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顧客満足を超え,感動が生まれるサービスとは?

こんにちは。NTTデータのデザイナー集団「Tangity」の志賀です。

突然ですが、皆さんは「顧客満足」「顧客感動」のこの2つの言葉の違いについてご存じでしょうか?

今回は、これらの違いと、顧客満足を超えて「感動が生まれるサービス」
とは何かについて、私が学んでハッと気づいたことをお伝えできればと
思います。


「顧客満足」と「顧客感動」の違い

「お客様満足度」という言葉を聞いたとき、
"お客様を満足させれば良いのね"と捉えていらっしゃいませんか?

人は何か得たいときに、お金を支払ってサービスを受けます。
そのサービスが期待するものであった、思い通りであったと思えば、
「満足」の状態になりますが、一方でこれは、当たり前、普通の状態、
ともいえます。

逆に思った通りではなかった、顧客の期待に応えていない場合には、「不満足」に変わっていく状態(クレームが生まれやすい状態)になります。

  (例)小顔になりたくて小顔矯正サロンに行く(期待) 
        →  顔がシャープになり小顔になった(満足) 
          →  全く顔が変わらなかった(不満足)

お客様がサービスを受けて満足すれば、2回目以降、繰り返し自社のサービスを利用してもらえるはずだと思い、もっともっと提供しようと頑張りますが、お客様からすると満足を受け続けることでそのサービスに慣れてしまい、「やってもらえて当たり前」の世界観をつくってしまいます。

例えば、日本では24時間営業のコンビニが沢山あります。お店側は顧客満足度向上のために、あれもこれもと一生懸命サービスを提供しても、利用するお客様にとっては「当たり前のサービス」に感じてしまうというのは、少し残念な気持ちにもなりますよね。

そう、「顧客満足」を目指してしまうと、「受けて当たり前と感じるサービスが単に受けられた」という状況を目指す、ということにもなりえるのです。

そこでポイントになるのが、「顧客感動」です。
顧客感動とは、お客様の期待通りではなく、お客様の満足を超えた先に、
想定外の感動や喜びが生まれます。
そうした中で、お客様があなたやあなたの会社にまたお願いしたいといった感情が芽生え、リピーターやファンをつくっていくのです。

「顧客感動」の事例

例えば、先ほどの小顔矯正サロンのケースで、私の実体験をもとに考えてみました。

2019年当時私は、日常に忙殺された日々を送っており、小顔になりたいという単純な想いで小顔矯正サロンに駆け込みました。
そんな私に対し、店主の「お客様が日頃の忙しさから離れ、1日のうちにほんの少しの時間でもいいから、自分を受け入れて愛して欲しい」といった想いやコンセプトが、店主との何気ない会話のやり取りや、お店の空間づくりから伝わり、とても癒されて感動したことがありました。

具体的には、施術中に私が何気なく、

「最近夜寝るときに歯ぎしりをしてしまうんです。
 だから、エラが以前よりも張っている気がして、
 顔が大きく見えるのかな・・」

とお伝えすると、

「いつも本当によく頑張っているのよ。
 顔の張りもよく頑張った証拠だと自分自身を褒めてあげましょう。

 ここを押すと、元々の首から鎖骨のラインがより綺麗に見えるから!
 ほら優しく自分の手でさすって労わってあげてね。」

と声を掛けくださり、毎晩のスキンケアの中で出来るマッサージ法を教えてくださりました。この会話のやりとりだけで、なんだか私の心の中が、
じわ~っと芯から温かくなったのです。

別に、マッサージの時間を増やしてくれたからとか、安くしてくれたから等の直接的なメリットが理由ではありません。

小顔矯正の結果や技術力には勿論満足していますが、私はこの店主の「私以上に私自身が本来持つ魅力を引き出そうとしてくださった姿勢」や、「仕事に対する想い」に惹かれファンになり、そこからリピーターになりました。

感動を生み出すには?

