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【お茶屋】ここが大変だよ事業承継~3.産地じゃないお茶屋にできること~

事業承継シリーズ3回目!

今年(2021年)10月に事業承継(代表就任)します。

前回に続き、お茶屋に入ってから事業承継に至るまでのお話をしていきます。

私の中でのお茶産地あるある

「お茶を気軽に、お茶で豊かに」をモットーに、様々なイベントに参加しました。

試飲して頂いたお客さんに言われるのが、
「こんな美味しいお茶初めて!」
嬉しく思い、
「お家でもこの美味しさを味わって下さい」
と返すと、
「うち静岡に親戚がいて飲みきれないくらいお茶を送られてくるんだよね。」
とやんわりお断りの返事が・・・私の中でのお茶産地あるあるです。。

もともとうちは卸メインの卸小売業です。お茶の産地から卸した茶葉を小分けにしてスーパーや商店に卸したりお店で販売していました。

生産者でもないし製茶をしているわけでもない。産地で売られているお茶には敵いません。

付加価値のあることをしないと産地のお茶に淘汰されてしまう。そんな危機感の中で、ある考えに辿り着きました。

お茶産地じゃないお茶屋にできること

「静岡や鹿児島などお茶産地のお茶屋ではないからこそできることがあるのではないか…」

「長岡にUターンした後、身近になった旬の野菜。その野菜を使ったお茶を作りたい!」

きっかけは知り合いの農家から
「ゴーヤたくさん取れたからあげるよ。お茶にしてみたら」
と冗談半分に言われたこと。

私は冗談半分に流していましたが、妻はそれを形にしてしまいました。妻さすがですw

試作品のゴーヤ茶。今考えるとパッケージはツッコミどころ満載です(;^_^A

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乾燥して焙煎したゴーヤをお湯だししたゴーヤ茶。
苦みのあるゴーヤをお茶にしても苦みは残ると思いきや、芳ばしくて甘みを感じるお茶となりました。(ただし、ゴーヤを入れっぱなしだと渋みが強くなるという難点あり)

野菜を焙煎してお茶にすると芳ばしさと甘みが出ることがわかりました。

「れんこん、かぼちゃ、さつまいも、だいず、黒豆」

様々な長岡産の野菜や豆でお茶を作り、イベントでお客さんから感想を聞きました。特にれんこんは独特な芳ばしさと濃厚な甘みで
お客さんからの評価が高く、商品化の第一弾となりました。

ご縁から大口れんこん組合長の高橋さんを紹介頂き、大口れんこんを仕入れることになりました。高橋さんには、事あるごとに協力を頂き、足を向けて寝られないですm(_ _)m

商品化に向けてのパッケージは妻がデザイン/印刷してパッケージを作ってくれました。今見るとシンプルなデザインです。

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大口れんこん1~2枚をマグカップや水筒に入れてお湯を入れれば、3分で出来上がり!入れっぱなしでも渋くならないので、水筒に入れて外に持ち歩くのに便利です。

ノンカフェインで急須不要。日本茶にはない「楽」なところが長岡産野菜茶の特徴です。

野菜茶の賞味期限どのくらい?

茶葉のお茶の賞味期限は前例から決められますが、長岡産野菜茶は前例がなくわかりません。

調べると、食品の種類ごとに基準となる一般細菌数が決められており、これに時間軸を重ねて賞味期限を設定できるそうです。

http://www.fureaikan.net/syokuinfo/02terakoya/tera03/tera03_02_10.html

茶葉のお茶には法律で定められた規格基準がなく、粉末清涼飲料の基準である一般生菌数3,000個/g 以下を目安とする会社が多いです。

長岡産野菜茶はこれより厳しく生菌数300個/g以下を基準としています。パッケージに入れて9カ月経ったものを検査して生菌数300個/g以下のままであれば、安全係数を考慮した賞味期限6カ月で設定できます。(長岡産野菜茶の賞味期限は現在6カ月)

ようやく商品デビュー!発売直後は、販路が自社しかありませんでしたが、取り組みが面白かったせいか、新聞で紹介されました。

伊勢丹越品コーナーでの取り扱い

新潟三越伊勢丹のバイヤーさんに興味を持って頂き、伊勢丹越品コーナーで取り扱って頂くことになりました。しかし、百貨店での販売をしたことがなく初体験だらけでした。

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イベントでは通りゆく人たちに「試飲しませんか?」と気軽に声をかけていましたが、百貨店で同じように声をかけてよいものか。

小心者の私はドキドキしながら声をかけていましたが、次第に慣れて堂々とお声がけすることができました。

「使い終わった野菜茶は食べられるの?」
「栄養効果はあるの?」

お恥ずかしいお話ですが、お客さんからの質問で初めて気づくことが多く、その都度、勉強して次につなげていきました。

また、パッケージデザインに関して、
「色んな種類を販売するのであれば黒一色でなく、色で区別させた方良い」
「透明パッケージの方が中身が何なのかわかりやすい」
「うちで長岡産野菜茶のパッケージをデザインしたい」
など様々な方々からアドバイスやご厚意を頂き、改良されていきました。

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「長岡産野菜のお茶いかがですか?」

長岡産野菜茶を試飲販売するときのフレーズです。

コロナ禍前までは新潟伊勢丹さんのある新潟市で試飲販売する機会が多かったです。「新潟市で長岡産と言ってもお客さんは響かないんじゃない?」とお客さんからツッコミを頂く事も多いです。

長岡産野菜茶の野菜は長岡の農家さんから直接仕入れています。農家さんとの交流の中で刺激を頂きますし、いつも良くして頂き感謝の言葉もありません。

そんな農家さんに少しでも恩返ししたくて「長岡産野菜」という言葉を使っています。

そして、この「長岡産」というフレーズが響いて、試飲/購入してくれるお客さんがいらっしゃるのでありがたいです。

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農家さんの想いや感謝の気持ちを忘れず、これからも「長岡産野菜」という言葉を使っていきたいと思います。

そして、目標は東京デビュー!昨年東京での販売機会を頂きましたが、コロナ禍で試飲販売できませんでした。コロナ禍が落ち着いたら試飲販売に行きたいです。

そして、「長岡産野菜のお茶いかがですか?」というお決まりのフレーズでPRしたいと思います。

次回は事業承継(代表就任)を決めたきっかけをお話しします。

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