見出し画像

「私は~~だと思います」という言葉で発信すること(ミーメッセージの重要性)

心理学とか、ディスカッションとかの流儀として、特に感情を表す言葉を発する時には、とても大切なことがあります。

 それは、主に感情を話すときには、「私は~~と思う」と付ける、ということです。

 大勢で何かの、誰かの話を聞いたり、何か共通のものを見たときに、「私は」という言葉を言わずに、自分の感情、意見を述べられる方がいらっしゃいます。

 人は何かを聞いたり見たりしたときに、その時に思ったこと、感じたことをすぐに言葉にできる人と、心の中のものを言葉に置き換えるのに時間がかかる方、場合があります。

 何かを見て、感じることは一つではありません。いろんな方がいろんなことを思います。時には言語化できないような複雑な思いを抱えることもあると思います。いろんな気持ちがほんとの気持ち(マルシー長嶋有)という言葉もあります。

 そこで、誰かが、最初に、大きな声で、「その感情はこういう言葉です」と言う。そうするとですね、まだ自分の感情に言葉をつけることができない、あるいは、未分化のまま放っておいている(時間が来るのを待つこともあります)、その余韻を楽しんでいる人の感情まで、その人一人の感想に引っ張られることがあります。ああ、自分が思っていることはその言葉だったのか、と。本当は違ったとしても。

 だから、私たち(心理学をそれなりに勉強したことがある人)は、自分が感情に関する言葉を発する時には、「私は~~と思う」と付けます。そうすることで、それを聞いた人は、「なるほど、あの人はそのように思ったのだな」「私が思っている言葉はそれに近い」「私が思った感情はそれとは違う」ということを判断し、次第に言葉にできるようになっていきます。

 私は、社会的弱者の立場に立つことが多く、それらの方には自分の感情を表に出すことが、社会的にも能力的にも難しい場合が多くあります。

 その人たちが言葉を出す、意見を表明することの手助けすること、そうしてまた、彼らの言葉と称して、自分の意見を押し付けることが無いように常に自戒すること、それが私の仕事だと思っています。

お読みくださりありがとうございます。 いただいたサポートは、NPO法人ルネスかごしまが行う「生活困窮家庭・ひとり親家庭支援」に全額使わせていただきます。