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台湾ひとり研究室:翻訳編「#22翻訳における注釈の入れ方問題を考える。」

台湾書籍《大港的女兒》 の翻訳者が、日本版の刊行前後の進捗をリポートしていく有料マガジンです。公開から1週間は無料でお読みいただけます。第22回となる今回は、翻訳における注釈の入れ方問題を考える、としてお届けします。

2023年9月に始まった本連載、いよいよ年内最後の1本となりました。今年を締めくくるのにふさわしいかどうかはともかくとして、ずっと考えていたことに一応自分なりの決着をつけたので、(最終的にどうなるかはともかくとして)ひとまず書いておくことにしました。

それは「注釈をどうするか」問題です。

「#14ここまでの作業状況から考えてみた方針を3つ、まとめてみます。」で、基本的な翻訳方針として編集さんからのオーダーである「日本語で違和感なく快適に読める」に即して3つの視点から、翻訳の方向性を決めました。その際には、糸口が見出せず保留にしていたのがこの「注釈をどうするか」問題でした。

小説に脚注は必要?

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2,195字

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勝手口から見た台湾の姿を、さまざまにお届けすべく活動しています。2023〜24年にかけては日本で刊行予定の翻訳作業が中心ですが、24年には同書の関連イベントを開催したいと考えています。応援団、サポーターとしてご協力いただけたらうれしいです。2023.8.15