田中龍作

世界の紛争地域を名もなき人々の視点から取材・執筆。 2012年『貧困ジャーナリズム賞』…

田中龍作

世界の紛争地域を名もなき人々の視点から取材・執筆。 2012年『貧困ジャーナリズム賞』受賞。  『田中龍作ジャーナル』http://tanakaryusaku.jp/ で発信を続けている。

最近の記事

世界が固唾を呑むイスラエルとイランの本気度

 田中はきょう(1日Thursday)も街頭に出た。戦場取材の資金を募るためだ。   ~ ~  ヒズボラ幹部がベイルートで、ハマス最高幹部がテヘランで、イスラエルに暗殺された。  イランの最高指導者ハメネイ師が報復を宣言した。イスラエルの知人によれば、現地ではあす2日にもイランの攻撃があるのではないかとの見方がある、という。  産油国イランを含むこの地域の緊張が高まれば、オイル価格が上昇し物価高に拍車がかかる。食えなくなる人がさらに増えるだろう。  中東で起きていること

    • 暗黒国家ベネズエラ 投獄を覚悟で大統領3選に抗議する人々

         絶望が支配するベネズエラで、人々は最後の力を振り絞っているように見える。「選挙は不正だ」と抗議してストリートに出た。逮捕、投獄は覚悟のうえだ。  治安部隊は催涙弾を放つなどして力で抑え込もうとしている。  人口の4分の1にあたる700万人が脱出した国にあって、ピープルズパワーはどこまで抗えるか?  田中が現地取材した2019年当時、ハイパーインフレで経済は破綻していた。労働者1ヵ月分の給料でチーズが買えないありさまだった。  反米親露ということで、この国を「理想

      • 田中龍作を戦場取材に行かせてください

          「戦争が起きるぞ」と危機感を煽るのも悪質ですが、評論家然として「戦争なんて起きっこないよ」と楽観するのも危険です。  ベトナム戦争以降、日本のマスコミ報道は米国一辺倒の姿勢が続いてきました。湾岸戦争しかり、アフガン戦争しかり、イラク戦争しかり…  弊害はウクライナ戦争で現れました。反米のあまりロシアのプロパガンダを何の疑いもなく受け容れる傾向が現れたのです。  「日本を守るために敵基地攻撃を」と叫ぶ観念的タカ派がいて。「憲法9条があれば侵略されない」と決め込んでいる

        • 小池再選に怯える神田イチョウ並木

           小池知事が掲げる「木を伐る東京大改革3.0」が事実上支持されたことで、神田警察通りのイチョウ並木が、これまで以上に危機にさらされることになった。  千代田区の樋口高顕区長は、小池知事の最側近だった人物で、学歴詐称疑惑でも重要な役割を担ったとされる。  樋口区長就任後、神田警察通りのイチョウ18本が伐採の憂き目に遭った。残る14本(うち2本は移植)は地元住民らが雨の日も風の日も体を張って守ってきた。  神宮外苑の再開発をめぐる樹木の伐採が、都知事選でも争点となった。この

        世界が固唾を呑むイスラエルとイランの本気度

          【都知事選】負けたけど横につながれた 蓮舫出馬で得たもの

           蓮舫氏は敗れはした。だが私たちは貴重なことを学んだ。  「横につながる」ということだ。暗黒の独裁政権を倒すには、あらゆるものを乗り越えてつながらなければならない。  イデオロギーの違い、支持政党の違い、階層の違い・・・を問題にしていたのでは人民戦線は組めない。  田中自身、立憲はそれほど好きではないが、今回の選挙では蓮舫氏を支持した。  もうひとつ収穫があった。新聞テレビという記者クラブメディアは明らかに権力側にある、ということが改めて明白になった。市民がSNSなど

