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【お茶屋】ここが大変だよ事業承継~1.お茶屋に入っておこなったこと~

家業を継ぐのだ

2016年6月家業である田中清助商店を継ぎました。
もう5年になりました。あっという間の5年でした。

・自分で経営をしてみたかった
・100年以上続くお店を親の代で終わらせたくなかった

そんな優等生的な考えでお茶屋に入った5年前の自分に世間は甘くないと伝えたい。

ただこの5年間たくさんのご縁があり、色んな経験をさせてもらいました。

そして、今年(2021年)10月に事業承継(代表就任)します。

1つの区切りとして、お茶屋に入ってから事業承継に至るまで何回かに分けてお話していきます。

色んな経験を積むのだ

私のキャリアは
システムエンジニア⇒建設業の経営企画
です。

お茶屋の息子でしたが、子供の頃は家業を継ぐつもりもなく、お茶について何も知りませんでした。あだ名が「お茶」だったくらいです(^_^;)

お茶屋に入った直後は勉強の毎日でした。

日本茶インストラクターの受験勉強をしたり、色んなお茶屋さんを見学したりしましたが、最も勉強になったのが静岡のお茶生産者さんでのバイト体験でした。

バイトをしたのは10月上旬。
ちょうど4番茶シーズンで、朝5時から夕方までのハードな毎日でした。

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摘採したばかりの茶葉は鮮度が命。
すぐに蒸熱や揉み、乾燥して荒茶に加工しないと悪くなってしまいます。

機械を使って荒茶に加工するわけですが、肝心の機械が止まったりするのは日常茶飯事。

機械が止まってもすぐリカバリできるよう、
親方と若社長の2人交代制で24時間監視×約3週間というすさまじい体制でした。
(偉大なお二人の前では弱音なんて吐けません!)

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農業×工場運営の大変さがわかりましたし、
近隣のお茶生産者さんとも色んなお話ができ、後継者問題などお茶業界が抱える様々な課題を知ることができました。

一方、お茶業界として誇れる部分も。

「千差万別ある茶畑の徹底的な管理」
「とれたて茶葉への丁寧な扱い」
「蒸熱処理によって劇的に変わる味へのこだわり」

やはり生産者さんのお茶への想いは並大抵のものではありません。

そんな生産者さんのお茶への想いを、我々お茶屋が消費者に伝えなければと考えさせられる体験でした。

バイト終了後にパシャリ。気持ちムキッとしていますw

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情報発信してお茶の魅力を伝えるのだ

お茶の魅力や生産者さんの想いをお客さんにいかに伝えるか。

「お茶といえばペットボトル緑茶」と言われ、利便性やわかりやすさが求められている現代で、茶葉のみを販売するやり方には限界がありました。

「茶葉というモノ」の先にある、
「お茶を飲むコト」を伝えないと。。

ということで、一番初めにしたことがお茶の美味しい淹れ方を学ぶ日本茶講座の開催でした。

もともとシステムエンジニアだった私にとって講座資料作成やプレゼンは朝飯前でした。

新茶の味の特徴を図で示したものです。システムエンジニアは図にしてナンボですw

20180527_まちなかキャンパス_発表用

さらにお茶の美味しい淹れ方をプレゼンすることが日本茶インストラクターの試験内容と重なったこともあり、効率的にやることができました。
(実践に勝る勉強はなく、試験も合格しました(^^)v)

日本茶講座当日は、親子での受講者が多かったです。
お家に急須がない現代の子どもにとって、急須でお茶を淹れる体験はめずらしいらしく、楽しんでもらえたようです。

意外だったのが、お茶を飲み慣れている年配の方々が、お茶のうんちくや美味しい淹れ方を知らずに飲んでいること。

昔から当たり前に飲まれているお茶だからこそ、何も意識せずに飲んでいる人が多いのでしょうか。

「お茶を飲むコト」を伝える意義を感じた日本茶講座でした。

初めての日本茶講座。当時はまだまだ表情硬めです(笑)

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日本茶講座やイベント出店、飲食販売、物販販売、ネット販売、、
様々な形でお客さんと関わりますが、お茶の魅力を最も伝えられる日本茶講座が自分にとって一番楽しかったりするのです。

次回は商品開発についてです。
事業承継までまだまだ先が長いです(;^_^A

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