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バスケの本当のきつさって?

自分は10歳からバスケを始め、かれこれ15年続けていますが、試合を観に来てくれた人からよく言われるのが、

『ずっと走ってて絶対きついよね!!』

です。

自分はこれを言われる度に、『あ、バスケの本当のきつさって伝わってないんだな。』って思います。

仮にずっと走ってるのがきついんだとしたら、マラソンの方が絶対きついです。2時間近く走るなんて、試合時間40分の人たちからしたら想像もつきません。

ということで、今回は『バスケのきつさ』について書いていこうと思います。

※きついけど楽しい前提で書いてますよ!笑


●接触のきつさ


走るきつさは皆さん体育の授業とかで経験してると思うので、そこは割愛しますね。

まず最初にお話したいのは、『接触のきつさ』です。バスケは対人スポーツであり、1つのコートに敵・味方が入り乱れるスポーツです。

また野球やサッカーに比べコートが狭いです。なので、コート上の人口密度が他のチームスポーツに比べて圧倒的に高いです。

そんなスポーツですから、接触が起こるのなんて当たり前で、危険なプレーを避けるためにファールが存在しますが、正当にお互いがぶつかればOKとなっているのが現状です。(今度最近のファールの基準について記事を書こうかなと思ってます。)

特に激しいのは、ポストプレーやリバウンド争いと言ったゴール下付近。スラムダンクのゴリも言うように、ゴール下は本当に戦場です。(話知らない方はごめんなさい。)でも本当ファールギリギリのところでで、1つのボールを取り合うんです。しかも2m近い人たちが。そりゃあ迫力すごいですよ。

ちなみに、自分はこの身長で大学時代5番(センター)をしていました。他の大学は195cm以上が当たり前の中、188cmの自分が体を張って守るなんてのは当たり前で、『どうやったらデカいやつが嫌がるかな』ってことばかり考えていました。相手からしたら相当嫌なやつでしょうね。当時マッチアップした人ごめんなさい。(そのマッチアップしてた人と今チームメイトだったりします。)

そんな経験をしてきた自分が感じる『接触のきつさ』は、長距離走のきつさとは違うんですよね。『筋肉が削ぎ落とされてく感じ』なんです。接触した分だけ、使える部分が削ぎ落とされてく感じですね。

なので試合終盤になると、踏ん張りが効かないとか、切り返しが遅くなるとか、シュートのボディバランスが悪くなる、なんてことが起きるんですよ。

見てる側からしたら少しわかりにくい部分ではあるんですけど、選手からしたら大きなことで。動けてる時より0.5秒遅くなるだけで、シュートを打てるか打てないかが決まるんです。

これは推測ですが、ボクシングのボディブローが終盤に効いてくる感じと似てるんですかね?

この話を見れば、バスケにおいて筋力トレーニングがどれだけ大事かということがわかります。大学時代は相当ウエイトトレーニングやりましたね。週8やってました。笑(そんなに盛ってないですよ!笑)


●ジャンプのきつさ


いきなりですが、20mを連続で10本走ったことある人いますか??

僕らは大学のトレーニングでやってました。おそらく一般の方にはなかなかない経験だと思うのですが、20mを10本走った翌日は日頃の練習してる選手でも筋肉痛になるんですよ。ウエイトトレーニングしてないのに。

筋肉って長距離走のような長時間使う場合と、20m走のような短時間で爆発的に使う場合の2パターンあります。

多くの競技は、どちらか片方の使い方だけでいいのですが、バスケは両方の使い方をしないといけません。

一番最初に言った皆さんが思うきつさ(ずっと走ってる)ってのは、この2つでいうと長時間使う方を指してるんじゃないかと思います。

ジャンプはこの逆で、短時間で爆発的に使うきつさなんです。

さっき接触のきつさは『筋肉を削ぎ落とす』と表現しましたが、ジャンプのきつさは『筋肉を引きちぎる』です。

輪ゴムの伸ばしたり縮めたりを繰り返して、次第に切れてしまう、そんな感じをイメージしていただければいいです。一生懸命ダッシュしたら筋肉(輪ゴム)を使うので、次第に切れちゃうわけですね。だからウエイトしてないのに、筋肉痛になっちゃうんです。

バスケは空中戦のスポーツでもあります。リバウンドを取るために跳ぶ、シュートを打つために跳ぶ。パスをカットするために跳ぶ、ブロックショットするために跳ぶ。あらゆる場面で跳ぶことが求められます。

つまり、何回も筋肉を引きちぎる行為をしないといけないんですよ。そりゃ40分も試合したらボロボロですよ。でも選手は平気な顔で試合してますよね?それって日頃の練習の賜物なんです。自分が言うのもあれですが、バスケ選手ってすごいことやってんだなって改めて思います。 


●複合的なきつさ


1つ前にも話しましたが、バスケはいろんな筋肉の使い方をするスポーツです。

加えて、瞬間的な判断を求められるスポーツです。バスケは笛がならない限りはずっとプレーが流れるので、相手がいる中でフリーになるために正しい判断・行動をしないといけません。

判断から行動までするってのがの難しいところで、判断をできる人はたくさんいるんですけど、今まで述べたようなきつい状況の中で、正しい判断・行動が出来ると言う人はほんの一握りです。

いろんなきつさを受けながら、頭はクールに、でも心は戦うために熱く、という矛盾だらけでバスケしてるんだなってのが少しわかっていただけたんじゃないかなと思います。

そういった人たちが、日本のBリーグを支えてるわけですね。

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いかがだったでしょうか。バスケのきつさが少しでも伝わりましたか?改めて言葉にしてみて、自分もすごいことやってんだなって自画自賛しました(笑)

バスケファンの方に言いたいのは、スポーツは勝ち負けの世界なので負けるときもあります。一生懸命応援したのに負けて文句言いたくなる気持ちもわかります。

ただ選手はいろんなきつさを乗り越えてコートに立って一生懸命プレーしてます。

なので、少しだけ選手の気持ちを考えて言葉をかけていただけると嬉しいのかなって思います。

ファンの方のSNSを見てると、ほんとたまにですが心がない言葉を投稿されてる方もいらっしゃるみたいなので。

そういった方に、この記事が届くと嬉しいなと思います。

以上、一選手の独り言でした。





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