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【LINEコラム】ドライアイは水分不足より『油分不足』!様変わりした治療法とセルフケアの紹介(2023.03.13配信)

こんにちは。
健康を損なわず成果を出す人や組織づくりを考え伴走するライフデザインファシリテーターの丹後友里です(@tanchan0630)。

先週金曜から今日にかけてプールの仕事が4連休になり、また数ヶ月に1度訪れる『ガス欠DAY』が重なったこともあって、金・土は1日中Amazon Primeでお菓子片手にアニメ三昧な生活を送っていました。

私の動画視聴は基本的にiPad miniで観ます。手軽に持ち運べるサイズ感でありながら、手元で観る分には大き過ぎなくていいサイズでもあるため、床でのごろ寝だったりソファで足を伸ばしながらだったり、ありとあらゆる体勢で観ていました。実に充実した時間でした。

さて、あなたは普段どれだけスマホやパソコン、タブレットを注視していますか?仕事でもプライベートでも何かと必需品になっている電子機器類。それなくして生活は成り立たないくらい重要なものになっていますよね。

当然使うことにはメリットの他にもデメリットがあります。

代表的なデメリットを上げるなら、長時間使用し続けることで起こる『ドライアイ』やそこから起因して『肩こり』『頭痛』『眼精疲労』なども起きてくると思います。

そこで今週のコラムではそんなデスクワーカーにおすすめしたい

実は油分が重要!最新のドライアイの予防法

について紹介していきます。




目の働きでもっとも重要なものは何かご存知ですか?それが『』です。

実はこの涙は大多数が水分でできているものの、水分が蒸発しないように表面は油分で覆われているんです。

油を分泌するのは上下まぶたのまつげに沿って各20〜30個並んでいるマイボーム腺で、まばたきをする度に涙腺からは水分が、マイボーム腺から油が供給されることで目は守られています。

ドライアイは何らかの原因で水分や油分の供給ができず、涙液層が破れて生じる症状です。
例えばまばたきをせずに目を開けたままでいられないのは、

まばたきをすることで角膜を守っていた涙液層

まばたきをしないことで涙液層が破壊される

角膜を守れない

角膜が刺激されて痛む

という流れになります。長時間パソコンやスマホをまばたきせずに注視していると、目がショボショボしてきたり痛くなるのはこのせいですね。

またその状態を放置しておくと、角膜や結膜に炎症が起きます。それもまたさらにマイボーム腺からの油分の供給に悪影響を及ぼすため、さらに涙液層の不安定化を招き、ドライアイ症状が進行してしまいます。

ドライアイ専門医で日本眼科学会の有田玲子医師は

「角膜は人間の細胞の中で最も知覚神経終末が多い部分なので、小さいゴミでもかなり痛みを感じるようにできています」

と話します。痛みにがまんできなくなるまでの時間をBUT(Tear Film Break-up Time、涙液層破壊時間)といい、正常な人なら10秒ぐらいは大丈夫。5秒以下は涙液層が非常に不安定な状態でドライアイが疑われるそうです。

また、ドライアイは2012年に発表された論文で

アメリカとイギリスの研究者による共同研究で、ドライアイの原因にはマイボーム腺の働きの低下がある、つまり、患者の86%は『油』が不足した状態であるということが明らかにされた

ということでこれを『マイボーム腺機能不全(MGD)』によるドライアイというそうです。
このマイボーム腺機能不全は

・食習慣
・脂質異常症(メタボリックシンドローム)
・加齢

などさまざまな原因で分泌される油分の量や質が低下して、マイボーム腺の出口を塞いでしまうことで起こるのだとか。

この2012年の論文の発表以降、ドライアイ医療は水分を増やす治療からマイボーム腺機能不全を改善し、涙液層の油を増やすことで水分の蒸発を防ぐ治療へと大きく舵を切ったと転換期を迎えました。

油分不足のドライアイ治療には水分と油分を安定化させる『ムチン』が入った点眼薬(商品名:「ジクアス点眼液3%」「ムコスタUD点眼液22%」)登場、20年ほど前に開発されたヒアルロン酸(保湿成分)の入った点眼薬より有効性が高いことも分かっています。

その他にも油分を増やす効果が証明された点眼薬アジスロマイシン点眼液(商品名:「アジマイシン点眼液1%」)が登場したり、2022年には光照射でドライアイを改善する『ドライアイIPL光線療法』を行う医療機器も国内で承認され、ドライアイの中等度患者さんにも高い効果が出ていることがわかったりと、ドライアイの治療の選択肢は少しずつ増えてきているそうです。


ドライアイ治療について有田医師は

マイボーム腺機能不全を改善する治療やセルフケアに取り組む研究で分かってきたことは、涙液層の一番外側にある油層を守ることで目表面からの水分の蒸発量が減り、水分不足が原因のドライアイにも効果があるということです

こう説明されています。つまり、『ドライ(乾燥)だから水分を補充する』というのはもちろん大切ではあるものの、それ以上に『水分を蒸発させない油分をきちんと確保しておくこと』が大事ということですね。



さて、そんなドライアイですが、今のあなたの目の状態はどうでしょうか?
ドライアイチェックリストで確認してみましょう。

いかがでしたか?

