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【人を動かす力】ライティングの基礎基本

当記事は、店舗集客を軸としたWebコンサル向けに執筆したものです。

Googleアルゴリズムに則った、より本質的な施策を行うため、理解のフレームワークを記しています。

※当記事は社内での引き継ぎ用に執筆したものです。

そもそも、ライティングとは何か?

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世の中は「モノ」で溢れかえっている。

モノには価値がある。

わたしたちが今持っている、使っている一つひとつのモノ。

それらに価値を見出すから、人は対価としてお金を払う。

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日々新たなアイデアからモノは生み出されるが、それらは必然的に2種類に大別される

売れるモノ と 売れないモノ である。

先の理論を当てはめれば、こうなるだろう。

売れるモノ=人が価値を見出すもの
売れないもの=人が価値を見出せないもの

ここで見誤ってはならないのは、「売れるモノ=良いもの」とは限らない、ということだ。

同時に「売れないもの=悪いもの」という式も成り立たない

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思い出してみてほしい。こんな経験はないだろうか。

「SNS広告で流れてきた雑貨が魅力的に思えて、衝動買いをしてしまった。でも実際に届いてみると、ただの粗悪品でがっかり。騙された…」

それを広告で目にした瞬間は「良いもの」だと思ったわけだ。

でも実際に手にとってみると、それは「悪いもの」だった。

こんなことは、誰にでも起こりうるだろう。

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人は何を見て「価値がある」と判断するのだろうか。

結論、それが「ライティング」である。

瞬間的に目に入るキャッチコピー、頭に入ってきやすい説明文

ターゲットにドンピシャでハマれば、それは「売れるモノ」となる。

したがって、このような図式が成立するだろう。

ライティング力=マーケティング力=人を動かす力=売れる仕組みを作る力

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以上の定義に基づき、本記事では人を動かし、モノが売れる仕組みを作るために必要不可欠な「ライティングの基礎基本」について説明する。

この記事はこんな人におすすめ
・ライティング初心者
・SEOで順位を上げる方法を知りたい
・Googleのアルゴリズムについて知りたい
・人の心が動く仕組みを創りたい

ライティングは「人を理解すること」

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先に述べたとおり、世の中の全てはマーケティングであり、必然的にライティングが伴う図式になっている。

そして「ライティング=執筆」とも限らないのだ。

わたしはライティングを以下のように解釈している。

「ライティング」の解釈
ライティングとは、執筆という行為を媒介して、モノの価値を人に伝える行為である。

この中の「人」というのがミソ。

書いたものを読むのは人、解釈するのも人、価値を感じてお金を払うのも全て人だ。

当たり前のことだが、ライティングは伝える相手、つまり人が常に存在する

結局、マーケティング=ライティングは、「人の深層心理をどれだけ理解(共感)できるか」に全てがかかっていると言っても過言ではないだろう。

ペルソナ(顧客)とGoogle目線に立つ

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「モノは良いはずなのに、どうしても売れないんだよ…」という企業は少なくない。

結論から言うと、セールスが上手く行かない場合、ほとんどが「相手を全くわかっていない」ことが原因である。

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ちょっと想像してみてほしい。

結婚式の披露宴で、新婦が両親に向けて書いた手紙を読み上げる場面。

「小さい頃は泣き虫で、いつも不安がってはお母さんに抱きついていました。お母さんも忙しいのに大変だったよね。 …高校時代は反抗期で、家ではほとんど笑うことができませんでした。あのときはごめんなさい。 …社会人になって、やっと恩返しをすることができるようになって …今までありがとう。これからも、よろしくお願いします。」

両親大泣き、聞いている人も皆が涙を拭う情景が湧いてこないだろうか?

理由は単純。

①手紙の相手(両親)のことを、娘は隅々まで知っている。
②披露宴の鉄板「両親への手紙」の型を調べ、定石に則って手紙を構成している。

つまり、「人の心を動かす」ライティングをするためには2つの構成要素があるということだ。

①伝える相手の生活やライフスタイル(特性)をよく把握する
②それが評価される仕組みや枠組み(アルゴリズム)に則る

これが、マーケティングであり、ライティングに必要な能力である。

結局、見出しに示されているとおり、SEOやWebマーケティングに必要なのは「ペルソナ像(顧客像)」と「Googleのアルゴリズム」の2点の理解だ(SNSマーケの場合は各種SNSのアルゴリズムが該当)。

