見出し画像

暗黒国家ベネズエラ 投獄を覚悟で大統領3選に抗議する人々


兵器そのものよりも半永久的に続く部品や武器弾薬の供給の方が売買金額は大きい。=ベネズエラ空軍最大のラカロタ基地。2019年、カラカス市内 撮影:田中龍作=

   絶望が支配するベネズエラで、人々は最後の力を振り絞っているように見える。「選挙は不正だ」と抗議してストリートに出た。逮捕、投獄は覚悟のうえだ。

 治安部隊は催涙弾を放つなどして力で抑え込もうとしている。

 人口の4分の1にあたる700万人が脱出した国にあって、ピープルズパワーはどこまで抗えるか?

 田中が現地取材した2019年当時、ハイパーインフレで経済は破綻していた。労働者1ヵ月分の給料でチーズが買えないありさまだった。

 反米親露ということで、この国を「理想郷」のように崇め、暗黒の独裁国家を「表敬訪問した」と無邪気に喜ぶ・・・それが日本を代表する平和団体だ。


HIV検査にかけられる血液。政府が検査を普及させなかったことが感染者を増やした。=2019年、カラカス市内 撮影:田中龍作=

 ベネズエラ軍の兵器はロシア製と中国製である。ロシアは巨額の購入代金を貸し付けてきた。

 政府の無策でHIV感染者は増える一方だった。それでもマドゥロ政権はロシアや中国から兵器を買い漁った。AIDS対策よりも兵器購入だったのである。感染者はさらに増えた。

 日本の平和団体の皆様は、欧米の兵器は戦争を拡大させるが、ロシアの兵器は平和に貢献するとでもいうのだろうか。

 現実を見ようとしない観念的ハト派は危うい。

  ~終わり~

   ◇
『田中龍作ジャーナル』は読者の御支援により維持されています。


  


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?