世界が固唾を呑むイスラエルとイランの本気度
田中はきょう(1日Thursday)も街頭に出た。戦場取材の資金を募るためだ。
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ヒズボラ幹部がベイルートで、ハマス最高幹部がテヘランで、イスラエルに暗殺された。
イランの最高指導者ハメネイ師が報復を宣言した。イスラエルの知人によれば、現地ではあす2日にもイランの攻撃があるのではないかとの見方がある、という。
産油国イランを含むこの地域の緊張が高まれば、オイル価格が上昇し物価高に拍車がかかる。食えなくなる人がさらに増えるだろう。
中東で起きていることは、決して対岸の火事ではないのだ。
では、本当にイランがイスラエルと本格的に砲火を交えるかというと心許ない。昨年10月7日のガザ開戦以降、幾度となく威勢のいいイランの宣戦布告を聞かされてきたが、いまだ一度も火を噴いていない。
イスラエルもイランとの全面戦争は避けたいところだ。イランの影響下にあるレバノンのヒズボラが本格的に動き出すからだ。
2006年の対レバノン戦争でイスラエルはヒズボラの前に手痛い敗北を喫している。4次にわたる中東戦争で一度も敗れたことのないイスラエル軍が敗れたのである。
現在のイスラエルは当時と同じようにガザの戦線を抱えており、下手にヒズボラと本格交戦すると、再び敗北しかねない。
イスラエルがハマスの最高幹部イスマイル・ハニーヤ氏を屠ったことで、ハマスとの停戦交渉は暗礁に乗り上げる可能性が出てきた。ネタニヤフ首相の思惑通りといってしまえばそれまでだが。
この先、中東情勢がさらに不安定化することは確かなようだ。世界は固唾を呑んで見守っている。
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田中龍作は現地に足を運び、自らの目と耳で見聞きしたことを記事にします。紛争地帯の現実をありのままに伝えます。