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大野 正人 (著)『失敗図鑑 すごい人ほどダメだった! 』をKindleで読む。

✳️ 親がすすめる本

子どもは素直です。
大人はずる賢い。

それがもっともわかるのが、親や先生がすすめる本。
私の経験からこう思うのです。

私の記憶では最初に手に取った、本らしい本は、伝記。
しかも「ボナパルト・ナポレオン」の物語。
この本はたぶん、親にも先生にも私にすすめた本ではありませんでした。

しかし、なんとなく雰囲気で
偉い人の本を読めば偉くなれる、かも……
なんて暗示にかかっていたのも確か。
そうでなければ小学生の前半に、ナポレオンを読んでどうなるでしょう?
ちっとも覚えていないし、なんの役にも立っていない。
でもその時は、「偉くなるんだ!と思いながら読んだのでしょう。

その後、30年も経ってから、ナポレオンのことを知るようになります。
フランス革命の意味も、その後の世界に与えた影響も。

あまり大人の悪口を書くのも気がひけるので、弁解すると
親や先生の助言や雰囲気作りのおかげで
📌ボナパルト・ナポレオンのことが不思議に好きになりました。

例えば私の次のような性格を形づけたのです。

民主主義の意味づけは、なんとなくわかる。
金持ちに憧れるより、庶民の生活の方が気になる
夢を語ることが好きになる。
偶然の美を夢見るようになる。
📌「人生には無駄なものは何もない」ということなのでしょう。

✳️ 『失敗図鑑』に書いてあること

さて、Kindleで『失敗図鑑 すごい人ほどダメだった! 』という本を見かけたので読んでみました。
これは成功の話ではありません。

📌失敗の話ばかりです。


それにところどころに「お悩み相談」もあります。

難しい漢字にはふりがなが振ってあるので小学生でも読めます。
イラストもたっぷり。
一人ひとりの有名な人に失敗の物語があります。
その失敗談のタイトルは

📌「アチャー」

失敗して頭を抱えている有名人のイラストが大きく描かれています。
子どもたちにはとても面白いでしょうし、大人が読んでもスッキリします。


普通に考えると偉人の伝記に書かれていることは成功談ばかり。
実際は伝記の中にも失敗談や苦労した場面もたくさん出てくるのです。
しかし、結局、最後は「大成功!」
そのため、記憶に残るのは「すごい人!」になるのですね。

ところが、実際は違う。

📌失敗もするし、病気にもなる。精神的にも病む。


その弱さを強調した本がこの『失敗図鑑 すごい人ほどダメだった! 』

最後に失敗の例に挙げられているのが

「愛しすぎる」

で、登場人物は「お父さん・お母さん」なのがいい。

✳️ この本を読んだ子は……

さて、小学生の低学年でこのような本を読んでいたら……
これからは想像ですが……どうなるでしょう?

成績優秀で、中学、高校と有名私立に……

そうはならない。
そうはならないけれども、子どもはこの本のことを覚えている。

📌実は、読書は、記憶に残るのです。

読んだ本のことは、忘れているようでも、ふと思い出すことがあるのです。

この『失敗図鑑』を読んだ子どもは、この本を読んだことを覚えている。
どんな時に思い出すか……
たぶん、一人になった時、寂しくなった時、悲しくなった時
そんな時に思いだす。
思うことがなくなった時、ふと浮かび上がる。

本ってそんなものでしょ。

このような種類の本でなくても、例えば一冊の小説でも、

何かの時に思い出す。
何かの時とは、虚しくなった時、悲しくなった時です。

そんな時に思い出す。

もし、子どもが大きくなって、普通の中学、普通の高校に入る。
目立った子でもないし、何も得意なことはない。
大部分がそんな子です。
でも、この子どもは小さな時に『失敗図鑑』を読んでいる。

読んでいるから、ふと思い出す。
思い出したことなど、誰にも話さない。
自分だけで考えている……

きっとそんな子どもがいると思う。
それも一人二人じゃなく。

著者の大野 正人さんは1972年生まれだからまだ47歳。
作者冥利に尽きるね。

大野 正人さんにもきっとたくさんの失敗があったんだね。



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