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異文化だとは分かっていても

イスラエルで生活して2ヶ月が経ちました。

ビザも無事に下り、とりあえずこっちで1年間は暮らることになりました。ビザが下りてすぐに語学学校に申し込んだのですが、初心者クラスは十分な人数が集まり次第開講と言われ、まだ通えていません。仕事も日本での仕事をそのまま家でしているので、人と関わる機会がまだあまりないのが残念です。早く友達が欲しい。

こんな生活をしていても、この国は人と人とのコミュニケーションが活発だなと感じます。

彼とバス停でバスを待っていると、タクシーが目の前で止まり窓が開いて、「乗らないか?」と話しかけてきました。彼が首を振ると「50!40!」とどんどん値段を下げるタクシーの運転手。それでも首を振っていると、ついに「30!」となり、バス代とそれほど変わらない金額だし、バスはまだ20分くらい待たないといけなかったので、タクシーに乗ることにしました。

別の日にまたバスを待っていると、女性が「そこのショッピングモールに行くなら、今から行くから乗せてあげられるよ」と話しかけてくれました。別の場所に行く予定だったのでお断りしたのですが、乗せていってあげるとオファーしてくれるなんて、とびっくりしました。

ボルダリングに行ったときも、帰る準備をしていると男性が近寄ってきて「帰りの車、一緒に乗せてくれない?」の話しかけてきました。私たちがバスで帰ると伝えると、ありがとうと言って、他の帰る準備をしている人に同じことを聞いていました。

他にも買い物をしていると「そのカバン素敵!」と言われたり、公園でディアボロの練習をしていると「いいね!」と言われたり。これだけ日常生活で初対面の人との会話が活発だと、コミュ障なんて言葉も生まれないだろうなあと感じます。

「厚かましい」とか「図々しい」とう考えもあまりないように感じます。一度レジの長い列に並んでいるとき、カゴに大量の商品を入れた女性が「ちょっと他のもの取ってくる間、後ろの場所キープしててくれない?」と話しかけてきました。いいよと言ったものの全然戻ってくる気配は無く、私たちの後ろには、どんどん人が並んでいきます。彼女のレジの番が回ってきた時と同時ごろに、いっぱいになったカゴを更に二つ持って帰ってきました。私が彼女の次の番なら、すごく嫌だなと思いましたが、誰も文句は言っていませんでした。

ヒッチハイクをする若者もよく見かけます。何度かヒッチハイカーを乗せたことがあるのですが、本当にタクシーみたいに場所を伝えてきて、移動中はスマホをいじり、降りる時も簡単に「ありがとう」と言って降りて行きます。わざわざ止まって無償で乗せあげてるんだから、もっと感謝すべきことじゃないの!?と思ってしまうのですが、こちらでは普通なようです。

(ヒッチハイカーとの会話が見られるイスラエルのYoutubeチャンネル。字幕が自動字幕で精度が低いのが残念ですが、本当に様々なバックグラウンドの人が乗ってきて色んな話をする、イスラエルのリアルが見られて面白い番組です。)

日々異文化に囲まれての生活なので、大抵のことは「こっちではこうなのか」と思って過ごすようにしています。が、どうしてもそれだけでは片付けられないこともあるのです。

一つは「舌打ち」。

日本に住んでいると舌打ちをされる経験なんてあまりないですし、されたとしても「なんやあいつ!」とすごい嫌な気持ちになっていました。ですがこっちでは、それほど攻撃的な表現ではないみたいで、ことあるごとに「チッ」と舌打ちされます。話していることが相手に伝わっていない時、少し何かうまくいかない時、私が親しい人に対して「もう!」とか「だから!」と言ってしまうくらいの感覚みたいです。それでもまだ舌打ちされるとびっくりするし、それなりに嫌な気持ちにもなってしまいます。イライラもしてしまうのですが、これは慣れるしかないのか...と嫌な気持ちに無理やり蓋をして過ごしています。

もう一つは、会話中、相手の言っていることが分からなかった時の反応。日本だと「ん?」と聞き返したり、初対面だと「すいません、もう一回いいですか?」と丁寧に聞き返すと思うのですが、こっちではみんな「なに?(?מה(マ?))」と聞き返します。これが結構きつい言い方に聞こえてしまうのです。この「マ?」の言い方が日本語の「は?」と似ていて、言われる度に「は?何言ってんのコイツ?」と言われている気がして、心が打ち砕けてしまいます。

「こういう文化だから」と頭では分かっていても、心がついていかない。いちいち感情を動かしていては気が持たないので、気にしないようにしていますが、どーーしてもまだ慣れない。私も舌打ちをするくらいになればいいのか。

海外に住む大変さを、日々感じています。

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