たなコトアカデミー

和歌山県田辺市と雑誌『ソトコト』がコラボした、首都圏と田辺市のつながりをつくる講座です…

たなコトアカデミー

和歌山県田辺市と雑誌『ソトコト』がコラボした、首都圏と田辺市のつながりをつくる講座です。「移住までは難しいけれど、観光から一歩踏み込んで地域と関わりたい」そんな田辺の関係人口が、田辺のまちづくりのキーパーソンたちにお話を伺いました。

最近の記事

たなコトアカデミーとは?

和歌山県の中南部に位置する田辺市。「熊野古道」と「みなべ・田辺の梅システム」という2つの世界遺産を持ち、自然や文化が豊かな田辺市では近年、地元の若手事業者による地域循環型のビジネスモデルやソーシャルな取り組みが続々と生まれています。 そんな田辺市と『未来をつくるSDGsマガジン ソトコト』がコラボした関係人口育成講座が「たなコトアカデミー」です。 関係人口とは、「移住は難しいけれど、観光よりも一歩踏み込んでローカルと関わりたい!」という、その地域の「ファン」のような人々。

    • 「こだわりがない」ことが「こだわり」~あたり前の身近さの中にある、ちょっと変わった果樹農家さん〜

      「ヘンタイ」と言われたい! 自由人たちがつくる“まとまらない”地域づくり―上秋津編 和歌山県田辺市の上秋津(かみあきづ)という地域に、野久保太一郎さん(以下、野久保さん)が営む果樹園『十秋園』(とあきえん)はある。 この上秋津という地域は古くから“地域づくり”が盛んで、1996年には農林水産省の行う「豊かなむらづくり全国表彰事業」にて天皇杯(最優秀賞)を受賞。その後も、1999年に当時まだ珍しかった農産物直売所「きてら」を開設し、2008年には旧上秋津小学校を利用した体

      • 自分らで田辺をおもしろく!熊野米から広がる可能性

        「おもろいことないんやったら、自分らで作ったらええ」田上雅人さんの肩書は実に多岐にわたる。昭和19年創業の米穀店『株式会社たがみ』を営む傍ら、田辺・弁慶映画祭、弁慶祭り、イルカふれあい事業など、様々なイベントや事業、あらゆる職種の人と関わり、常に新しいことに取り組んでいる。その根底には、「おもろいことないんやったら、自分らで作ったらええ」という精神がある。 和歌山県には日本一のまぐろの水揚げ量を誇る那智勝浦町があり、醤油、酢の名産地もある。あとは地元産のお米があれば、全て和

        • 石山流“弱さを見せられる強さ“が示す、これからのつながり方

          人を引き付ける田辺の“喋れるのび太”?石山登啓(のぶひろ)さんの周りは、いつも大勢の人と笑いであふれている。大きな声に身ぶり手ぶり、そして笑顔も大きい。一方で、聞く時はこちらの話に真剣に耳を傾けてくれる。普段は地元の高垣工務店の社長であり、アドバイザーを務める田辺市の起業家創造塾「たなべ未来創造塾」のなかでも、受講生からよく相談される人No.1だという。高垣工務店社内の交流スペース『シリコンバー』は、市長参加のシンポジウムが開かれるほどの、田辺の拠点だ。 『シリコンバー』で

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          ゲストハウス the CUEから始まる「自分」の物語

          まちのリビングルームの誕生田辺市の市街地にあるゲストハウス『the CUE(ザ・キュー)』。築80年の古民家をリノベーションし 2017年にオープンした、ゲストハウス・シェアハウス・カフェバーからなる複合施設です。運営しているのは『LLPタモリ舎』の中村文雄さん。中村さんは、田辺市に生まれ、関東地方の大学の不動産学部で学び、東京の不動産会社に勤務をしていました。実家が工務店を営んでいたこともあり、何かこの経験を生かせるのではないか?と思い立ちUターン。田辺が抱える課題に向き合

          ゲストハウス the CUEから始まる「自分」の物語

          とりとんファームの平飼いたまごは優しさつまったレモン色

          驚きの色と味田辺市龍神村『とりとんファーム』のたまごのインパクトは、何と言っても黄身の色。優しいレモン色です。 ケースを開けると、大きさの違うたまごが並んでいることにまず驚きます。その一つを取り、割ってみると、こんもりした白身の真ん中にレモン色の黄身。思わず、「えっ!色が薄い!」と声を出してしまいました。いつも食べているたまごとは色が違ったからです。 色に驚きつつ、新鮮なたまごは、まずは、たまごかけご飯でしょと、試しに黄身を少し味見したところ、「えっ!醤油いらないかも。」

