「墓じまい」って言葉やめませんか?
一昨日の夜は小さなことでもんもんしていた。実家の「墓じまい」の準備で私はつまづいてばかり。簡単な書類も書き間違える。修正多し。明日はまず霊園を管理運営するお寺で事務手続きだけ先に済ませる。あ~ 行きたくないよ~。なんかココロが重いよぉ~。私はお坊さんと話のテンポを合わせられるだろうか?明日は大雨が降ると言う予報も出てるし~。おっくうだなあ。私の後には誰もお墓を管理する人はいないのだから、お役目は果たすのだよ。と自分に言い聞かせる。
「墓じまい」シュミレーション。
事務手続きの20日後にお墓で読経していただいて合掌。ご住職立ち合いのもと骨壺の中身を確認してお骨を持ち帰る。持ち帰った骨壺をきれいにする。そして市役所で「改葬許可書」をもらい別の場所で納骨する日まで我が家でご先祖様たちのお骨と過ごす。そうやって私の役目は終わるのだ。たぶんお盆前には。
私たち子どものいない夫婦も お一人様も もう肉体の死後のことは悩まずに済む埋葬システムさえ葬儀屋さんのパンフには紹介されている。日本のお弔いのシステムも人々の意識も激変している。
それにしても お寺に手続きに行きたくないなあ~
と どんよりした気分で 朝ドラの後の「あさいち」を見ていたら
夜ドラ「ワタシってサバサバしているから」の主演・丸山礼さんが愛媛県を旅する特集があった。まず最初に人気観光列車「伊予灘ものがたり」が紹介された。
気持ちがどんよりしたら妄想「伊予灘ものがたり」
車内が紹介される。いいわあ~。
砥部焼(とべやき)の洗面台、みかんの形をイメージしたシンプルだけどかわいい照明(色は白)。リッチなすわり心地の座席。
目の前の癒し情報に 飛びつく私のいたいけなココロよ。
しかも リーズナブルな価格
普通運賃 特急運賃 グリーン車運賃の合計に
希望者は愛媛県産食材をふんだんに使ったお食事(別料金)が食べられる。
今まで一人で300回以上乗った男性が乗客の一人として紹介されていた。
美しい景色と素敵な車両、沿線住民との交流、美味しい食事が魅力なんですって。
よし この面倒くさい 「墓じまい」をめでたく終えたら
フェリーに乗って四国ヘ行き、松山から「伊予灘ものがたり」にのるんだ~
愛媛特産品を使った和食モーニングもおいしそうだった。
そして食後に 車窓をみながらコーヒーを飲むんだ~~~
楽しい妄想に逃げるしかない。今日の所は。
さあ、清書した改葬申請書類の下書きを消しゴムで消し、
明日持っていくものを用意しよう。
万が一、書類の不備を指摘されても
脳内で「ありがたいありがたい」と唱え
その先にあるはずの
「伊予灘ものがたり」を妄想するんだ!!!
そうやってまず一山 乗り切ろう。
なにしろ 一生に一度だけの経験だから
大したこともないのに こんなに緊張しているんだろう。
立ち上がるんだ!
座って書類を整えていても気持ちだけは
立ち上がるんだ。
どんよりしてきたら 今朝見た
愛媛鉄道の旅を妄想しよう。
私も座席に座って瀬戸内海をながめ
ご飯を食べながら鉄道旅を楽しむんだ。
「墓じまい」を終えたらね(^▽^)/
「墓じまい」・・・その言葉への違和感
うん? もしかしたら
この「墓じまい」と言う言葉が
私たちを暗くさせるのではないだろうか?
「墓じまい」という言葉には違和感がある。
お墓を解体する業者さんにとっては
お墓を更地にかえすという「終い(しまい)」だけど
私たち家族にとってはもちろん
お墓を管理して供養を続けてきたお寺にとっても
「終い(しまい)」という言葉は なんだか違う気がする。
実際には供養の場所と形を変えるというお引越しなのだから。
そうそう、「お引越し」が良い!
思えば一昨年冬、死を覚悟した入院時に「墓じまい」改め「お引越し」のことを私は本気に考えたっけ。体力が回復してきた今、やっとそれが実現する。今年は母も亡くなり、ご先祖様たちと同じ引っ越し先の納骨壇で眠ることになる。
亡くなったご先祖様たち全員の思い出を色濃く持っているのは私だけ。そう、みんな私の心の中で生きている。私とおしゃべりしたがっている。いい機会だから、おもいっきり感謝の気持ちを伝えたくなってきた。
お骨と一緒に家に帰ったら、
ご先祖様たちと家族水入らず、お茶会でも開きますか?