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【LINEコラム】その『疲労』は病気かも!?症状が長びく慢性疲労症候群におすすめな漢方を紹介(2022.9.26配信)

こんにちは。
個別×本質的な健康づくりで働く人のQOL向上をサポートするライフデザインファシリテーターの丹後友里です(@tanchan0630)。

シルバーウイークも終わり平日という名の現実に戻ってきましたが、皆さん体調はいかがでしょうか?
シルバーウイーク中は台風に見舞われ天候と一緒に体調を崩されがちになっていた方も少なくないかもしれません。

今週末には10月を迎え、2022年も残り100日を切りました。

ここから来年に向けて少しずつ動き出すことも増えてくるのではないでしょうか。今年の冬は、インフルエンザと新型コロナウイルスが同時流行するとも言われています。改めて疲れやすさや体調不良の対策を考えて行きませんか?

そんな感じで今週のコラムで紹介するのが、

慢性疲労症候群に効く漢方 

について紹介していきます。




皆さんは『慢性疲労症候群』という病気を知っていますか?
また、この病気についてどんなイメージを持っていますか?

「疲労なんでしょ?それって自己管理不足なんじゃないの?」

と思う方もいるかもしれませんが、新型コロナウイルスの後遺症の1つでもあるこの『慢性疲労症候群』は、

身体と精神の両方同時に激しい疲労感があり、
それが長時間続く疾患

とされています。
また疲労感の症状以外にも

・微熱
・のどの痛み
・頭痛
・思考力の低下
・抑うつ状態
・睡眠障害(不眠、過眠)
・筋力低下や筋肉痛
・関節痛
・光や音への過敏性
・リンパ節の腫脹

があり、パッと見風邪やメンタル疾患のように映りますが、実情としては誰もが日常生活で経験する疲労や慢性疲労とは違い、
・免疫系
・神経系
・内分泌系(ホルモン分泌)
・脳血流量の低下
が関与する疾患
だと考えられています(発症経路は今のところまだ解明されていませんが、感染症との兼ね合いもあるそうです)。

忙しい現代人にとってこうした不調はすぐにでも取り去りたいと思い、西洋医学的考え(病名からの診断)でビタミン剤や抗うつ剤、漢方エキス剤などの服薬を勧められることが多いそうですが、症状の改善効果が見られるのは全体の1割程度にしかすぎないそうです。

そんな慢性疲労症候群には最近漢方の処方が注目されているそうです。
西洋医学と違い、漢方はどのような視点で薬を処方するのか?それが『証』という漢方薬・東洋医学ならではの観点です。

「証」とは、自覚症状及び他覚的所見からお互いに関連し合っている症候を総合して得られた状態(体質、体力、抵抗力、症状の現れ方などの個人差)を あらわす漢方独特の用語

【出典:Kracie よくある質問


わかりやすく言うと、『身体が病気と闘う際に、どんな戦い方をするのかを、体質や抵抗力・病気の進行度などから判断し、状態を把握する方法』という感じです。

例えば、
◎ 冷えや寒さなどを感じているのか、
  ほてりがあって暑がっているのか。
◎ 体力があり病気に対する抵抗力があるのか、
  体力が低下していて病気に対する
  抵抗力が弱いのか。
◎ かぜの場合にはかかったばかりなのか、
  かかってから何日か経過して胃や腸の具合も
  悪くなっているのか。

このように、
からだ全体の状態をつかみ処方を決定することを
『証をみる』『証を決める』と言います。

【出典:Kracie よくある質問

つまり、病名だけで判断して薬を渡すのではなく、症状を抱えている患者さんの状態を見てひとりひとりの症状改善に合う漢方を選んで処方するということです。

先述しましたが、慢性疲労症候群自体はまだまだ発症要因も症状の現れ方も複数あり、人によって発症内容がそれぞれ異なります。そういう観点からも、証による判断から処方される漢方の方がまだ効き目が良いように感じませんか?

「漢方は飲んでも(すぐ)効かないからなぁ……」

その場合はいくつか理由は考えられますが、まずは『合っていない漢方が処方されている』可能性が一番高いのではないでしょうか。

「自分の症状に合うのが漢方なのに?」

そう思うかもしれません。ですが、これには大きな見落としがあると考えられます。それが、『患者さん自身で自分の体調についてこまかく把握できていない』ことです。

以前にも別のコラムで書いたことがあるかもしれませんが、自分の体調を細かく把握してこそ、処方される薬の効能や不調改善の効果が増します

何となく、ふわっとした情報を医師たちに与えていませんか?

医師たちに必要なことは主観による感想ではなく、『客観的な事実ベースの情報』です。
膨大な知識量から目の前のあなたの不調の原因を特定するためには、それ相応の事前情報が必要不可欠になります。それを正確に相手に伝えることがまず大前提であることをご認識ください。


その上で事例を見ていきましょう。


■ 事例①

Aさん(女性、44歳)
・疲労感が強く思考力が低下して
 仕事に支障が生じるようになった(休職中)
・腰や膝がだるく歩くのにも疲れを感じる
・外出するとくたくたになる
・からだに熱感があり、寝ている間に寝汗をかく
・舌は暗紅色で乾燥しており、舌苔はあまり付着していない

このAさんの場合は、思考力の低下、腰や膝がだるい、からだの熱感、寝汗、暗紅色の乾燥した舌、少ない舌苔などの症状から、「腎陰虚(じんいんきょ)」証と判断できる、と中医師の幸井俊高医師は診断し、それには『六味字黄丸』が良いと言います。

症状や体質によってふさわしい漢方薬が異なります。



■ 事例②

Bさん(男性、40歳)
・いくら休んでも回復しないほどの疲れが続いている
・微熱ありで病院受診→検査をしても異常はみつからず
・残業が多く、ストレスを強く感じている
・頭痛も続いている
・喉が痛く、頚部リンパ節が腫れている
・舌は紅い色

Bさんの証は、「肝火(かんか)」で、ストレスの影響などで五臓の肝の機能がスムーズに働かなくなり鬱滞し、熱邪を生み、この証になっています。微熱、頭痛、喉の痛み、リンパ節の腫れ、紅い舌などは、この証の特徴です。耳鳴り、のぼせなどの症状がみられることもあります、とのこと。

症状や体質によってふさわしい漢方薬が異なります。 


いかがでしたでしょうか?
このように、同じ慢性疲労症候群でも、女性と男性、症状の出方や訴える主訴(内容)によって処方される漢方は大きく違いますよね。

また、2つのケースに共通していることは『仕事がまともにできなくなってきている』ということ。これは健康経営の観点で言うと、

Aさん:アブセンティーズ
  ⇒ 疾患等により休職している状態
Bさん:プレゼンティーイズム
  ⇒ 出勤(就業)しているがパフォーマンスが
    著しく落ちている状態

に相当すると思います。

ただの疲労だからと甘く見ないでください。
『疲労』とつくから休めば治ると思わないでください。
先述で挙げた症状で悩んでいる・悩まされている人には、勇気をもって病院を受診し、治療することを勧めてあげてください。

どんな病気も、早期発見・早期治療がその後のパフォーマンスをリカバーし、病気以前よりも高めていく最大のコツです

その上で、治療の手段の1つとして漢方という選択肢を考えてみてくださいね。




最後までお読みくださりありがとうございました!
今週のコラムが少しでも皆さんの健康力向上にお役に立てできましたら幸いです。
今週も体調管理に気をつけて良い1週間をお過ごしください!


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