『灰のもと、色を探して。』第4話:弟
撫でてもらうには、いいことをしなければならない。
何度かお願いはしてみても、母はただ撫でることはしなかった。手伝いを頑張ったり、言いつけをしっかり守ったりすると、母はひんやりとした手をアッシュの頭に乗せ、くすぐったくなるような優しさで、ゆっくりと動かした。
少し恥ずかしくて、とても嬉しかった。言葉で褒めてもらうより、撫でられることが大好きだった。足らない、と文句を垂れても、母は時間を延ばそうとはしない。おしまい、の一言のもと、洗濯や掃除に戻ってしまう。姉が撫でられて