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キャラクター大賞のビジュアルが教えてくれる、いま大切なこと。わたしはサンリオほど理念にひたむきな企業を知らない。

わたしの想い、あのコに届け

そんなメッセージを抱えて、今年もサンリオキャラクター大賞が始まった。

4月8日、毎年この時期だけ運用されるキャラクター大賞公式Twitterも眠りから覚めたかのようにつぶやいた。昨年6月13日以来のツイート。

2019年6月3日と2020年4月8日。世の中は変わりすぎていた。さらにツイートを遡っていると「こんな状況になるなんて世界の誰も知らなかった」昨年の6月が、なんだか遠い過去のよう。

飛び込んできた、グリーンなビジュアル

キャラクター大賞は、毎年キービジュアルとコピーが変わる。
昨年は、新元号を迎え初めての開催だった。

キャッチコピーは、「令和のカワイイを探せ!」。
新時代を感じさせる未来感の漂うデザインで、キャラクターの衣装もそれを感じさせるもの。

当時発信された「新時代の幕開けとともにキャラクターの新しいカワイイを見つけて欲しい」というメッセージを伝えるに、よくマッチしたビジュアルだったと思う。

そして今年、混沌の4月に2020年サンリオキャラクター大賞が幕開けした。

「あ…」
言葉が出てこないような、思考が停止したような。
わたしは、このキービジュアルに心がふるえた。

キャラクター大賞のビジュアルが、何か月前から制作されるものかは分からないけれど、これは当初の予定を大幅に変更して作り直したものなんだろう。

直前まで話し合いを重ね、真っ白なジグソーパズルに挑むような思いで一丸となって完成させたビジュアルではないだろうか。

自然のきらめき、四つ葉のクローバー、手紙。

ベースカラーは、若草色のようなグリーン。グリーンは分かりやすく「自然」や「環境」、「エコ」を感じさせる色だ。その中に、昼下がりのような柔らかい光のプリズムが描かれている。

もうそれだけで、人と人が殺伐とし合う毎日の中で穏やかな気持ちになるし、癒される。デザイナーは時として社会をデザインする、というのは本当なんだろうと思った。

さらに描かれた、四つ葉のクローバーと手紙。四つ葉のクローバーとは、言わずと知れた「幸運にお守り」で、見つけた人には幸せが訪れるというモチーフだ。

そして手紙。手紙は、遠く離れた相手や面と向かって会えない人へ気持ちを伝えるために送るもの。四つ葉のクローバーと手紙。その2つを、自然きらめくグリーンの中に描くなんて、やさしい上にとんでもなく強いメッセージじゃないだろうか―!

アイキャッチ画像に入れられた人間の「手」

特設サイトTOPのビジュアルにはないけれど、アイキャッチ画像には「人の手」が入ったデザインがある。それも、イラストではなく実写で。

両手で差し出される、ラブレターのような手紙。キャラクター主体のキャンペーンであることや、サンリオの世界観からしても珍しい。

わたしはここに「普段ならやらないけれど敢えて入れた」作り手の想いを感じる。

それは、オンライン交流が推奨されたり、SNSでの誹謗中傷や晒し合いが目に付くいま、「相手を思いやることを忘れないでね」、「この局面を支え合いの精神で乗り越えようね」といった願いだ。

わたしの想い、あのコへ届け

今年のキャッチコピーはシンプル。小学生でも理解できる言葉だ。でも、こんな状況下でこれほど深いメッセージがあるだろうか。

これは「サンリオファンが、推しのキャラクターへの想いを票に託す」に留まらない。

ときに、医療の最前線で働く人、不休で対応に追われる人への感謝と労りの気持ち。そして「共に困難を乗り越えようとしている世界中の人と思いやりの精神で進んでいこう」という、そんなメッセージにも聞こえてくる。

もちろん、もっと身近においても。
今は会えなくない友人や家族、大切な人へ。大好きだから距離を取らなくてはいけなくなった私たちの心に寄り添い、すっと溶け込んでくるメッセージだと思う。

キャラクター大賞が開始された4月10日、連日コロナウイルス関連の話題がTwitterにトレンド入りする中、「#キャラクター大賞 」、「#けろけろけろっぴ」、「#ポムポムプリン」などがトレンド入りした。

それはまるで、早咲きの桜が「これまでと変わらないもの」を見せてくれたような束の間の休息だった。

サンリオほど理念に忠実でひたむきな企業を知らない

サンリオは、いつもいつも、やさしい。
そしてそれを誇示することもなく、そっと肩を抱いてくれるようなさり気ない大きなやさしさだ。

毎日を幸せな気持ちで生きていきたい・・・
それは、私たち人間の心からの願いです。
では、本当の幸せとはいったい何でしょう。
どんな人間も、たったひとりで生きることはできないのではないでしょうか。支えあい、助け合ってはじめて生きていくことができるのです。
ともに生きる仲間たちと信じあい、仲よく生きていくこと。
それが、私たち人間にとっての本当の幸せなのではないでしょうか。

(株式会社サンリオ 企業理念より抜粋)

大切なことはサンリオの企業理念が教えてくれる。
わたしは、サンリオほど理念に忠実でひたむきな企業を知らない。

そしてサンリオのキャラクターがいつの時代も愛されることが、それらを物語っている。




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