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ゲームは理想を作るサンクチュアリ!のはずが・・・?

私は小中学生向けにシェア工房を運営しています。

シェア工房はいろんな道具や材料があって、こどもたちが思い思いに工作をする場所です。やりたいことがない子にとっては拷問のような場所です。

それでも来てくれる子がいるので細々と続けています。

その他に年に1度のイベントとして、春休みに小中学生対象に「こどものまちをつくろう」という名の、ものづくり×社会体験のイベントを10日間やっています。
ものを作って、売って、儲けたお金で遊んで、困ったことは議会で話し合い、法律も変えていく。

大工の仕事をする子がいれば

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ゴミ拾いする子もいるし

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プログラムでゲーム作ったり、動画のニュース作ったり。

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議会や革の工房、粘土工房、ロボットなどいろいろ体験できる。

さらに起業という方法で社会に貢献することもできる。(やばい会社がたくさんあって楽しい!)

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・・・もっと複雑ですが、単純に説明するとこんなかんじ。

「キッザニアの市民活動バージョン」というと分かりやすいでしょうか。

主体性を育てることが第一の目的なので、「自分で行動できん子は知らんがな」という”不親切”な設計です。それでも(だからこそ)毎年大きく成長する子の姿を見ることができて、とてもやりがいを感じます。

そんな「こどものまちをつくろう」が、2020年準備も最盛期の時に、新型コロナウィルスの影響で中止になりました。これはかなりのダメージでした。

そんなとき我が子の「マイクラでやってみたら?」の一言が、私をマイクラの泥沼に引きずり込んだのでした。

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私は競争心がないからか、これまでゲームを面白いと思ったことがないんです。でもこどもたちの成長の可能性があるならやってみようか。と休校決定から1週間後にマルチサーバーを立上げ、やってみたい子~!を募り早2カ月半がたちました。


Zoomでつないで顔を見ながら・おしゃべりしながらのマルチプレイですので、かなりアナログ管理サーバー。
とはいえ新型コロナの影響で外出自粛中の子どもたちの気分転換には一役担えた気がします。

さてそろそろ学校も再開しそうだし、どうしましょうかね?ということで、今日は続投を望む4人のメンバーとzoom会議しまして、

その会議がかなり良かったんです。

何が良かったか、というと「ゲームって何?」を再確認できたこと。(多分子ども達はそんなこと微塵も思ってもないですが)

サーバー運営を始める前に自分自身ゲームに興味がな買ったため、何が面白いのかを知りたくて「ゲームは面白い!」っていう人のTwitterやブログを片っ端から読み漁っていたのですが、その中で共感したのが

「ゲームは居心地のいい世界を作れる理想の世界、現実世界は思い通りにならない嫌な世界。だから仕事が終わったらゲームやりたい」という概念です。この考え「こどものまちをつくろう」と同じだなと思ったんです。

こどもにとって嫌なことを言う大人は入ってきちゃダメ!っていう取り組みなので。

それじゃあゲームの方がこどものまちよりサンクチュアリ!と楽しみにサーバー建てたわけです。

そうしたら・・・日がたつにつれ、”荒らし”が出てきました。まあ荒らしといっても、かわいいものです。他の子が作った建物を壊したり、生き物スポーンしてサーバー重くするような。

どうしてもルールを破る人が出てくる。それに対してどう運営するか?を今日子ども達と考えていたんですが、子ども達から出てくるアイデアは「罰則」が多かったんですね。次はサーバーに入れないようにする、みたいな。

こどもたちはいつも大人から「できなければ罰則」を求められてるんだもの、自然なアイデアだよね。

罰則を与えるためには犯人捜しをしなきゃいけない。そのためにはパトロールする役の子が必要だよね、という議論になったんですが、ん?ちょっとまてよ。パトロールするためにゲームしたいんだっけ?違うよね?

つまりいつの間にか彼らにとってこのゲームは理想郷ではなく、現実に近いものになってしまったわけです。

そうか。ゲームのマルチプレイをする=たくさんの人が関わるから自分の理想郷は作れないってことになる。

そもそも誰にも邪魔されない自分の理想ワールドをつくるのが楽しくて始めたゲームなのに、いつのまにか「誰かと一緒にプレイしてみたい」が強くなたわけです。

ゲームとはいえ生身の人と関わることで学びがいっぱいあって、愚直に取り組む子ども達の存在に期待を感じてしまいました。

ゲームのマルチプレイにはこんな効果があったんだね。

それにしても人間て、つくづく面倒くさくて面白い生き物ですね。

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5/23~6/7の月曜日をのぞく14日間、今度はサバイバルモードでこどものまちに挑戦します。今回の目標は「経済を回すこと」。

さてさて、どうなるか楽しみです!














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