田中龍作

世界の紛争地域を名もなき人々の視点から取材・執筆。 2012年『貧困ジャーナリズム賞』…

田中龍作

世界の紛争地域を名もなき人々の視点から取材・執筆。 2012年『貧困ジャーナリズム賞』受賞。  『田中龍作ジャーナル』http://tanakaryusaku.jp/ で発信を続けている。

最近の記事

【イチョウ伐採】住民の税金で住民を監視する千代田区の異常

 あの木は〇月〇日に切られた。この木は■日・・・。住民たちはイチョウの木が千代田区によって伐採された日を明確に覚えている。  生まれた時から身近にあった街路樹だから、愛着もひとしおなのだろう。  おととし4月26日のことだった。雨風が強いので「今夜、千代田区が襲ってくることはあるまい」と思い張り付きを解いた。26日24時(27日午前0時)のことだった。  念のために見張りは数人残した。  それから30分後に千代田区は業者とガードマンを連れてやってきた。2本を伐採された

    • 木を切る区長は小池知事の元秘書

       チェーンソーの暴力的なエンジン音とともにイチョウが次々となぎ倒されていった。  皇居がある東京都千代田区では再開発のため神田警察署前のイチョウ並木をすべて伐採(2本だけ移植)する。  戦争で焼け野が原となった神田に、人々は火災に強いイチョウの木を植えた…戦中戦後の歴史さえ再開発の前には、いとも簡単に亡き者にされてしまうのである。  樹齢70年直径40㎝余りの巨木でさえ幹を切断するのには2分とかからない。唖然とする他なかった。  地元住民は伐採を阻止するため工事費の支

      • 前川喜平氏、地元有権者に「萩生田さんを落として下さい」

         2728万円もの裏金を得ていながら、痛くも痒くもない処分となった萩生田元経産相。アベ派五人衆の一人である。  処分は役職停止1年間だけなので、この間に選挙があっても自民党公認候補として出馬できるのだ。  萩生田氏の地元八王子市(東京24区)では、早い時期から市民たちが落選運動を展開していた。  8日、萩生田氏をよく知る前川喜平・元文科事務次官と有田芳生前参院議員が八王子市で対談をするというので聞きに出かけた。  司会者から「八王子の人に求めることはありますか」と問わ

        • 【ガザ】エイドワーカーが “誤爆” される理由

           「ん、これは爆撃すると厄介なことになるかな?」…イスラエル軍は躊躇した時、ドローンの高度を思い切り下げる。ヒット可なのか、不可なのかを確認するためだ。  耳に飛び込んでくるドローンのエンジン音は、耳の傍で草刈り機がワンワン唸っているようにけたたましい。「俺をチェックしに来てるんだな」と緊張する。  田中は臆病者なので、ドローン攻撃されないように、パレスチナに入境する時は携帯電話番号をイスラエル軍に伝える。外出する時は黄色いプレスゼッケンを着用する。    ドローンが高度

        【イチョウ伐採】住民の税金で住民を監視する千代田区の異常

          【裏金議員】詰め腹二人、他は大甘の処分

           4日午後6時30分頃、自民党本部。茂木幹事長が記者会見室に入ると、党職員が1枚のA4ペーパーを記者たちに配布した。  自民党からのリークを受けたマスコミ報道で知っていたとはいえ、改めて怒りが湧いた。  国民には死にたくなるほどの重税を押し付けていながら、巨額の脱税をした議員たちには軽すぎるほどのお咎めだったからだ。  学校の先生が「〇〇君、こんなことしちゃダメですよ」と口頭で注意したようなものだ。  もっと驚いたのは学級委員長の岸田君と副委員長の二階君には注意さえも