ここから実践

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「インビザライン(マウスピース矯正)の患者を集めたい矯正歯科医」を顧客に持って、「集客(集患)のお手伝いをする場合」を想定。

SEOやWeb広告の競合難易度云々は別にして、「どうやったらインビザライン目的の患者さんがもっと来院してくれるだろう?」と考えてみよう。

①ペルソナ設計と②Googleのアルゴリズムの2つに分けて、ライティング戦略を立てていく。

①ペルソナ&カスタマージャーニー設計

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一人の生々しいペルソナを決める

上田彩花。25歳女性。地方都市の中堅企業の総務課に勤めている。
四年制大学卒業。大学時代から付き合っている彼氏が居て、「そろそろ結婚しようかな」とお互い真剣に考え始めている。

その人の感情を含めたストーリーを想像する

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コロナでお金がないし、盛大に結婚式を挙げるというよりは、ブライダルフォトだけで済ませたい。

でも実は、昔からずっと出っ歯がコンプレックスで気になっていた。成人式の写真も、友達との写真も、自分だけ歯並びが悪くてかっこ悪かった

矯正を考えたこともあったけど、高額で手を出すのをずっとためらってきた

「このままずっと、歯並びを気にして生きていくのかな…」と悩んでいたが、「結婚を機に、コンプレックスを治そう!」と一念発起することに。

手取りは23万円、奨学金の返済はない。分割払いを利用すればなんとか支払いはできるだろう。

このペルソナの矯正リテラシーは低い

「とりあえず歯医者に行けば、『矯正』で歯並びを治せるだろう。小学生の頃、クラスの友達がワイヤーを着けてたのを見たことがある。とりあえず、近くの歯医者さんに行って、矯正について教えてもらおう」

ーーーここで、《近くの歯医者 矯正》と検索する。ーーー

POINT①「近くの歯医者 矯正」の検索結果上位に、矯正案内ページを表示させる必要がある(必ずしも「インビザライン」のページである必要はない)。

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いくつかページを開くと、いろいろな矯正の種類が書いてある。

「ここは何種類か取り扱ってるのか」
「うーん、説明がなさすぎて、信用できないなぁ」
「(LPを見て)見栄えは凄く良いけど、よくある怪しい商品のページみたいだな」
「あ、ここは担当の医師の顔が出ていて、丁寧な説明がある!ここで話を聞いてみようかな」

POINT②顧客はほぼ確実に競合ページを回遊して比較検討を行う。
競合の歯科医院のページよりも情報は多く、丁寧でわかりやすい説明であるほうが、顧客目線では信用できる。
同時に、予約ボタンへの動線がスムーズであれば、離脱を防ぐことができる。

ーーーここで、カウンセリング予約を行う。ーーー

【注意】必ずしも「インビザライン」で探して来院するとは限らない

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上記のペルソナのように、矯正に関するリテラシーが低い患者を含めて想定した場合。

「矯正ページ」から来院し、説明を受けたのち、最終的にインビザラインの契約に至ることもある。

つまり、「インビザライン」というキーワードを軸に施策を行った場合、彩花さんのようなペルソナのカスタマージャーニーとの親和性が低くなってしまう、ということだ。

このカスタマージャーニーに基づいて対策を行う場合、想定されるライティングの対象は以下のとおりである。

・矯正ページ
・TOPページ
・スタッフ紹介ページ
・インビザラインページ
(優先度順に表記)

②Googleアルゴリズムに基づいたライティング

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結論を述べると、最近のGoogleアルゴリズムは以下のとおりである。

顧客目線の(ユーザビリティの高い)ライティングが優位で表示されやすい

他にも、医療系コンテンツはE-A-Tやトップレベルドメイン(TLD)など、指標は無数にある。

しかしながら、結局は「ユーザーが見て便利かどうか」に集約される仕組みになっているのだ。

ここでも再び「ユーザー」つまり「人」が登場する。

「Googleアルゴリズム」と言うのだから、「機械の評価基準に合わせて書く」ものだろう。

しかし、「機械の評価基準」もまた「人」に集約されていく仕組みになっている。

結局、ライティングの命は「どれだけペルソナ(顧客)の心理を理解し、共感し、適切な情報を適切な場所で提示できるか」である、というのだ。

再び、ペルソナに立ち返る

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彩花さんは、「思い切って矯正するなら今しかない」と感じていた。

