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『万葉集』を読む (庶民)

不思議なことがあります。万葉集には防人の歌などの庶民の歌が漢字で書かれています。その当時、漢字を書けるのは極少数でしょうし、そもそも防人の妻が・・

信濃道者 伊麻能波里美知 可里婆祢尓 安思布麻之奈牟 久都波気和我世
信濃路は今の墾道刈株に足踏ましなむ沓はけ我が背

と短歌を詠み、漢字を書くだろうか? そんなことはないでしょう。

理由は・・
萬葉集の詞書(ことばがき)によると、大伴家持が兵部少輔(ひょうぶのしょうゆ)という役に付いて、防人の配備計画などの仕事をしていた時に、自分の部下の役人達に命じて防人やその家族の和歌を集めさせており、それらの防人の和歌が萬葉集に収録されています。



とのことです。つまり「お話」を集めたのですね。それを大伴家持の部下が漢字で書いて短歌にして、最終的には大伴家持も監修したのでしょう。

大伴家持が防人の長になっていなかったら万葉集の魅力は激減していたのです。



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