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リモートを「使いたおす」組織へ

先日、「Withコロナ時代の企業経営と組織づくり」をテーマにフライヤー代表の大賀康史さん、エール取締役の篠田真貴子さんをゲストにお迎えしてセミナーを開催しました!(当日のセミナー動画をYouTubeにアップしているので、ご興味ある方はぜひ以下をご覧ください↓)

個人的にも学びがいっぱいの素晴らしい時間だったので、当日印象的だったことや感じたこと気づいたことをまとめてみます。

リモートはリアルの「劣化版」じゃない

これは最近リモートワークについて議論するたびに感じるポイントで、当日も話題になりました。篠田さんが「リモートはリアルの『劣化版』ではない」と表現されていてなるほど、と。リモートにはリモートの、リアルにはリアルの良さがあり(当然デメリットもある)、各組織にあわせて使い分けていくことが大切なんですよね。その意味で「リアル>リモート」という感覚で考えてしまうと、ポイントをとらえそこねてしまう。

「見える化」「ポータブル化」が大事

大賀さんが経営されているフライヤーさんは本の要約サービスを手がけられているのですが、コロナを機にコミュニケーション系の本や、エクセルなどわかりやすいスキルアップ系の書籍の要約がよく読まれるようになったそう。私はリモートワーク中心で会社を8年経営していて、リモートワークを語るにあたって大切なキーワードが「見える化」だと思っています。経営観点から言えば、目標を「見える化」し、進捗具合をふくめて共有することが何より大事(WarisではOKRを導入し、システムで社内で共有しています)。リモートで物理的に姿が「見える」わけではないからこそ、コミュニケーションを「見える化」することが重要になるんですよね。会社の知見やノウハウもどんどん「見える化」してクラウドで共有することが求められます。個人の観点でもスキルやキャリアについて自分が何が得意でどうしたいのか…わかりやすく言語化して周囲と共有できたほうがリモートではよりハッピーに働けるのではないかとお二人とお話ししていて感じました。

「意図」を伝えて自律的な組織へ

航空自衛隊における「行動と意図」の観点が、リモートワークにおける組織づくりのヒントになるのでは…と篠田さんがお話しされていて非常に興味深かったです!詳しくはご本人がTwitterやnoteで書いていらっしゃいますので、ぜひそちらご覧ください↓。簡単に要約させていただくと、航空自衛隊においては一人ひとりのパイロットはすでに機上におり、現場での臨機応変な対応を常に求められます。これがリモートワークに似た環境ではないかと篠田さんはお話しされていました。そして航空自衛隊では上官からの指示には「号令(行動の指示)」「命令(行動と意図の両方の指示)」「訓令(行動の指示は弱めで主に意図を伝える)」の3種類があるとのこと。意図をしっかり伝えるコミュニケーションを継続的に取ることで組織の一人ひとりの自発的自律的な行動を促すというのは、私たちビジネスマンにとっても大いに参考になるお話でした。

「気持ちを吐き出す場」を設計する

リモートで感情(特に負の感情)を手ばなすのが難しいという話を以前noteに書いたことがあり、たくさんの方に共感していただきました。↓

大賀さん篠田さんとのセミナーでもリモートワークでは「気持ちを吐き出す場」を意識的につくるのが大事という話が出ました。フライヤーさんでは「雑談チャット」や「日報」が効果的だったとのこと、またエールさんではミーティング冒頭の「チェックイン」(「疲れている」「ワクワクしている」など今の率直な体調や気持ちについて話す)が有効だと感じているそうです。

「聴くスキル」が問われる

リモートワークにおけるマネジメントでは「聴くスキル」が大切、というお話も印象的でした。リモートワークでは目標を見える化すると同時に、その達成をリモート環境下で支援することも非常に重要で、その際に1ON1が有益だと私たちWarisでは考えています。でも1ON1もマネジメント側に「聴くスキル」がないとなかなか支援の場になりにくいのも事実。ちなみに篠田さんはあえて画像をオフにして音声情報のみで「相手の話を聴く」こともあるとのこと。「音声情報って無防備ですから」と篠田さん。これは私もやってみたいと思いました。

リモートでも「深い対話」はできる

少し話がそれますけど、私たちWarisがリモートで1ON1をしているとお話すると驚かれることがあるんです。驚く方に理由を尋ねると「リモートで1ON1のような深い対話ができると思わなかった」とのこと。Warisはそもそも経営陣が東京・福岡・ベトナム(ホーチミン)に点在しているため、平時からリモートコミュニケーションが中心。結論から言うと「リモートでも深い対話はできます」。いま、オンラインコーチングやカウンセリングのサービスがさまざま市場に出てきている点からも明らかですね。ただ、おっしゃる意味はわかるんです。私もコロナ前は実は、「1ON1に関しては対面のほうがよい(対面ならではの温かみ、手触り感を重視)」していたのですが、コロナを機にフルリモート環境で1ON1をやってみると、リアル以上に相手とのやりとりへの没入感があり、これは十分機能すると感じました。

リモートを、使い倒す

セミナーに話を戻すと、「Withコロナ時代の企業経営と組織づくり」に関して言えば正解はなく、リモート環境での人材育成も組織開発も手探りだということです。ただ一つ言えるのは「リモートを使い倒す組織とそうではない組織で得られる結果も変わってくるだろう」ということ。リモートとリアル、どちらがいいかを議論するのは意味がなく(どちらにもメリット・デメリットがあるので)、それぞれの組織に適したハイブリッド具合を探っていくしかないのでしょう。

変わること、変わらないこと

最後に篠田さんがおっしゃっていた言葉からもう一つご紹介を。コロナ前後で「変わること(変わっていくこと)」に焦点が当たりがちですが、「あえて『変わらないこと』にも目を向けていきたい」と篠田さん。たしかに、コロナは私たちの生活や働き方を猛烈な勢いで変えていきます。でも、その嵐のような中で、「変わらず大切にしたいと思ったもの」こそが私たち一人ひとりにとっての真実なのかもしれません。Follow Your Heart。改めて自分の心の声にしたがって生きていきたいと感じたセミナーでした。

※セミナーに参加した友人でライターの宮本恵理子ちゃんが自身のnoteでイベントレポートアップしてくれています。よろしければそちらもぜひ!↓



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