犬も歩けば棒にアタック

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センスの正体

「好きな〇〇は?」 おそらく、このような質問を投げかけたことがない、あるいは投げかけられたことがない人間などほとんど存在しないだろう。〇〇の位置には、時に食べ物…

gradation

朝井リョウの「正欲」を読んだ。 自分がほんのちょっとだけうっすらと感じていた違和感みたいなものがこれでもかと言うほど詳細かつ残酷に言語化されていた。その違和感に…

臆病な自尊心と尊大な羞恥心

お笑いが好き。野球が好き。競馬が好き。角ハイボールが好き。煙草が好き。ラーメンが好き。寿司が好き。麻雀が好き。カラオケが好き。温泉が好き。風呂上がりに飲むカフェ…

お酒を飲みながら読んで欲しい話

この先を読む前に、なんでもいいから自分の好きなお酒をグラスに注ぎ、それを飲みながら読んで欲しい。 つい先日、去年の夏以来、約1年ぶりに高校時代の友人達と会い、呑…

浴衣とスーツ

8月3日(土)は仕事だった。自分の職場はシフト制なのだが、その日は14時から23時までの遅番だったため、13時21分発の電車に乗り込んだ。いつもと同じ2両目に乗り込んだは…

社会人

大学を卒業し、「社会人」という肩書きを獲得してからというもの、これまでは考えもしなかったようなことが脳裏を過ることがある。大学生の頃には「金!酒!女!」などとい…

センスの正体

センスの正体

「好きな〇〇は?」

おそらく、このような質問を投げかけたことがない、あるいは投げかけられたことがない人間などほとんど存在しないだろう。〇〇の位置には、時に食べ物であったり、色、季節、言葉、本、音楽、映画、人、etc…というように様々な単語が入り、この質問は相手のパーソナリティを知る第一歩の王道中の王道として長年君臨し続けている。自分はこの手の質問を投げかけられる度に悩み込んでしまう。試されている

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gradation

gradation

朝井リョウの「正欲」を読んだ。
自分がほんのちょっとだけうっすらと感じていた違和感みたいなものがこれでもかと言うほど詳細かつ残酷に言語化されていた。その違和感については深く考えたことが無かった。考えないようにしていたのか、単純に面倒臭かったからなのかすらも分からない。そんな脳みそにたった一つしかない小さな黒い斑点にこの本は容赦なく針を突き刺し、脳をかき混ぜてきた。
脳内の整理も兼ねて、感じ考えたこ

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臆病な自尊心と尊大な羞恥心

臆病な自尊心と尊大な羞恥心

お笑いが好き。野球が好き。競馬が好き。角ハイボールが好き。煙草が好き。ラーメンが好き。寿司が好き。麻雀が好き。カラオケが好き。温泉が好き。風呂上がりに飲むカフェオレが好き。バック・トゥ・ザ・フューチャーが好き。一人旅が好き。旅行の行き道が好き。夜中のサービスエリアが好き。普段髪を下ろしている女の子のポニーテールが好き。猫が好き。back numberが好き。深夜ラジオが好き。受験生が好き。夏の熱気

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お酒を飲みながら読んで欲しい話

お酒を飲みながら読んで欲しい話

この先を読む前に、なんでもいいから自分の好きなお酒をグラスに注ぎ、それを飲みながら読んで欲しい。

つい先日、去年の夏以来、約1年ぶりに高校時代の友人達と会い、呑んだ。楽しい夜だった。このために五連勤を耐え忍んだ甲斐があった。1年も会っていなかったのか、と思った。5年前までは毎日昼休みになると食堂に集合し、一緒に弁当を食べていたのに。と言うか高3ってもう5年も前なのか。時の流れは恐ろしいな。5年前

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浴衣とスーツ

浴衣とスーツ

8月3日(土)は仕事だった。自分の職場はシフト制なのだが、その日は14時から23時までの遅番だったため、13時21分発の電車に乗り込んだ。いつもと同じ2両目に乗り込んだはずなのに、その瞬間に違和感があった。人が多い。いつもなら座れる時間帯のはずだ。土曜日であることを加味しても混んでいる。いや、それだけではない。違和感の正体はもっと別の場所にある。辺りを少し見回すと、その違和感の正体にすぐ気付いた。

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社会人

社会人

大学を卒業し、「社会人」という肩書きを獲得してからというもの、これまでは考えもしなかったようなことが脳裏を過ることがある。大学生の頃には「金!酒!女!」などといった下劣なものばかりであったが、近頃の議題は「自分の将来について」や「働くとは何か」、そして、「大人になるとはどういうことか」など多岐に渡る。まるで、心に内在するもう一人の自分に面接されているかのようだ。社会人となり、自己成長の結果としてこ

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