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歩き旅行@県北②  5/31~6/1 水辺プラザかもと→眺山庭→風の広場 31km8時間半

テントをたたみ早めに出発する。友人がマネージャーを務める眺山庭ホテルの風呂で汗を流し、竜門ダムへむかうことにした。
大浴場の露天風呂は、植え込みがあり、そこから山鹿の街が一望できる。昨日お預けをくらった山鹿の源泉かけ流しを堪能した。400円というコスパの良さから毎日利用される方も多いとのこと。
客室の内風呂にも源泉が注がれ大人4人入れるくらいの贅沢な広さがあるため、コロナ禍にも客足は途絶えなかったという。
今度は泊まりにくると心にきめ、眺山庭をあとにした。

せっかく流した汗が、がんがん流れ出す。昨日とはうってかわって良い天気になる。実は水辺プラザから15kmで龍門ダムに登れたのを9kmほど逆方向に歩き温泉に入りにきたのだった。何をやってるんだと流石に自分でもおもった。来た道をもどり山をのぼる。
少し遠回りをし鞠智城をみた。7世紀あたりの城跡とのことなので飛鳥時代くらいのものか。菊池、山鹿あたりは古代日本で最先端の場所の一つだったらしく道すがら遺跡の看板を多く見かけた。川がおおく水路が道沿いにたくさん張り巡らされ水の豊富さは今でも体感できる。
県内を歩き初めて、地理と生活の関係が気になりだした。歴史にも関係することなのではないかと想像する。古本屋でかったポプラ社のぼくらの熊本県が本棚にねむっているのでひとまず読んでみようとおもった。

竜門ダムのダム湖の真ん中あたりに風の広場はある。鞠智城からの道は歩きでしか選べなさそう道を選んだ。いくつかの集落の中を通る。住人の方とすれ違うときには挨拶をするようにしているが、こういった集落の方々のほうが対応があたたかい。どこまで行くとね?バッグ何キロくらいあると?がんばってねと声をかけてくれる。俺が勝手に苦労しているのに応援してもらうのは、とても恐縮するのだけど、すごく嬉しい。
龍門橋を渡り竜門ダムの壁がみえたときには、正直怯んだ。
山の緑の間に不自然なコンクリートの灰色が景色を覆う。

ダムを初めて見た。これまで各地で歩きながらみてきた鉄塔や、熊本城の廻廊だったり、海の底からのびる橋脚だったり、土木工事の結果や建築物を沢山みてきたつもりだったけれど、ダムは別格だった。
山奥の集落にこの壁ができたとき、やはり住人は喜んだのだろうか。
鞠智城をみた直後だったからか、人間の発展を一日で一気にみたような気になる、自分でもわからない感情だったけれど、いよいよ神様に怒られるようなゾッとする気持ちになった。

ダム湖のほとりがキャンプ場なのでここからまだまだ登る。
急勾配の坂を登りながらコレがダム湖の深さなのかと想像した。

人けがない風の広場に到着しトイレに入る。水を流すと何か茶色い。
水が使えないとは思わず500mlしか水が無かった。
辛抱してパスタを茹でる。本当はジャーマンポテトも作ろうとおもっていたのだが水が無いから仕方ない。

カリカリに焼いたベーコンとブラックペッパーにとても癒やされる。
めまといと蚊と、吸血しようと足にぶち刺さってくる甲虫に悩まされながらも、テントに入ればこちらのもの。明日は阿蘇まで12時間歩くので7時には眠りについた。

そして、翌朝無事阿蘇へむかったわけでなく。
即熊本市内へ帰ることとなった。
失業保険申請のための説明会が1日だと忘れていたのだ。
つくづく自分の愚かさに嫌気がさす。
菊池市まで1時間で下山しバスにのり1時間半で熊本市内まで到着。

文明とはこうも素晴らしいのかと、前日は憂いていたはずなのに、ヒラリと手のひら返し感謝したのだった。

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