          とりとんファームの平飼いたまごは優しさつまったレモン色

          つながりをいただくフランス料理店・更井亮介さん

          和歌山県田辺市上芳養(かみはや)にあるフレンチレストランのオーナーシェフ更井亮介(さらいりょうすけ)さんにお話をうかがった。 レストランの名前は、Caravansarai(キャラバンサライ)。ペルシャ語で「隊商宿」を意味する言葉で、もちろん更井さんの名前にちなんでいる。野生のイノシシやシカなどの肉を使ったジビエ料理が有名な店だ。 お祖父さんの建てた梅蔵をフレンチレストランに 高い天井に、風合いのある柱と壁。呼吸が軽くなるような空間で、フランス料理を楽しめる。 建物は、

          つながりをいただくフランス料理店・更井亮介さん

          地方で働くということ ―田辺の愛され茶娘、なっちゃんが選んだ道

          新卒で飛び込んだのは、お茶畑。ハワイ仕込みの波乗り型キャリア? 和歌山県田辺市、その中でも市街から離れた山の上、熊野本宮大社のある本宮町に、一人の若き茶娘がいる。“なっちゃん”と呼ばれ、皆に愛される倉谷夏美さん(なっちゃん)は現在25歳で、茶畑で働き始めて2年が経つ。もともと食に興味があり、大阪にある専門学校の管理栄養士学科で学んでいた。管理栄養士めがけて一直線と思いきや、卒業後になっちゃんが飛び込んだのは、お茶畑だった。 なっちゃんが現在仕事をするお茶畑。祖父母が自らの手

          地方で働くということ ―田辺の愛され茶娘、なっちゃんが選んだ道

          うなぎと梅の相性は最高!? ピンチから生まれた奇跡のコラボ

          禁断の組み合わせから、最高の組み合わせへ日本一の梅生産量を誇る和歌山県で、新しい梅を使った商品が話題になっている。その商品を手掛けたのは、和歌山県田辺市で80年以上、うなぎ屋を運営している『太田うなぎ店』。 四代目の太田有哉さんが手掛けた「紀州南高梅ひつまぶし」は、今まで食べ合わせが悪いといわれてきたうなぎと梅干しをうまく組み合わせた商品で、和歌山県が県内の魅力的な商品を制定する「プレミア和歌山推奨品」の「審査委員特別賞」に選ばれるなど、多くの場で高い評価を受け、ヒット商品

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          農業をかっこいい生業に        ~未来へつながる日向の地域づくり~

          地域をまもる日向屋さん 和歌山県田辺市上芳養地区は人口約1700人。その地区内に日向(ひなた)集落はある。主な産業は農業で、全国的にも有名な紀州南高梅やぽんかん・清見・八朔・温州みかんなど多種類の柑橘の産地である。 古くから農業とともに発展してきた日向を悩ませる問題が出てきた。それは「高齢化による担い手不足」「耕作放棄地」「鳥獣害被害」の農業3大問題である。「このままでは日向がなくなってしまう」と危機を感じ立ち上がったのが『チームHINATA』(現在は株式会社 日向屋)

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          「虫食い」だって価値になる、「BokuMoku」が生み出した熊野の森の未来

          森の課題に取り組む循環型熊野家具プロジェクト 和歌山県は古くから「紀州・木の国」と呼ばれ、山が多く木材に恵まれた土地でだ。そんな和歌山県で採れる紀州材は、首都圏を中心に多く出荷されていて、キメの細かく美しい、強度、耐久性に優れたブランド力のある木材である。 しかし、戦後に売れていた木材が、高度経済成長の際に足りなくなり、外国の木材を輸入したことにより、国内の木材の金額がピーク時の四分の一以下にまで下がってしまった。さらに課題となっているのが、「あかね材」だ。 あかね材と

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          地域に愛される日本酒「交」の生みの親・堀将和さん

          初代から80年の時を経て今に蘇った田辺の地酒「交(こう)」。 熊野の美味しいお米を使ったお酒はどのように生まれ、どのように広がっていったのか。和歌山県田辺市にある酒問屋・堀忠商店の4代目、堀将和さんに話をうかがった。 酒屋×米屋が生んだ熊野米を使った日本酒「交」 北本征太郎さん(左)、堀将和さん(中央)、田上雅人さん(右) 2017年頃、堀さんは自社の卸先である一般酒販店の大幅減少に悩んでいた。コンビニやスーパーマーケットなどの大手に市場が奪われていく中で「新しい価値を

          地域に愛される日本酒「交」の生みの親・堀将和さん