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谷郁雄の詩のノート1

木々の緑が美しい季節の到来です。散歩していても、気持ちが高揚し、心がワクワクしてきます。その気持ちに背中を押されるようにして、新たに詩の連載を始めようと思います。たぶん、気まぐれな連載になると思いますが、2週間くらいごとに更新していくつもりです。詩が好きな人たちだけじゃなく、普段は詩を読まない人たち、詩は難しそうで苦手という人たちとも、詩でつながれたらいいなと思います。(最新詩集「詩を読みたくなる日」絶賛発売中)


「ジグソーパズル」

自分の
心の中に
収め切れないことは

小さな
かけらに
分割して

みんなの
心の中に
収めればいい


「キリトリ線」

好きな人の
きらいなところ
切り取って
捨ててしまいたい

けれど
そんなことしたら
好きな人を
きらいになりそうで

切り取るのは
諦めて
キリトリ線を
ひとさし指でなぞる


「才能」

才能の無さを
悲しむ日々

けれど
それは

努力の喜びを
かみしめる日々


「詩のノート」

晴れの日は
ノートをひらいて
詩を書いた

くもり日も
ノートをひらいて
詩を書いた

雨の日は
晴れの日の詩を
読み返した

生きることは
たやすかった
生き続けることは
苦しかった

©Ikuo  Tani  2022



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