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日本語版刊行ヒストリー:《大港的女兒》から『高雄港の娘』へ

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翻訳書ってどんなふうに作られてるんだろう? 台湾で刊行された陳柔縉著《大港的女兒》を翻訳する過程で起きたことをまとめました。
定期購読マガジン「台湾書籍、翻訳中!」として公開していた記事を1本の有料マガジンにまとめました。台…
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台湾ひとり研究室:翻訳編「#01台湾の時代小説《大港的女兒》を翻訳することになりま…

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台湾ひとり研究室:翻訳編「#02まず、どんな本なのかをご紹介します」

前回、noteで翻訳しながら進捗報告します宣言したところ、各方面から激励やいろいろなメッセー…

台湾ひとり研究室:翻訳編「#03日本語版刊行企画の応援団、サポーター大募集!」

今回、このレポートを掲載しているプラットフォーム「note」には、私のようなライターだけでな…

台湾ひとり研究室:翻訳編「#04《大港的女兒》著者の陳柔縉さんと創作活動を見渡して…

陳柔縉(チェン・ロウジン)さん。1964年雲林生まれ、2021年没。享年57歳——この享年というふ…

台湾ひとり研究室:翻訳編「#05陳柔縉さんの著作を振り返る『国際広報官 張超英』」

こんなすごい人だったの!?——読んで度肝を抜かれたのが本書でした。 私が今、翻訳に取り組…

台湾ひとり研究室:翻訳編「#06初めてのサポート、早くも書店告知開始!?の話。」

初めてのサポートに震える (えっ……!?)

台湾ひとり研究室:翻訳編「#07陳柔縉さん作品の翻訳家、中村加代子さんに会いました。」

「翻訳出版には、5年っていう時間制限があるんですよね」 ギョッとするひと言で翻訳出版の厳しさを教えてくださったのは、翻訳家の中村加代子さんです。8月下旬、ご家族との台湾旅行でわざわざ時間を割いてくださり、お目にかかりました。というのも、中村さんは陳柔縉さんの日本語翻訳を手がけたおひとり。いわば陳柔縉シリーズの先輩です。 『台湾博覧会1935スタンプコレクション』(東京堂出版、2020)は、2018年に台湾で出された原書《一個木匠和他的台灣博覽會》の翻訳版。384ページとい

台湾ひとり研究室:翻訳編「#08《大港的女兒》は“歴史小説”か”時代小説”か。ベテ…

「日本語だと『時代小説』よりも『歴史小説』のほうが適切なのかも…?と思っています」 こん…

台湾ひとり研究室:翻訳編「#09《大港的女兒》版元編集、春秋社の荒木さんに聞いてみ…

本企画スタートしてから、何人かの方に「それにしても、美帆さんにどういう経緯で今回の依頼が…

台湾ひとり研究室:翻訳編「#10《大港的女兒》翻訳エージェント・太台本屋の金森エリ…

「台湾で本が出たあと、SNSに投稿してたよね?」 ただいま翻訳真っ最中の《大港的女兒》 が…

台湾ひとり研究室:翻訳編「#11《大港的女兒》翻訳作業のリアル、そしてサポートの現…

ヤバい… ぜんっぜん進まないんだけど、どういうこと…?? 正式な翻訳依頼を受けたのは今年…

台湾ひとり研究室:翻訳編「#12陳柔縉さんの著作を振り返る『台湾と日本のはざまを生…

山のような相手への取材 本書は、台湾の駐日大使だった羅福全の回顧録です。同書については第…

台湾ひとり研究室:翻訳編「#13有料マガジンの購読方法を改めて。そして特典発表!」

「ずっと申し込み方法がわからなくて、そのままになってたんだよね」 有料マガジンをスタート…

台湾ひとり研究室:翻訳編「#14ここまでの作業状況から考えてみた方針を3つ、まとめてみます。」

「方針」と大仰な見出しを付けてみたものの、現時点まで訳しながら考えたことをいったん整理してみよう、というのが今回の趣旨でございます。 さて第11回で、私が翻訳作業にかかる所要時間を大幅に読み違えて、大幅に立て直した、という話を書きました。その際、私なりに見えてきた課題を列挙し、担当編集さんに締め切りを延期してほしい、と泣きを入れたんです。すると編集さんから、こんな指示が届きました。 「基本的には、日本語で違和感なく快適に読めるような文章にすること、著者が日本語ネイティブで