第37節 VS千葉 ~セカンドオピニオン~

チャンス構築率 山形9.1% 千葉9.4%

シュート成功率 山形10.5% 千葉14.4%

ボール支配率平均 山形48.7% 千葉60.0%

守備ポイント試合平均 山形52.88 千葉47.42

以上が最近の試合データ。この数字から考えられることとしては「千葉にボールを持たれて押し込まれると厳しい」ということ。ただし、チャンス構築率はほぼ互角。いかに自分たちの攻撃の形をより多く出していけるかがカギになりそうな試合です。

では、山形はどう押し込んでいくことを選択したのか。この試合で取った手段は「シャドー二人を相手CBとSBの裏のスペースに流し込む」というやり方。ボールを奪ったらすぐに縦に付けることを意識して試合に臨んだように見受けられます。

ただし、このやり方が逆にデメリットを生んでしまった気もします。それに加え、今日の千葉は守備への切り替えも非常に早く効果的にボールを奪い返せていました。この二つの要素により山形は試合を優位に進めるには至りませんでした。


この試合の象徴的なシーンがハイライト内にあったのでまとめたいと思います。


ハイライト4:21のところ、山田がボールを持ったシーンです。この瞬間、千葉は前線と中盤の6人が画面上に入っておりコンパクトな守備をしているのがよくわかります。さらに、ショートパスのコースをしっかり消しています。対する山形は前線の選手3人が攻め残っています。前線は狙いとしているDFラインの背後を早く取りたい。しかしパスの出し手となるバックラインとボランチは千葉の早いトランジションに手こずっている。結果ボールロストに繋がり相手にチャンスを与えてしまう。

このシーンが表しているのは、千葉対策として自分たちがやろうとした戦術が「前線と後方が分離されてしまったサッカー」という結果になってしまったということです。

サッカーは相手がいて成り立つスポーツです。自分たちにも相手にも戦術があり、その良し悪しが試合を左右します。この試合では山形の狙いを千葉の素早いトランジションが封じ込んだという結末に。その結果千葉が勝利しました。この結果に不思議さは無いと思います。

相手が良さが出ているとき、どのようにして試合の展開を変えるのか。その「セカンドオピニオン」を持ち合わせているのかといえば、今の山形はまだNOと言えるでしょう。

試合後の監督コメントでも、この試合の難しさに触れています。

要は人を捕まえて人を見るという形よりも、出来るだけコンパクトにして、船山君のプレーエリアを、スペースを消しながら前に前にプレッシャーを掛けていくということが我々のやり方なのですが、ちょっとそこで我々の方の圧がね、掛からないことも少しあったのかなと。ただ掛かっている時には取れて、実際ビッグチャンスになることもあったので、その回数は増やしたかったですが、ちょっとそこはジェフの技術力のほうが、ジェフの選手の技術力のほうが上回ったのかなという印象は否めないです。

(上記リンクの監督コメントより抜粋)

狙いを持って試合を進める中で、相手のほうが優位な部分は出てくる。その結果「やり続ける」のか「形を変える」のかの二択を迫られると思いますが、この試合ではうまくいっている部分もあり「やり続ける」を選択。しかし千葉の選手のプレー精度が高くなかなか上手くいきません。後半は選手交代で配置を変えつつ流れを掴もうとしましたがそれでも改善には至らず。「次の一手」が見当たらないまま試合が終わってしまった印象でした。

今の山形は、守備の強度を上げることによって試合のリズムを作り前線の個の力で押し切っていくサッカー。この形がうまくはまらないと厳しいことを再確認させられた試合と言えそうです。

残り5試合を全力で戦い、たくさんの気付きを得てほしい。それが今後の山形の財産になるはず。

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