          【都知事選】負けたけど横につながれた 蓮舫出馬で得たもの

          【都知事選】蓮舫ファイナル 日本選挙史上例のない熱気と悲鳴

           「これだけの人数と熱気は日本の選挙では見たことがない」。選挙の現場を知り尽くしたジャーナリスト畠山理仁氏の感想である。  蓮舫ファイナル街宣の会場となった新宿駅東南口は、聴衆で溢れた。入りきれなかった人々は陸橋の上から、あるいは会場裏手の歩道から蓮舫の最終演説に耳を傾けた。  聴衆が多いからと言って選挙は勝つものではない・・・そんなことは百も承知だ。  2022年の参院選挙を思い出す。社民党の福島みずほ候補は当選が危ぶまれていた。  選対も当選を諦めていた。福島に近

          【都知事選】蓮舫ファイナル 日本選挙史上例のない熱気と悲鳴

          【都知事選】嫌われ百合子 「ヤメロ」コールの嵐で演説中断

           「ヤメロ」「ヤメロ」・・・小池知事が初めて聞く都民の声だった。  大衆の前に姿を見せることの少ない小池知事が今夕、新宿バスタ前で街頭演説をした。  都庁のある新宿に手勢を集めてみせることで、「城は明け渡さないわよ」という決意を示したかったのだろうか。  ところが兵力、戦意ともに手勢を圧倒的に上回る反乱軍が押し寄せてきたのである。  バスタ入り口でプラカードを掲げて陣取る部隊。歩道を行ったり帰ったりしながら抗議する部隊。男も女も鬼の形相となっていた。  「萩生田ゆり

          【都知事選】嫌われ百合子 「ヤメロ」コールの嵐で演説中断

          【都知事選】 蓮舫「東京都が奨学金の返済を負担する」

           投票日まであと3日。蓮舫候補は今夕、学生の街・高田馬場で街頭演説をした。「奨学金の返済を東京都が負担する、支援をする」と学生たちに語りかけた。  学費の高騰で親がよほどの金持ちでない限り、学生は就学を奨学金に頼らざるを得ない。500万円、600万円はザラで1千万円の借金を背負う学生も珍しくない。    安定雇用下であっても返済は重荷だ。まして非正規社員だったりすれば、借金返済のために生きているようなことになる。返せないケースも出てくるだろう。  借金を抱えて結婚なんてで

          【都知事選】 蓮舫「東京都が奨学金の返済を負担する」

          【都知事選】 水道止められ熱中症 小池都政が続けば貧乏人は死ぬ

           投票日まであと4日。外苑伐採の賛否を住民投票にかけようという蓮舫候補は今夕、調布で街頭演説をした。簡単に水道を止める小池都政の冷酷さを厳しく指摘した。「命の水ですよ」と言って。  ~~  梅雨の晴れ間の暑い日だった。年老いた男性が街路樹の木陰で体を横たえていた。  「救急車を呼びましょうか?」と田中が聞くと男性は「熱中症になったみたいだ。水を買ってきちゃくんねえか」と力なく言った。  野宿者ではなさそうだが、裕福ではないことは着衣から察しがついた。自宅の水が止められ

          【都知事選】 水道止められ熱中症 小池都政が続けば貧乏人は死ぬ

          【都知事選挙】「都政が変わったら3人目を産みます」主婦が蓮舫に直訴

                投票日まであと5日。蓮舫候補は今夕、江戸川区西葛西で街頭演説をした。  人間の血が通っていない小池都政を打ちのめして、政治に人間の体温を取り戻そうとする蓮舫候補。  30分以上も前から彼女の話を聞きに街宣会場に来る有権者は珍しくない。聴衆の目が真剣だ。  庶民は高い税金と保険料を搾り取られるばかりで、小池都政の恩恵を受けることはない。    蓮舫候補は「最もやらせていただきたいのは、少子化対策」と切り出した。  これこそ日本が抱える最大で喫緊の課題だ。だ

          【都知事選挙】「都政が変わったら3人目を産みます」主婦が蓮舫に直訴

          【都知事選】「築地の仇討ち」託す 女将さん会と蓮舫、固い握手

           「豊洲は活かす、築地は守る」。小池百合子氏のウソを象徴するワンフレーズだ。最大の犠牲者である築地女将さん会は、小池氏の初当選から8年経った今も怒りを抑えきれない。  2017年の神田明神(※)にハッピ姿で現れた小池知事は、築地女将さん会の山口タイ代表の目の前で、指でOKマークを作って自らの胸を叩き「大丈夫よ、守るからね」と豪語したというのである。  真っ赤なウソだった。小池知事が「守る」と言った築地は今、見るも無残な更地となっている。ドーム球場や商業ビル、ホテルなどが建

