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『万葉集』を読む (純愛)

万葉集・第2巻の「相聞」には初々しい歌もあります。

三方沙弥という人が園臣生羽女という女性と結婚したが、新婚早々病気になり、妻と離れて暮らしている。

結婚が許される年齢は男子15歳、女子は13歳らしいです。髪が短いということはまだ結婚して間がないということ。

三方沙弥(男性)の歌(123番)
多氣婆奴礼 多香根者長寸 妹之髪 此来不見尓 掻入津良武香
たけばぬれたかねば長き妹が髪このころ見ぬに掻き入れつらむか
(私訳)
束ねたらすぐにほどけ、束ねなければ長い・・貴女の髪はそんな長さだったよね・・もう長く貴女を見ていないので、今はあの美し髪を櫛で搔き上げているのでしょうか。


園臣生羽之女(女性)の返歌(124番)
人皆者 今波長跡 多計登雖言 君之見師髪 乱有等母
人皆は今は長しとたけと言へど君が見し髪乱れたりとも
(私訳)
髪が長くなったので、みんなは「束ねたらどう」って言うけど・・貴方といっしょにいた時は、束ねていなかったから、今もそうしてます。たとえ、髪が乱れても・・


与謝野晶子の『みだれ髪』はこの歌がヒントになったのだろうか?

それにしても、女性の髪の長さだけでも、こんなに純粋な愛情表現ができるんですね。

じっくりとした時間を持たなければ、日本の良さをすべて忘れてしまいそう・・・


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文字を媒体にしたものはnoteに集中させるため



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