400字の部屋 ♯8 「珈琲 2」
新橋で事務員として働いていたE・Crisは、コツコツ勉強していたプログラム言語を本格的に身に付けたいと思い、仕事を辞め、独学で8つの言語を半年でマスターし、クラウドで簡単なサイト作成の案件を請け負って以来、フリーのプログラマーとして活動を始めた。最初はクラウドの案件で手一杯だったが、スキルが上がり、案件を早くこなせるようになると時間が浮き始めたので、自分のサイトを立ち上げ、サイトからの受注も始めた。現在、クラウドとサイトからの受注比率は約8:2。先の事を思うと、サイト受注を増やすのが大事だと思い、ユーザーが訪れ易いようサイトデザインを変える事を決めた。複数のデザイン案を考えたが、どれも決め手に欠けるようで迷い、膠着状況を打破しようと近所のスタバに行き、二階のソファ席で珈琲を啜ると、一つのデザイン案だけがフワッと浮き上ってきた感じがあった。E・Crisは拳を握り、コードを書き始めた。