悪者にしようとする。優しさの債務から逃れたいがために、せっかくの優しさを優しさでないものとして消化し、ないがしろにしてしまう。自己肯定感の低い女性は、優しくされるとどうしても居心地が悪くなってしまうのだ。


そもそもなぜクズ男と付き合ってしまうのかというと、クズ男はクズをやっても周りから許されるほどの「人たらし」で、天性の魅力を持っているからだ。

クズをやれる男性、つまりクズであるというマイナス要素を差し引いても人を惹きつけられる魅力のある男性は、いわゆるイケメンか、顔は整っていなくても、話し方や所作、明るい性格など、クズ男には何かしらの魅力は確実にあるのだろう。

クズが板につかない普通の男性がクズをやっても、誰にも相手にされないに決まっている。「暴力性のある男はモテる」という言説が流行り、女を殴るなどのクズムーブをすればモテると思い込んでいる人もいるようだが、多分違う。クズというのは完全に天性の領域だと私は思う。


周りから大切にされてこなかった自己肯定感が低い女性からすれば、クズ男以外も全員クズだったのだ。どうせ世の中の全員がクズなら、「優しそう」以外の誉め言葉が見つからないようなクズを選ぶよりは、イケメンか人たらしと一緒にいた方がまだ気分が良いだろう。


私自身、本来は支援者であるはずの立場の大人たちに散々傷つけられてきた過去がある。

国立大学の合格率を上げたいがために私の進路を簡単に否定した高校教師、「あなたなんかが就活をしてもうまくいくわけないでしょ」と言わんばかりの呆れ顔で就活を諦めて派遣社員になることを勧めた臨床心理士、発達障害で仕事が上手くいかないことを相談しても「あなたより大変な人はたくさんいるんだから」とまともに取り合おうとしなかった精神科医。国家資格を持っていて世間的には立派な職業に就いてる人たちが、全員クズだった。

しかもこいつらは、「私はあなたの味方ですよ」と表向きは良い顔をして人生を潰しにかかってくるのでタチが悪い。クズ男は「俺はクズですよ」と開き直って堂々とクズをやってくれる分、むしろ良心的である。


完全な良い人がいなければ、完全なクズもいない。誰にでもクズな一面はあるし、時には良心を示すことだってあるはずだ。それなら、わずかな優しさを期待してクズ男と付き合うのも悪くはないのではないか。



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