第23節VS栃木SC(その2) ~西谷和希の得点シーンを振り返る~

37秒あたりからゴール裏アングルでのリプレーになるので、それを見ながらだとわかりやすいかなと思います。


下の図の黄色③が西谷で、青の①が栗山・④が本田・⑤が安西です。また、黄色⑤はクロスを上げた久冨で青の⑥は山田です。

西谷は大黒からボールを受けた後、ペナルティーエリアを横切るようにボールを運びます。その際青①栗山は縦(ゴールに直結するコース)を切る形で並走しディフェンスをします(上記ハイライト40秒付近)。そのため青⑤安西と黄③西谷は正対する形となりました。ここで安西は西谷が持つボールへのプレスでなく縦を切りながら並走しコースを切るディフェンスを選択します(黄③に向かう黒矢印でなく、山形の左サイド方面へスライドする黒矢印のプレーをした)。優先順位としてはゴールに直結するパス・シュートを消すことが1番なので寄せて西谷をスライドさせるディフェンスは間違っていません。また、少し下がり目でミドルシュートを狙うヘニキ(黄色④)を気にしたのかもしれません。ちなみに山田もヘニキを気にしている姿が確認されており、少し絞ってディフェンスをしています。それを見た西谷は黄⑤の久冨へパスを出しました。


分かりにくいかもしれませんが、これはクロスを上げたシーンを再現した図です。山田が少し絞った影響もあり、久冨は余裕をもってワントラップしクロスを上げ西谷がゴールゲット。この際、西谷はうまくフリーとなる立ち位置を見つけており彼のうまさが発揮されたシーンでした。

では、なぜ西谷はフリーになれたのか。その前のシーンを思い出しましょう。

西谷にチャレンジしに行っていたのは栗山と安西。しかし二人とも久冨へパスを出した後の西谷には付いていきません。栗山はパスを出した後に松本と熊本の間、つまりDFライン最後尾中央に自らの判断で吸収されていきました。また安西は西谷と並走した後もそのままサイドへ寄っていき、山田の背後にポジションを取りました。つまり、西谷はパスを出してすぐフリーになれたのです。

栗山がしっかりポジションを取れた時にはすでに久冨のクロスは上がっており、その上西谷から目線を切っていたこともありクロス対応が後手に回ってしまいました。ヘディングはきっちり枠を捉えており見事なシュートでした。

結果この失点を生んでしまった要因として①方向を限定できていたにも関わらず安西が西谷に対してボールを奪うチャレンジを出来なかったこと、②栗山が西谷を視野に入れずポジションを取ってしまったこと、③西谷に対するマークの受け渡しを疎かにしてしまったこと、の3つにあるのかなと思います(結果論なので各々の選手が異なる選択をした場合成功するとも限りませんが・・・)


まとめればゴール前のディフェンスに対応の甘さが出た失点シーンだったなという感想でした。今後はゴール前での守備もさらなる厳しさを期待します。

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