          【裏金議員】詰め腹二人、他は大甘の処分

          【衆院東京15区補選】須藤元気「右でも左でもない、私たちの生活を取り戻す」

           「須藤元気が門前仲町駅の4番出口で(自らの著書である)『減税救国論』のパンフレットを配ってるよ」。江東区の選挙通から連絡が来たのは2週間くらい前のことだった。15区から出るつもりだなとニラんでいた。  須藤は立憲民主党在籍時、消費税減税についてツイートし、志を同じくする山本太郎の選挙(2020年、都知事選)で応援演説したため党幹部から厳重注意をくらった。離党届けを出したが認められなかった、という経緯がある。  その須藤がきょう3日、衆院東京15区補選(28日投開票/16

          【衆院東京15区補選】須藤元気「右でも左でもない、私たちの生活を取り戻す」

          蚊取り線香が蘇らせるアジアで一番長い内戦と拷問部屋

           暖かくなり早速、蚊に悩まされ始めた。我が家は昨夜から蚊取り線香を焚いている。  蚊取り線香の匂いを嗅ぐと凄惨な思い出がよみがえる。  20年も前になるが、アチェの内戦取材でインドネシアのジャングルに入った時のことだった。  やぶ蚊の猛攻撃に遭った。猛烈な痒みと痛みは今でも忘れられない。  熾烈な内戦(1953~2005年)は、天然ガスの利権を独占したい中央政府の国軍とアチェ独立を訴える武装組織との間で続いた。  広大な天然ガス工場には国軍の拷問部屋があった。

          蚊取り線香が蘇らせるアジアで一番長い内戦と拷問部屋

          森喜朗の開発で滅亡する銀杏並木の種を子どもたちが次世代に残す

           森喜朗さん。あなたは子どもたちにこんな悲しいことをさせるのか―  古木巨木が鬱蒼と生い茂りヒートアイランド現象を和らげる神宮外苑の緑。  夥しい数の樹木を伐採し(業者は移植と言い換え)、高層ビルや屋根付きラグビー場、ホテルと野球場の複合ビルなどを建設しようというのが神宮外苑の再開発計画である。  再開発の事業者は三井不動産、日本スポーツ振興センター、伊藤忠商事などだが、黒幕は森喜朗元首相である。  自民党と裏取引しない野党系の知事が登場し再開発計画がストップしない限

          森喜朗の開発で滅亡する銀杏並木の種を子どもたちが次世代に残す

          小池独裁下の都議会 知事の「答弁拒否」を追及したら削除動議が可決した

           日本の首都東京の都議会は小学校の学級会以下であることが分かった。  学級委員長が質問に答えてくれないので、骨のある子が「委員長はなんで答えてくれないの?」と追及したところ、委員長の取り巻きから「よくない発言だ」と決めつけられ、追及自体がなかったことにされたのだ。言論が抹殺されたのである。  事は13日の予算特別委員会で起きた。  小池知事が答弁に立たず都の幹部に答えさせる答弁拒否が頻発していることについて触れ、関口健太郎議員(立憲民主党)が次のように追及した―  「

          小池独裁下の都議会 知事の「答弁拒否」を追及したら削除動議が可決した

          【中国ロゴ事件】国民に費用負担させ、安全保障を危うくする日本の政治家

           電気料金に上乗せされる再生エネ賦課金が4月から1万円(年間)も値上がりする。  自然エネルギーの普及により原発も火力発電所もなくなって、日本が安全で環境にやさしい社会になればよいのだが、どうやらそうではない。  日本のエネルギーが野心満々の隣国に握られようとしているのだ。「龍作も陰謀論に走るようになったか」と思われた方もいるかもしれないが、残念ながら陰謀論ではない。  内閣府の再生可能エネルギー・タスクフォースの会議に提出された資料に中国の電力会社「国家電網」のロゴ(

