【J1雑感】北海道コンサドーレ札幌vs浦和レッズ【2024 第3節】
次節の対戦相手である札幌観察シリーズ。とりあえず最終回の相手は浦和レッズ。雪のせいか良くないピッチコンディションだったので書くのを迷っていたところ、1万文字の96さんに「(雑感くらい)強い気持ちで(書きやがれ情けないお前のサッカー愛はそんなものなのか!?)」と言われたら書かないわけにはいかない。
前節からのスタメンの入れ替えは札幌が怪我やら退場処分やらで阿波加俊太、スパチョーク、鈴木武蔵。浦和が前田直輝、興梠慎三。ピッチの影響により、選手が足を取られないコンディションにあるのか、ボールを扱えるのかが気になってしまう。次節も同じくらいのピッチ状況だろう。
リーグ開幕から未勝利の両チームであるためタクティカルバトルを仕掛ける気満々だろうという予測はできた。札幌はプレッシングの形を3-4-1-2に。ご存じ広島が開幕の浦和戦で講じたマンマーク戦術だ。さすがミシャ。対して浦和はそれを見越してのポストマン興梠慎三であり、前田を使うため右サイドに合流する関根貴大であり、ロングボールでのプレス回避だと巨匠ブロガーたちは述べている。ヘグモ(なのかマイキーさんなのか)も負けていない。この時点でアタクシの中の大沢たかおはご満悦だ。
主導権の行く末はメタ戦略と奇襲により浦和が握ることから始まり、ロングボールに適応した札幌がセットプレーと合わせて握り返し、そしてトランジション合戦で自陣ブロック守備がメインとなるなか小泉佳穂の暗躍により再びの浦和という感じだった。札幌に対して単純なロングボール戦術は効果は薄そうではあるが、中盤を裏返すアクションが混ざった際はかなり効くのではないだろうか。
札幌のボール保持に対して、浦和の守り方にはバリエーションがあったなか、興味深いものをピックアップする。必ず振る舞っていたわけではないのだが興梠の運動量温存を兼ねてアンカー規制で菱形の頂点に居座り、ウイングの2名が相手センバにマンマークとなるプレッシング構造。ただ誰がどことかではなく、注目したいのは4-D-2での前プレ。札幌のアンカーをビルドアップの出口役にさせないまま奪取なり困難なボールを出させるなりの意図はあった。プレミアで対4-3-3プレスとして何度か見たけど奪取目的はかなり強かった。浦和にはアリバイチックな部分もあったけども、我が軍がやるかどうか気になるプレッシングスタイルだった。ちなみに鳥栖は2トップがアンカーを遮断するようなマンマーク戦術だったと思う。まずはこっちかな。
守備的プレッシングから自陣ブロックにかけては4-4-2→4-5-1の変遷。4-5-1はやり過ぎ感があった。我が軍はやらずに4-4-2ブロックのままだろう。その際、浅野雄也と小林祐希のコンビネーションには十分気を付けなければならない。
札幌の失点はセットプレーだった。コーナーキック守備でストーン配置なしのマンマークとなる傾向に見える。浦和はその特長を利用して、予め1本目でペナルティエリアの手前に集結するアタックを見せておいて、得点時のコーナーでは同じ事をやる雰囲気を出しつつ集結準備に時間をかけてからのショートコーナーでの奇襲。札幌は対応の遅れとマークの混乱を露呈し、飛び込んだ酒井宏樹をフリーにしてしまった。確実に我が軍はデザインされたアタックを仕掛けるだろう。
後半はオープンバトルの様相が濃くなる。浦和がファーストディフェンスで規制をかけられなかったり、ブロック守備でウイングが前残りあるいはリトリートが遅れるなど見せるため、札幌が定位置攻撃まで運ぶ回数は増えた。しかし逃げ切った浦和の攻守の質は流石と言ったところか。
所感
札幌の苦しい状況が続いている。怪我人が多くてチームのポテンシャルを出しきれていないと捉えるのが無難か。我が軍との試合ではよりタクティカルなことを仕掛けてきそうで、やってみないと分からない感じが怖い。とは言え楽しみしかない。
ただこの試合でアレクサンダー・ショルツと前田を失った浦和の損失は大きく、今後が気になり過ぎる。
試合結果
明治安田J1リーグ 第3節
2024年3月10日(日)13:08KO 札幌ドーム
北海道コンサドーレ札幌 0-1 浦和レッズ
屋内 / 22.6℃ / 30%
主審 谷本 涼 副審 浜本 祐介、岩田 浩義
第4の審判員 木川田 博信
VAR 岡部 拓人 AVAR 船橋 昭次
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