          【都知事選】「築地の仇討ち」託す 女将さん会と蓮舫、固い握手

          【都知事選】蓮舫候補「外苑再開発は都民投票で」

           蓮舫候補はきょう29日、外苑銀杏並木をバックに囲み記者会見を開き、(都知事に就任したら)「外苑再開発の賛否を問う都民投票の実施を議会に提案する」と発表した。  貴重な緑地帯として都民に愛されてきた神宮外苑の樹木が3千本も伐採されて超高層ビルが建つ・・・外苑の再開発計画は都民の知らぬ間に策定されていた。すでに下水道などの基礎工事は着々と進んでいる。  小池知事は候補者討論会(24日)で「外苑再開発は民間の事業だ」と言ったが、とんでもない話だ。  外苑再開発は、東京都が「

          【都知事選】蓮舫候補「外苑再開発は都民投票で」

          【外苑再開発】実は同じ方向を向いている蓮舫と山本太郎

           都知事選挙の一大争点となっている神宮外苑の森伐採。原点となる事件が8年前にあった。  東京都やJSC(日本スポーツ振興センター)は、再開発に向けて高さ規制を緩和させるために旧国立競技場と明治公園を解体して新国立競技場を建設しなければならない。  ある朝突然、JSCが明治公園で生活をしていた野宿者の排除にかかった。大量のガードマンと制服私服の警察官が公園に雪崩れ込んできた。  野宿者から通報を受けた山本太郎事務所がスポーツ庁に電話をいれ、その日の強制排除を止めさせた。山

          【外苑再開発】実は同じ方向を向いている蓮舫と山本太郎

          【都知事選】れいわの誇る音響設備が蓮舫陣営に届いた

           蓮舫陣営の街宣は時々音が割れて聞き取りづらいことがあった。音質が悪いと政策が有権者に浸透しづらい。街宣車に備え付けのスピーカーが粗悪だったためだ。  れいわの街宣のように、音楽コンサートで使えるような優れ物のスピーカーがあったらいいのに、と思い続けてきた。  きょう27日、街宣会場の石神井公園駅前に行くと街宣車はなく、演台があって本格的なスピーカーが置かれていた。《どこかで見たことあるなあ》。既視感たっぷりの代物だった。  選挙情勢について蓮舫陣営関係者と話しているう

          【都知事選】れいわの誇る音響設備が蓮舫陣営に届いた

          市民178人が小池知事を刑事告発 首長への出馬要請は公選法違反

           市民178人がきょう26日、小池知事を刑事告発した・・・といっても学歴詐称ではない。容疑は公職選挙法違反である。  告発状などによると小池知事の容疑はこうだ―  去る5月28日、都内市区町村の8割にあたる52市区町村の首長が、「都知事選への立候補を期待し支持する」という立候補要請文を手渡した。  小池知事が都内の市長会、区長会に対して「出馬要請に名を連ねるよう」依頼したのである。  自治体の副市長や部長クラスなどは都からの出向だ。東京都は莫大な予算を握っており、知事

          市民178人が小池知事を刑事告発 首長への出馬要請は公選法違反

          【都知事選】過去にもあった 逆転劇を呼ぶ現場の熱

           きょうも街宣会場は有権者で一杯になった。板橋区成増。駅前広場から歩道橋の上まで老若男女が鈴なりとなり、蓮舫コールを送った。  「人は人を呼ぶ。熱気は熱気を呼ぶ」。蓮舫候補の逆転勝利を可能にする科学的根拠である。投票用紙に熱い期待を込めて「れんほう」あるいは「蓮舫」と書く有権者はこうして増えてゆく。  2016年にあった新潟県知事選挙を思い出す。自公と野党系候補との事実上の一騎打ちとなった。  立憲の前身である民進党は、連合に気兼ねして原発反対の米山隆一候補に推薦を出せ

          【都知事選】過去にもあった 逆転劇を呼ぶ現場の熱