結婚してしまえば、家計のこともある。共働きとはいえ、もしも子どもができたら、自分のことなんて後回しになるに決まっている。子育てが落ち着くころには、もう矯正なんて手遅れだと感じることだろう。」

ここまで決意があるペルソナは、あとはひと押しが必要なだけ

彩花さんが覗く案内ページにこんな表記がされていたら、どうだろうか。

歯並びで悩み続けてきた方へ。最新のインビザライン矯正で、自分に自信をつけませんか?手数料無料の分割払いで月々◯,◯◯◯円~

「矯正のメリットは、歯並びだけじゃないんです」
「マウスピース矯正とは?」
「芸能人も使っています!」
「こんな歯並びも治せます」
「痛みも少なく、利用者は年々増加中です」
「実は、20代女性の◯人に1人が使っています」
「詳しくは、無料のカウンセリングにお越しください」
「◯◯の資格を持った専門医が、丁寧にご説明いたします」

コンテンツの一つひとつが、彩花さんというペルソナの疑問や不安を順番に解消していくために設計されていることが理想。

インビザライン(エンティティ)を説明するコンテンツは最低限入れたうえで、ユーザビリティ向上を図るためには、より顧客目線での見出し構成を設計することが必要だ。

ベンチマークを設定する

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なにはともあれ、SEOは相対評価

何をどのように、どの程度入れ込むべきか。
コンテンツがGoogleによってどのように評価されるのか。

ある程度の当たりを付けてライティングをするために、ベンチマークの設定が必要である。

もし、対策キーワードで1位を取りたいのであれば、現在の検索結果1~3位のページの見出し構成および文字数をツールで抽出。

おすすめツール:ラッコ見出し(hタグ)抽出

ドメインパワーが影響する場合もあるため、サイト全体のコンテンツの量と質もツールで確認。

対策の難易度が高い場合には、目標を下げる必要があるだろう。

一方で難易度が低い場合には、しっかりとコンテンツを磨き込むことが可能と判断できる。

定期的な効果測定

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ahrefsなどのSEOツールでは、特定のドメインをダッシュボードに登録して、前もって登録したキーワードで順位をトラッキングできる機能がある。

ライティングでコンテンツ改善を行ったあとも、事前に当たりをつけた順位に向かっているかどうかを定期的に確認することが重要だ。

SEOの場合、コンテンツ作成後、順位が安定するまで3~6ヶ月かかる

最低3ヶ月は順位を測定し、順位やトラフィックが伸び悩んでいる場合にはリライトなど、さらに改善を行う必要が出てくるだろう。

同時に、コンバージョンにどのような影響が出ているのかも確認。

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例えば、彩花さんをペルソナとして設計したWebサイトの場合。

実際に矯正のカウンセリングに来院した人の属性は、本当に彩花さんに近いのか。全く見当違いの人が来ていないかどうか。

定期的に効果を確認することで、よくある「作りっぱなし」を防ぐことができるようになる。

効果測定を行っていれば、仮に思ったような結果が出ていなかったとしても、次の施策の糸口が見えることもある。クライアントにその旨と根拠を説明することができれば、継続的な信頼関係にも繋がるだろう。

結論:ライティングは、マーケティングの基礎基本である

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今回、顧客のコンバージョン(主に実店舗への来店)促進を目的とした、重要なページのライティングおよびディレクションを行う場合を想定して執筆した。

重要なのは、《各クライアント自身のペルソナから、その地域顧客のペルソナまで把握し、より感性に突き刺さるようなコピーを生み出す》こと。

そのためには、ヒアリング担当者との連携が必要不可欠となる。

「誰に」「何を」「どう伝えるか」

この一言に全てが集約されると言ってよい。

マーケティングとは、この最適解を探す行為に他ならない。

その最適解に対して、人は価値を感じるのだ。

まとめ

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①ライティングとは、執筆という行為を媒介して、モノの価値を人に伝える行為である。

モノの価値とは、「誰に」「何を」「どう伝えるか」の最適解である。

③この最適解に対して、人は価値を感じ、利用し、対価としてお金を払うのである。

つまり、我々マーケター(ディレクターおよびライターを含む)が執筆を通して行うべき活動は、以下の3点だ。

「誰に」=ペルソナを設定し、カスタマージャーニーを構築する
「何を」=サービス提供者自身の強み、サービス自体についてよく知る
「どう伝えるか」=「誰に」「何を」を組み合わせ、ペルソナに最も刺さるコピーを編みだす

以上。

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