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新曲「人生は短いけれど労働時間は長い」公開によせて

「人生は短いけれど労働時間は長い」。

あらかじめ断っておくと、内部告発ソングとかじゃありません。僕の勤務先はとてもいい会社です。(本当です。)

また、「残業時間が長くてツライ」という歌でもありません。

なんていうか、絶対的な残業の長さに関わらず、めちゃくちゃ労働時間が長く感じる時ってありませんか?

どうしても壁に当たる瞬間というのがあって、「こんなに辛いならもう辞めちゃいたいな」と思いながら過ごしている時間って多かれ少なかれあるんじゃないでしょうか。
そして「早く終わってくれ」と思うのに終わらない。「始まらないでくれ」と思うのに始まる。

僕は去年がそうで、会社に向かう道すがら、昔から何の気なしに聴いていた曲が急に心にグサグサ刺さって涙が止まらなくなったりしてました。

何も出来ない自分と、次から次へとやってくる課題。30件溜まっていた未読メールはいつの間にか200件に。それが2ヶ月くらい続いて、メールを開封する頃には〆切が過ぎてる。こりゃもう駄目だね。

当然、信頼も自信も失っていくわけですが、そのとき僕は「頑張って乗り越えるんだ!!!」なんて全然思えなくて、頭の中を占めていたのは「何でこんなことのために苦しまなきゃいけないんだろう」。

それでも夜が来れば朝が来て、季節が変わってまたひとつ歳をとる。

その時が僕の「人生は短いけれど労働時間は長い」と感じた瞬間でした。
そんな歌です。

いや、分かってます。「こんなことのために」なんて思うならさっさと辞めればいい。

ですが、それができないのが僕という人間で、自分で選んだくせして、「本当はこんなはずじゃなかった」とか言い訳して、けど次の一歩を踏み出さず可能性を可能性のままに留め続けている。

可能性のまま置いておいた諦めきれない「何か」はあるのに、いつの間にか毎日が惰性になって、「あなたの本当にやりたいことは何ですか?」という質問に答えられない。

そんな自分の悪いところを何も隠さず出してしまった歌でもあるのてす。

社会に出て6年間で先輩方に指導され、仕事とはなんなのか、厳しく教わりました。

生きるために仕事をしている。
仕事があるだけありがたい。
誰かの役に立たなきゃ仕事じゃない。
あなたは仕事をナメている。
働かざる者食うべからず。

いや色々言われましたね……。実際、今の僕が昔の僕を見たら言うでしょうね。

ただ、分かってますよ、分かってるけど、「生きるために仕事してるんだっけ?仕事をするために生きてるんだっけ?っていうか何のために生きてるんだっけ?」なんて思ったりして。
ということは今でも本質的には分かってないのかもしれないけど、、、。

もちろん、自分のためだけに生きることが人としてあるべき道だとは思わない。
やっぱり誰かに喜んでもらって、そのお礼にお金をもらうもんだと思う。
そのときに自分が輝けて、辛い時でも耐えられて、心から楽しいと思えるようなことだったら、それこそが幸せだと思う。
死ぬ時には何も持っていけない。
「あぁ、本当はあれをやりたかったのになぁ」と思いながら終える人生はきっと寂しい。
でも何もしなければ、目の前の辛い状況は変わらない。
だから自分で答えを見つけに行かなきゃいけない。
納得いく答えはここにはない。

と思います。

だけど、この8文に対して、下の1文だけで上回ってしまう。

「今の環境を変えてもまた辛いかもしれない。」

そして結局ここにしがみついている。

ということは、自分の欲望の根幹は「現状維持」なのだ。

だから、ここで歌っているのは「覚悟のなさ」とかもっと言えば「無責任」なのだと思う。自分の人生に対する無責任。もっとしょぼいことを言えば「面倒くさい」とか、そんなことを大袈裟に言ってるだけなのかもしれない。

であるならばこの曲はただの愚痴なのかもしれません。
愚痴をものすごい労力と多大なる協力のもと、盛大に披露しています。

協力を具体的に言うと、
長谷川夏暉先生による最高の漫画MV(絵のタッチが曲と最高にマッチしている。タッチマッチ)
・天才作詞家・春日による素晴らしすぎるブラッシュアップ
・スリーピースバンド「ペンギンとジョーカー」のパームさんによるベース演奏(僕のしょぼしょぼ仮ベースを耳コピだけで超ハイクオリティに仕上げてくれた)
・度重なる修正の要望に何度でも応えてくれた(完パケしたあとにももう1回修正をお願いした)サウンドエンジニア田中さんのミックス・マスタリング
・制作途中に何度もアドバイスをくれたギター教室の先生
・ギターをかき鳴らしても壁ドンしなかった去年のアパートの隣人、、、

などなど。そしてこれを読んでくれているあなたもです!


僕は問題を問題のままにしたがっている。
だけど辛いのは辛い。
その辛さから逃げる手段が音楽なのでしょうね。
そうして生まれたこの曲は、大好きな楽器編成とお気に入りのコード進行で、メロディも気に入っています。
いい曲ができたことは間違いないので、どうか聞いてやってください。

12月19日(月) 1週間の始まりに、こんな奴もいるんだなと思ってもらえれば。

いつもきれいにお使い頂きありがとうございます。 素晴らしい音楽を作るための費用に使います。