私たちは何にお金を払うのか
みなさん、こんにちは。ネガ主婦はなです。
本日は私が営業職を経験してより一層感じたことについて備忘録にまとめていきたいと思います。
私はHSP気質ですが、HSS型であるため人と関わることが好きです。
毎日同じことを繰り返すことが得意ではなく、できれば毎日変化のある、人との関わりがある仕事を選びがちです。
ということで、転職しても連続して営業職を選びました。
個人的な結果として、若いうちに営業職を経験してとても良かったと思っています。
そのひとつとして、
「人が何に対してお金を払うのか」
ということが特に勉強になったからです。
ネガ主婦が法人営業をしていた頃、既存の取引先から紹介を受けた会社へ上司と商談に向かいました。
対応してくださったベテランの購買担当は私たちを前にこう言います。
「同じものが安く買えればどこでもいいんだよ」
と。
何も盛って表現している訳ではなく、ハッキリとこう言われるのです。
ネガ主婦が勤めていた業種は商流が厳しく、既存取引のある商社から勝手に値段のみを要因に隠れて切り替えると、メーカーや既存商流と喧嘩になってしまうのです。それぞれの企業別に専用の単価があるためですね。
このお客さんは、商流違反常習犯でした。既存の購入金額を開示し、それより安い金額を提示してくれた商社から購入する。
そうすれば確実に安い商品は手に入ります。
しかし、確実に安い商品と引き換えに商社の信用を失っているのでした。
「ここからの売り上げは期待できないね。一時的に価格協力で売り上げたとしても、すぐ切り替えられそうだ」
と上司と帰りの車中で話していました。
それ以降、細々と案件を貰い、価格の合うものは納品する。といった形で取引は続きます。
そんなある日、様々な会社に断られているという案件を助けてほしいと連絡が入るのです。
正直、ほかの商社が断るように私たちにも旨みはあるのかとは思いましたが、せっかくの期待には応えたい私は一生懸命に対応しました。
若手の女性営業マンだった私は、この会社のベテラン購買担当におそらく舐められていました。
思った価格が出ないとなると、担当である私をすっ飛ばし、上長へ隠れて電話連絡が入ります。一担当としてなんとも屈辱的でした。
しかしこの一件は、ここまで粘ってくれた会社は他に無かったようで、無事に受注に至ったのです。
そこから順調に他の商品も受注していきます。
正直、お客さんにとって価格が合わないものもあるだろうに。
しかし、ある日びっくりすることをそのお客さんから電話で言われます。
「はなさんだから買いたい。できることなら他の商品もまとめて」
と。
なんと商品の金額ではなく、私から指名買いしてくれていたのです。
このお客さんからは、価格や納期、諸々をきつく言われていたので、この言葉をもらった時には、仕事中に隠れて泣きました。
その後数年この会社で働きますが、ネガ主婦は様々な理由から退職を決意をします。
明確に退職日も決まり、担当先へ順々にお礼と担当変更の挨拶回りをしていました。
「はなさんならどこに行ってもうまくやるよ」
「はなさんが担当で心強かった。会えるだけでも癒やしになっていた」
など男女問わず優しい言葉を貰い、「頑張って良かった」とつくづく思うのでした。
プライベートで私はかなり担当者に左右されて商品を購入しがちです。
例えば車。知り合いの紹介で安くできるというディーラーへ行くと、確かに新車で破格の見積書が出てきました。しかし
「買うか買わないかだけ連絡ください」
と、ろくな接客も無く担当者に言われ、翌日には「買いません」と返事をしました。
この人から買う「安心感」が無いためです。
その後、結婚し新居を購入するとなった時も熱心な担当者を夫婦共々気に入り、購入に至りました。
不動産屋からすれば、日常ですが我々からすれば一生にそう何度も無い大きな買い物です。
その重みをしっかりと一緒に感じてくれている担当者は安心できました。
一方で対象的な人たちが親戚にいました。
私たちが新居を構えるということを報告すると、まずは金額について根掘り葉掘り。
「高いな。もっと安くできるところを知っている」
「自分たちは○○○○万円で注文住宅を建てた」
と自慢げに話していました。
しかしネガ主婦は思い出しました。この親戚は家が建つまで、建っても工事品質や担当者の態度の悪さをぐちぐち言っていたことを。
当時は「ハズレの担当者に当たったんだろうな」と少し気の毒に思っていましたが、購入金額を聞いて、相場よりも遥かに安かったことから、「どれほど無理を言って金額を下げてもらったのだろう」、「手抜き工事をされたとしても文句は言えないな」という意見に変わるのです。
この人は間違いなく「家は手に入った」わけですが、これから先長い付き合いをしていく「家を任せられる人たち」とは縁が無くなってしまったのだな、と思います。
現在ネガ主婦は、とある業界の中ではハイクラスな商品を売る会社へ勤めています。
品質を求めるが故に金額はなかなか融通が利きません。
「これと似たものだといくらですか」
と、他社の見積もりを持ってこられるお客さんも居ますが、基本的には価格は合いません。
それに対して社員は
「安く買いたい人たちは安く手に入るところに行けばいいのだよ。うちからでなくていいんだ」
と言います。
その毅然とした態度につくづく感心します。
勤め先も私も安く買いたい人を責めるつもりはありません。
人によって価値観が違うのだから。
安く買えるところへお金を払う
割高でも安心料にお金を払う
担当者を信頼してお金を払う
どれもが正しい価値観だと思います。
ただ、ネガ主婦は自身が営業職を経験し、「とにかく安く」と言うお客さんに対して営業マンが長い付き合いをしたくないことを知っているために「信頼できる人には相応のお金を払いたい」という価値観になったのではないかと思います。
お金は対価です。みなさんは何に対して対価を払うのに相応しいかを決めているのでしょうか?
後悔の無いお買い物ができることを願っています。
本日も長い備忘録にお付き合いいただきありがとうございました。
ネガ主婦はな
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