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【LINEコラム】眠気の正体は意外なアレ!?解明が進む最新の『快眠の科学』を紹介(2023.1.18配信)

こんにちは。
健康も考えて仕事の成果も出せる個人・組織づくりを目指すライフデザインファシリテーターの丹後友里です(@tanchan0630)。

お正月休みも終わり、本格的に始じまった2023年。最初の1週間はいかがお過ごしだったでしょうか?
『連休が終わってもまた連休』だった先々週。生活リズムを保てなかった方も、お正月休み関係なく生活リズムを保てていた方も、また今週から知りき直しで1月後半を楽しんでいきましょう。

さて、今週のコラムでは

快眠の科学・最新情報

について紹介していきます。
日頃自分の睡眠についてどれだけ自覚・認識していますか?
『睡眠の質を高める』ことに関して見聞している知識・情報・ノウハウなどはたくさんあると思います。
大事なのは【 それらを実践し、状態を自覚して、効果検証する 】こと。ぜひ今晩から試してみてください!




自分の睡眠について何か自覚的に行動していることはありますか?
例えば、よく耳にするのが『入眠90分前にお風呂に入っておく』『睡眠アプリで計測する』ということ。私も以前のコラムで紹介したことがありましたね。

また、それ以外に食生活で睡眠の質を改善したこともあります。

私自身、寝起き直後の重たい疲労感が20年以上続いており、子供(小学校低学年くらいまで)の頃以外でまともに『スッキリ爽快☆』な朝など迎えたためしがなかったのです。しかし、一昨年に健康診断で肝臓の数値が初めて基準値を超え、それを機に食生活を改善。その際に真っ先に行ったのがメインの主食を白米から玄米に変えたことでした。

玄米を食べ出してすぐ、それまでの寝起き直後の重たい疲労感は一気に解消され、熟眠感と爽快感を感じられるようになりました。

どうしてそういうことになったのかは先述のnoteをご覧いただくとして、こうやって自分の身体の特徴・不調の状態に合わせた生活習慣の改善を図ることはとても大事なことだと私は思います(おかげで私は玄米を炊くのをサボり、白米のパックご飯を食べることが増えると途端に体調が悪くなります)。

一般的に『睡眠』だから『寝ること』に直結するものを見直す(就寝時間・寝具など)ことに走りがちですが、

なぜそういうこと
(ここで言うなら睡眠不足・睡眠の質低下)
なっているのか?

という問題の本質をしっかりと考え見つめ直し、その問題を解消するツールを探して見つけ、活用して改善していかなければ、本当の意味で『改善された』ことにはならないからです。

そのためには、まず情報・知識を知ること。知っている知識をアップデートしていくことが肝要です。

とはいえ、『睡眠』は脳科学においてもまだまだ未解明な分野。研究は常に進化していますが、最近の研究でわかったことを2つ紹介します。



①『眠気』の正体はたんぱく質のリン酸化

脳の『シナプス(脳神経細胞の同士の結合装置:送信機と受信機みたいなもの)』にあるたんぱく質がリン酸化されると眠気が強くなるそうです。しかもこのたんぱく質は80種類あるとされ、内69種類がシナプスに常駐しているんだとか。

起きて活動している間脳は
常に外界からの情報を受け取り働き続けている

ごみ(ガベージ)のような雑多な記憶や
不必要な情報もたまっていく

同時にシナプスなどにある特定のたんぱく質の
リン酸化も進み眠気が蓄積されていく

いらない記憶や情報を整理するために、
睡眠が促されているのではないか

と筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構長柳沢正史教授は考えているそうです。

以前別のコラムでも脳疲労による神経細胞の酸化が自律神経の乱れを起こし、体調不良を顕在化させる話も書いたことを覚えているでしょうか?

このように、神経細胞の状態が体調不良に影響を及ぼしてしまうのは、いかに普段の脳の使い方ーひいては生活習慣と外部ストレスによる身体と脳への情報インプット方法・その質と量を考えて調整できるかが重要になると私は思っています。

目先の快楽を優先すると、こうした目に見えず知覚自覚しにくい蓄積疲労が、明日もしくは数週間・数ヶ月・数年先の自分パフォーマンスや暮らし方に影響を及ぼすことになります。

では、具体的にどうしたらこのたんぱく質のリン酸化を防ぐことができるのか?それは睡眠の誘導と維持・制御を司る酵素『CaMKI Iβ』の活用が重要だと示唆されていますが、まだ具体的な手法は確立されておらず(該当薬での薬物コントロールの可能性が高いようです)、実生活での実践はまだ先のようです。

ただ、先述通り、『生活習慣の悪化が脳の神経細胞の劣化を進ませてしまう』という認識を持ち、改善を試みようとするだけでもまずは一歩前進ではないでしょうか。



② レム睡眠は ”浅い睡眠” じゃない

睡眠と聞くとまっさきに思い浮かぶのは『レム睡眠』と『ノンレム睡眠』の2つでしょうか。これまではよく『レム睡眠は浅い睡眠だから夢を見る』なんてことを見聞きしてきたと思いますが、最近の研究ではレム睡眠は浅い睡眠ではないということがわかってきたそうです。

そもそもレム睡眠の『レム(REM)』とは、『急速眼球運動(Rapid Eye Movement)』の頭文字を取って呼称されている呼び名です。柳沢教授曰く

レム睡眠では、脳がしっかりと外界から切り離されているので、“浅い睡眠”とは言えないでしょう。

例えば、どれだけの音量の音で目が覚めるか実験すると、レム睡眠はノンレム睡眠の『N2~N3』並みです。少なくとも、N1よりずっと睡眠が深く、目を覚ましにくいことが知られています。

また、レム睡眠中は手足や体幹の筋肉が完全に脱力します。運動系への出力という意味でも、レム睡眠中は脳が外界から隔絶された状態にあります。

けれども、大脳皮質の一部の視覚野などは動いていて夢を見るという不思議な状態なんです。

【出典】睡眠の悩みを解決する科学研究の最先端

とのこと。
最近では睡眠時間が同じでも、レム睡眠の割合が少ない人は寿命が短く認知症になりやすいのだとか。反対に、レム睡眠の割合が多い人はストレス耐性も強くなることから、レム睡眠を増やす機能性表示食品も出てきたそうです。

今までは『睡眠時間』の量にばかり着目されていましたが、実際はこうした睡眠の割合の着目も大事ということがわかりますね。そういう意味でも、スマホアプリやスマートウォッチを活用した睡眠の計測はとても大事な習慣であり、自分の睡眠の計測を基に睡眠状態の可視化と前後の生活習慣の比較を行うことで、より質の高い睡眠習慣をつくっていけそうだと感じます。


ただ単に布団に入って目を閉じていればいい、スマホは2時間前に使わない、など場当たり的なことではなく、しっかり仕組みを理解した上で体調の計測を行い、『自己管理』をしていけたらいいのではないかと考えます。




今週も最後までお読みくださりありがとうございました!今週のコラム、いかがでしたでしょうか?今日のコラムが少しでもお役に立てできましたら幸いです。今週も体調管理に気をつけて良い1週間をお過ごしください!



【 参考記事はこちら 】



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