          【中国ロゴ事件】国民に費用負担させ、安全保障を危うくする日本の政治家

          二階バカヤロー会見 追及できない記者クラブ

           自民党の二階元幹事長がきょう25日、党本部で記者会見した。  二階氏は最高額(3526万円)のキックバックを得ていながら政治資金収支報告書に記載しなかったため秘書や会計責任者が立件されている。  大物政治家のケジメを見届けるために田中は自民党本部に足を運んだ。つまみ出されることを覚悟のうえで。  二階氏は「(自らの)派閥の政治資金問題で政治不信を招いた」として、次期衆院選の不出馬を岸田首相に伝えたことを明らかにした。  内閣記者会(官邸記者クラブ)に負けず劣らず権力

          二階バカヤロー会見 追及できない記者クラブ

          パレスチナの「日本通り」

           一部マスコミ報道によると日本政府は米国に追随し停止していたUNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)への支援を再開する方向で検討を始めた。  UNRWAによると日本政府は年間3千万ドルを拠出している(2022年)。世界第6位。  米国主導の拠出停止は1月、ICJ(国際司法裁判所)がイスラエルに対してジェノサイドを防止せよとの命令を出した途端の出来事だった。  外国のジャーナリストが入域できた前回の戦争(2014年)で痛感したのは、ガザ住民は海外の支援で食いつないでい

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          解雇・永久追放の野球界 大甘の政界

           50年余りも前の事件だが、暴力団の資金源になっていた野球賭博で、八百長に関わっていたプロ球界のスター選手らが永久追放された。日本社会を揺るがした黒い霧事件である。  6人が永久追放、13人が長期間出場停止、減俸などの処分を受けた。  暴力団関係者から多額の現金を受け取った選手たちは、わざと打たれたり、エラーをしたりして負け試合を作った。  永久追放された選手のなかに不世出の天才投手池永正明(西鉄)がいた。  池永は先輩投手から現金100万円を突き付けられ、八百長を

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          自民党じゃダメ、だけど野党には入れたくない人々

           ロッキード事件(1976年)で自民党の信用が地に墜ちていた時、河野洋平氏(後の自民党総裁)らが、自民党から飛び出し保守新党の「新自由クラブ」を結成した。  保守政党支持だが自民党には投票したくない。かと言って野党に入れる気にはならない。という有権者たちの受け皿となった新自由クラブはデビューでいきなり2ケタ議席(17議席)を獲得した。  ベストセラー作家の百田尚樹氏や名古屋市長の河村たかし氏らが立ち上げた日本保守党と参政党が衆院東京15区補選に候補者を擁立する。20日、タ

          自民党じゃダメ、だけど野党には入れたくない人々

          【東京15区補選】1審で実刑判決受け、2審判決をあさってに控えた元自民議員が出馬

           自民党の混乱を象徴するような選挙が始まった。  IR汚職で実刑判決を受け現在控訴中の秋元司被告が衆院東京15区補選(4月16日告示/28日投票)に出馬する。  本人がきょう20日、地元選挙区で街頭演説し事実上の出馬宣言をした。  80人超から成る脱税集団が何のお咎めも受けていない現状を考えれば、秋元被告の立候補は何ら不思議はない。  秋元被告はIR汚職で逮捕・起訴されるまでは自民党の衆院議員。15区補選は公職選挙法違反で有罪判決を受けた柿沢前議員(自民)の辞職に伴う

          【東京15区補選】1審で実刑判決受け、2審判決をあさってに控えた元自民議員が出馬

          訳あり激安食品店 「貧乏人は賞味期限切れを食え」

           2年前に賞味期限切れになったパンの缶詰が2個100円。1年前に賞味期限が切れているパスタは99円。1月30日までの韓国製ジュースは3個100円。都内某所「訳あり激安」スーパーに置かれた商品の一例だ。  もちろん普通のスーパーのように賞味期限が1年以上ある食品も置いてある。だがここは賞味期限切れがデフォ(定番/前提)だ。客はそれを分かってやってくる。  中にはゴディバのチョコレート小袋が2個298円もあれば、コオロギせんべい49円もある。共通点は「賞味期限切れ」である。

          訳あり激安食品店 「貧乏人は賞味期限切れを食え」