感動するポイントは人それぞれです。

人は行動するときに、必ず感情が動いて行動します。
その方自身にとって「良いな」と思うことが起こったときに、はじめて次の行動にステップを踏めるのです。そのため、お客様の感情を引き出して共感を得ることが重要です。 

「この人はわたしのことを理解してくれている!」と思ってもらえたら、
次に「あなたにお願いしたいな!」に変わっていく・・
そんな可能性が見えてきませんか?

お客様の感情を動かすには、目の前のお客様の感情をありのまま理解することが大切です。ありのまま理解するとは、お客様の見えている世界や、感じている感情を、お客様に想いを馳せて感じることです。

人はどうしても自分が提供できること、することにフォーカスが当たりがちですが、その前に大切なのは、「自分の現実とお客様の現実は違う」ということを忘れてはなりません。

その方が抱えている不安、悩み、願望などに着目すると、その方の情景や意識などお客様の潜在的な気持ちや欲求が見えてくるかもしれません。

先程の事例ですと、私の中には表面的な願望「小顔になりたい」の裏側には、「今の自分を受け入れて、自分を愛してあげたい」という
潜在的な願望があったのだと振り返って気付きました。

だから、そのとき店主がさりげなくかけてくださる声掛けや、お店のコンセプトや仕事の姿勢に対し、感動したのだと思います。

人が感動するポイントはそれぞれ違いますが、目の前のお客様に心を馳せてどんなものを求めているのかを考えることが、感動を生み出す一歩に繋がっていくのです。

日頃から意識したいこと

最後に、感動を生み出すサービスをするために、日頃から意識出来る心構えについて、お伝えできればと思います。

日常生活の中で、自分が消費者側としてサービスを受ける際に、相手が何をしてくれるのか(モノ、行動)、表面的なものに意識が向いているとしたら、ここは日頃の意識を見直すチャンスかもしれません。

例えば、「このサービスは、これくらいしてくれて当たり前だよね」と
受け身な意識が働く場合は要チェックです。

 なぜならそうした意識状態の場合、自分自身が提供者側の立場になった際に、自分が何をするか(モノ、行動)に意識が向いている状態でいるはずです。そのため、やることを増やせばお客様は喜んでくださると思い、思っていること以上に行動を増やしていくことになるからです。

冒頭で述べたように、やることを増やしていくと、最初お客様は嬉しいと感じますが、それが当たり前の状態に変わり、期待が生まれる分、その期待は不満にも変わりやすいのです。満足を目指しても、その先には更なる満足を追い続けることになり、感動にはなりません。

日常生活の中でも、消費者でありながら、当事者意識を持ちながらサービスを受けることは大切です。

自分自身も当事者であるという意識を持って日常生活を送っていくと、様々なサービスに触れていく中で、そこで働いていらっしゃる方の表面的な言動や行動の裏に隠れた、様々な想いや姿勢を細かく受け取っていく意識に変わり、消費者でありながら提供者側としての理解にも繋がっていくからです。

そうした先に、自分自身もサービスを提供する立場として、お客様の感動、感謝が生まれることに繋がっていくのではないかと感じました。

いかがでしたでしょうか?
自らが発したものが返ってくるではないですが、みなさんも日常の生活の中で、様々なサービス(例:ホテルや飛行機の利用、Youtubeを観るなど)を受ける際に、意識を少し変えただけで、今までは見えなかった新たな気付きが出てくるかもしれません。

まとめ 

これまで事例を交えてお伝えして参りましたが、最後に、顧客満足を超えて感動が生まれるサービスを生み出すためのポイントを以下にまとめました。

■ポイント
① 顧客感動とは、お客様の期待通りではなく、お客様の満足を超えた先 
 に、想定外の感動や喜びが生まれる。

② 人は感情にもとづき行動する生き物。
 そのため、お客様の見えている世界や感じている感情など、お客様に想い
 を馳せて、どんなものを求めているのかを考えることが、お客様の感動や
 喜びが生まれるサービスに繋がる。


③自ら発したものが自分に返ってくる。
 日常生活の中でも、消費者でありながら当事者意識をもちながらサービス 
 を受ける意識を持つことは、感動を生み出すサービスのために大切な
 心構えである。
 

少しでも皆様の気づきに繋がれば幸いです。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

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