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ライター・編集者とはなにか?古賀史健さんライター講座 【イベントメモ】

本日、【「書く人」から「つくる人」へ。古賀史健さんによるライター講座】をYouTubeライブで視聴しました。

残念ながら現地参加の抽選は外れてしまったので、自宅から視聴。あっというまの90分でめちゃくちゃ勉強になりました!

自分の備忘録がてら、メモした内容を簡単にご紹介します。

ライターってなんだろう?

「ライター」とは何か?という疑問を抱いたことがある人も多いはず。(私もライターの仕事をしているものの、正直「ライターとは」をはっきり語れないなあと思っていました。定義が難しいですよね……)

webや雑誌の記事を書くからライターなのか?でも新聞記者として記事を書いたり、ジャーナリストとして記事を書いている人もいる。

では、ライターって一体なんだろう?

古賀さんいわく、ライターは意外と共通認識がないそうで住所不定なんだそう。

(ただ、大前提として「ライターは価値のある職業」。作家が上、エッセイストが上、というのではなく、同等の価値を持った職業であるとお話されていて心に沁みました)


ここで、ライターを映画監督と比較してみる。

映画監督=映画を撮影する人

でも実際に監督がカメラを構えて撮影はしてはいない。カメラマン、音声、照明、脚本家など、大勢のプロが関わっている。では、監督って何をしているの?

「映画をつくっている」としかいいようがないそう。

これは写真家も同じで、写真家も撮影するだけの仕事ではなく、構図、レンズ、シャッタースピード、絞りなどを設定して一つの作品をつくっている。

ライターも「書く人」ではなく、いろんな要素を組み合わせて原稿(コンテンツ)を「つくる人」である。

ライターは何を作っているのか?

では、ライターはなにをつくるのか?

ライターが作っているのは、原稿というよりもコンテンツ(=「そこにエンターテインの精神」が流れているかどうか)

つまり、読者の楽しみや喜びのために作られたコンテンツをつくっている。


「文章を書く」から「コンテンツをつくるライター」になるためにはどうしたらいいのか?

文章というのは、「編集」をいうステップを踏んでコンテンツになる。編集を通してお客さんが喜ぶコンテンツとなっている。編集できるか否か。

原稿を編集するのは100%ライターの仕事である。

編集者は何を“編集”するのか?

「①人、②テーマ、③スタイル」の組み合わせを考えていくのが編集者の仕事。(「誰が何を語るのか?」を考える)

例えば、「今、この人が本を出すなら絶対買うな」「読みたいな」「この人との出版契約は勝ち取りたい」と候補にあがる人は大勢いる。

そんな人を探して、自分が見つけた大好きな人が持っている“テーマ”を、横に横に転がして広げていくと、もともと考えていたテーマから大きな斬新なテーマが生まれることも。

そんな、「この人をもっと輝かせるためにはどんなテーマがいいだろう?」「人」を編集するのが編集者の仕事である。

テーマを転がして、もっと普遍的な新しいものに編集できないか。

編集者はコンテンツを編集するのではなく、人を編集すること。「この人の何を切り取ればいいのか?」を考えること。

なので、仕事モードになったときに「人のことがあまり好きじゃない」と感じる人は編集者に向いていない可能性も。

小手先で色々考えて「こうしたほうがいい」というテクニックも多いけれど、コンテンツのパッケージを編集する人=「人」を編集するんだ、という気持ちは忘れてはならない。


ライターは何を“編集”するのか?

①情報の希少性

→取材対象者がいつもメディアで話をしている内容を再度聞いても価値はない。「ここでしか読めない」内容を聞けるように準備する。その人はどこでどんな発言をしているのかリサーチする。

②課題の鏡面性

→取材で語られているのは読者が自分ごとにできる内容かどうか。他人事を自分ごとにさせるために編集する。

③構造の頑強性

→内容が論理的であるかどうか。読者が自分ごとにできる内容に構造できるか?

ライターは、取材相手からの手紙のお返事を書く

ライターには、大統領の経験や文豪のような力はない。ライターって空っぽ。空っぽだからこそ、取材をする。

取材をして、自分の空っぽのコップに水を満たす。水がたっぷり溜まると原稿、コンテンツにアウトプットできる。

つまり、ライターとは「取材者」である

取材をしてたくさんのものを相手から受け取る。自分が受け取ったものをシェアして、みんなで分かち合いたい、その喜びを求めて仕事をしている。

ライターがつくるコンテンツは、取材相手へのお返事。

・取材=相手から手紙を受け取る行為

・原稿(コンテンツ)=受け取った手紙の返事を書く

空っぽの人間だからこそ、山ほど取材をする。山ほど取材をしたら中身が溜まるから返事をしたくなる。その返事こそがライターが作っているもの。


相手に敬意を持てば持つほど丁寧な文章になる。相手への敬意がないと雑な文章になる。ライターが雑、デタラメな文章を書くのは相手への敬意を払っていないこと。

世の中には声が小さい人もいる。声を遠くまで届けるための拡声器のような役割になれる。


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メモなので細かくは網羅できていないですが、ライター・編集者はそれぞれ何をするのか?というのがとてもクリアになりました。

講座では具体例を出していただきながら、ライター、編集者、コンテンツをつくっている全ての人に必見な話が満載。質問の回答もためになったなあ。

お話を聞いて、「私はここまで考えられているのか」「果たしてライターだと言えるのか」など、自分の弱い部分を知れて、いい意味でぐっと苦しくなりました……。

仕事の姿勢を今一度考えないといけないな。もっともっと勉強しようと、気づきと共に反省しました。

なんだか心がぐわ〜っと熱くなり、まだきちんと言語化ができないのですが……!!!今日の講座に参加できて本当によかったです。知れてよかったです。

後日アーカイブが見られるそうなので、気になる方はぜひチェックしてみてください。

古賀史健さんの『取材・執筆・推敲 書く人の教科書』は4/7に発売です。絶対買おう。(なんと今日お話いただいた内容は、まだ書籍の序章部分なんだそうです。すごすぎる……)

素敵な企画をありがとうございました!

最後まで読んでいただきありがとうございます!短編小説、エッセイを主に書いています。また遊びにきてください♪