一見ドライアイに関係なさそうな『涙が出たりする』という設問もありましたが、これはマイボーム腺の位置に関係してきます。マイボーム腺は『まぶたの粘膜』と『皮膚の境』にあるため、涙が外に出ていかないようにする役割もあるんです。ですから、マイボーム腺の脂が減ると涙がまつ毛の方にはみ出してしまい『涙目のように感じる(涙が出たりする)』になってくる、とのことでした。

発症メカニズムがわかってきたことで、今度は治療・対策です。
有田医師によると、

「アメリカをはじめとした国際標準治療においてエビデンスの高い第1選択治療(最初に行うべき治療)として推奨されているのはセルフケアです」

とのこと。では実際にどんなセルフケアがいいのでしょうか。


■ セルフケア①:温罨法

1つ目は目の周囲を温めるセルフケア。マイボーム腺の出口で固まった油を溶かす効果、まぶたの血流を改善する効果などが期待できるそうです。

やり方は、まぶたをじっくり38℃前後で5分間ほど温めること(朝晩など1日2回以上行うと効果的)。

ポイントは温める際にまぶたを濡らさないようにすること。濡れると水分が蒸発するときに目を冷やしてしまうからです。蒸しタオルを使う場合は、ポリ袋に入れるかラップなどで包み、まぶたを濡らさないようにするとよいそうです。

また、市販の温めるアイマスクは蒸しタオルと同等の効果が得られるものの、有田医師が個人的にオススメするのがこちら。

どの辺りがおすすめなのかは記事に書いていなかったのですが、恐らく

◎ 5分間温感が持続する
  ⇒ 蒸しタオルだと冷めやすい?
◎ 適度な重みがある
  ⇒ アイマスクは軽すぎて密着感が足りないため
    隙間から蒸気(温かさ)が抜けていく?
    反面あずきマスクは重みがあり密着&温感UP
◎ 繰り返し使える(250回)
  ⇒ アイマスクに比べたら圧倒的コスパ最強
    ※アイマスク:16枚入り1,386円
     あずきマスク:1個510円
     アイマスク1枚20分:あずき1個5分×4
    20分/回→86円:5/回×4→2.04円×4=8.16円

計算間違ってたらすみません。笑

市販品をいろいろ試した結果このあずきマスクが一番良かったそうです(論文で紹介済みだとか)。

ただし、目を温める際に気をつけて欲しいのは、花粉症による『アレルギー性結膜炎』がある場合です。結膜炎は『結膜で炎症が起きている(火事が起きているイメージ)』なので、そこに温かさを加えてしまうと『火に油を注ぐ』ようなことになってしまいます。
これは結膜炎に限らず、全身の炎症における症状がある際は温めることは避ける方が良く、逆に冷やす方がいいことが多いです(ぎっくり腰になった時に「温めた方がいいと思って」と温めてしまって悪化するのがまさにこのケース)。


■ セルフケア②:眼瞼清拭(がんけんせいしき)

指の腹でまつ毛の根元周囲を横方向に優しくマッサージするように洗うこと。この時は手を横に動かすのがコツだそうです。

清拭に使うのは目元用シャンプーや刺激の少ない洗顔剤でもいいそうですが、なければぬるま湯で洗うだけでも十分効果があるとか。

まつ毛は目にゴミが入らないようにするため、ハウスダストや花粉などが溜まるのだとか。それに加えて女性ではメイクでマスカラを塗ることもありますよね。雑菌汚れの上にメイク汚れも重なるとなると、より目の周りの洗浄ケアはいつも以上に丁寧に行うことを考えた方がいいかもしれません。



目の健康についていかがだったでしょうか?

私自身特に意識していることは、『眼鏡をすること』くらいでした。

私の眼はピントを調節する筋肉が既にゆるゆるになってしまっているため、コンタクトのように薄いレンズだと自力でピント調節が対応しきれず、視界がぼやけやすくなっているんです。なので眼鏡をする(分厚いレンズでピント調節をする)ことで目の負担が軽くなり、長時間のデスクワークも余裕になっていましたが、『目を休ませる』という点ではまだまだ足りていなかったなと思います。

先ほど掲載したあずきマスク。早速ポチって目のセルフケアをしていこうと思います。




今週も最後までお読みくださりありがとうございました!今週のコラム、いかがでしたでしょうか?今日のコラムが少しでもお役に立てできましたら幸いです。今週も体調管理に気をつけて良い1週間をお過ごしください!



【 参考記事はこちら 】




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