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13歳からのアート思考(読書メモ)

■この本を読もうと思った理由のメモ

デザインは課題解決、アートは自己表現、いつか聞いたその定義がしっくりきて、さらに、自己表現は芸術家といわれる一部の人がやるものだと、自分に関係ないものといつの日か線引きをした気がする。

「VUCAの時代において自分のものの見方が大事だ」、言語化力でも「自分のスタンスを持つことが大事だ」という意見を耳にしてからか、自分の内面に目を向けるのって大事だよなって思っていた矢先に出会った本。プロローグの"あなただけのかえる"の話を見て、「こんな風に考えられるようになりたい」と即買いました。

■この本で知りたかったこと / 学んだことのメモ

1.  アート思考って何?
2. どうすればアート思考が身に付く?
3. アートって何?

■1. アート思考って何?

アート思考とは
①「自分だけのものの見方」で世界を見つめ、
②「自分なりの答え」を生み出し、
③ それによって「新たな問い」を生み出す
「常識」や「正解」にとらわれず、「自分の内側にある興味」をもとに、「自分のものの見方」で世界をとらえ、「自分なりの研究」をし続けること。
「自分の愛すること」を見つけそれを追い続けること
 by スティーブジョブス
アートは3つの要素から構成される。植物に例えると
① 表現の花:ある時、根が繋がり開花する
② 興味のタネ:興味、好奇心、疑問が詰まっている
③ 探究の根:タネの養分を元に不規則に四方へ深く伸びる
この中で②と③の部分が「アート思考」
花の部分だけがアートではない。花ではなく、興味のタネに目を向け、探究の根を深く伸ばしていくのがアート思考。

本書の中でもいろいろな言葉で説明されていました。答えが一定ではないアートの世界で、自分なりの答えを導く方法が「アート思考」と言われる部分だと思います。

■2. どうすればアート思考が身に付く?

以下3つの方法が紹介されていました。

① 気づいたこと、感じたことをアウトプットする(初級)
とにかくアウトプットすることが大事。難しいときには、以下の2つの質問を繰り返す。
「どこからそう思う?」
 →主観の意見の根拠となる事実を問う
「そこからどう思う?」
 →事実から主観の意見を問う

(例)希望を感じる絵だと思った→「どこからそう思う?」→白が多く使われている、黒もあるがはっきりした色使い→「そこからどう思う?」→大変な中で希望を見つけたような状況をイメージする→「どこからそう思う?」→・・・・

② 作品とのやりとり / 背景とのやりとり

A 作品とのやりとり(中級)
アートの制作者側のことは考えず、作品自体から何を感じるのか、自分なりに考えるやりとり。音楽を聞く時、アーティストが「なぜこの曲を作ったのか?」など考えずに、シンプルに音や歌詞から、自分なりに考えをめぐらせる感覚に近い。作品から短いストーリーを作ってみるのも良い。

B 背景とのやりとり(上級)
作品の背景を知った上で、それらを"自分なりに考えて"みる。美術館でいうと、作品に添えられた説明を見たり、時代背景を調べてみたり、アーティスト側が考えた過程を知った上で、考えてみること。アーティストが考え抜いて出来たものなので、すぐに答えはでない。上級編。

③ 意図的に違う角度から作品を眺める(中級)

作品を物質として見てみる、行動の軌跡として見てみる、視覚以外を使ってみるなどの例が本書では挙げられていました。そのほか、違う人物になり切ってみるとか、タイムスリップしてみてみるとか、論理的にみてみるとか、いろんな見方があるかなと思いました。

■3. アートとは?

最後に、この本でも読者に向けられた問い「アートとは?」への自分なりの考え。人が何か考えを巡らせるきっかけになるものがアートだと思う。自然の風景も、本も、書類も、ペンも、全部がアートになりえて、その中でも多くの人が考えを巡らせるものに人が集まったり、美術館にならんだりする。

自分とは切り離していた考えていたアートが、かなり身近に感じた一冊でした。

<参考:アートの歴史>
現実の世界をリアルに再現すること

カメラ発明 ⇨「アートにしかできないことってなんだ?」

マティス マティス夫人の肖像
目に映る通りに描く必要はないのでは?

ピカソ アビニヨンの娘たち
再構成して自分なりのリアルを追求する

カンディンスキー コンポジションⅦ
具象物を描かない絵があってもいいのでは?

マルセル・デュシャン 泉
美を求める必要も、自分が作る必要もないのでは?

ポロック ナンバー1A
絵画で何かを描くのではなく、絵画自体が作品に

アンディーウォーホル ブリロボックス
アートと非アートの境目なんてないのでは?

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