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ホームレス一歩手前

 変化が苦手だ。特に、外圧による変化に対応できない。
 今日、住んでいるシェアハウスの大家さんが家のチェックにやって来た。契約更新をするにあたり、この人たちに貸しても大丈夫か?という確認だ。
 家主が月曜に「大家さん来て、全部屋チェックするから掃除するように」と通達を出し、それから今日午前中までかかって片付けと掃除をした。それというのも、家主は大家さんにネコを飼っている人(私)がいることを話してないから。ちょっとでも汚れやキズがあれば、「出ていけー」と言われかねない。
 今、ここを出されたら、私には行くところがない。
 家族を捨てたから、というのもあるが、捨てなくても助けにはならない。

 必死で掃除し、入居したときよりもきれいになった。それでも不安は消えない。
 身寄りがなく、フリーランスだったり、フリーターだったりする場合、貯金もなければ、住むところに困る現実。まさに私みたいな人は、シェアハウス以外に住むところは見つからない。
 逆をいえば、シェアハウスの運営者は、そういう人を受け入れるリスクを背負っているっていうこと。いや、ほかのシェアハウスはもっと契約書的なものがあって、ちゃんと審査とかあるのかもしれないけど。
 うちは部屋が空いていて、家主が「いいよ」って言えば住める。ルールはなし。強いていうなら、なくなってるものがあれば買い足す。気づいたら共有部分の掃除をする。あとは、まあまあ大体てきとー。

 結局、家主がどういうふうに大家さんと話をつけたのかはわからないけれど、出ていけとは言われず、契約も更新できたらしい。望まぬ変化は免れた。自分の想像より早いホームレスの危機を脱した。
 けれど、私の胸にはもやもやが残っている。
 保証する人がいなくても、貯金がなくても、最低限の収入でも、ペットを飼っていても、住める家ってつくることはできないのかな?
 身寄りも保証人もなく、保証会社と契約するでもなく、空き家を買えるだけのお金はないけれど、毎月10万くらいの収入があって、飼いネコを捨てることはできないって人が住める家。

 昨夜、ハイサイ探偵団の孤独死現場を掃除するドキュメンタリー(単なるYouTube動画を超えてた)を見た。(※ 最後にリンクを載せておくけど、モザイクなしなので見るなら覚悟が必要です)
 たぶん私は孤独死をするだろうけれど、孤独死自体には恐れやさびしさを感じることはなく。だって、誰かと一緒に暮らしていても、気づかれずに死ぬことはあるわけで。誰かと手をつないだまま死を迎えたとしても、結局、ひとりで三途の川を渡るわけで。
 でも、見つからずに家が汚れてしまう(言葉を選ばずに言う)ことや、死後の片付けを考えると、早く発見した方がいい。
 であるなら、やっぱり広い敷地内に2DKくらい小さな家がたくさんあって、顔が見える関係の中で一緒に暮らすっていいかもしれない。

 このゆるいシェアハウスならぬシェアランド?を、私みたいな人が転がり込める場所としてつくれたらいいのに。つくりたい、というのとは違って、つくりたくはないけど必要じゃね?って感じ。
 でも現実的じゃない。大きな土地にたくさんの家。そんな場所、あるわけないし、土地があるからといってたくさん家を建てるのは無理。
 結局、大きな家を一棟借りて、シェアハウスにするしかない。
 とすると、ペットは1人1匹とか制限がかかる。6畳間にネコ3匹は無理だもん。でも、それじゃ多頭飼いしてる人が救われない。じゃあ、家じゃなくて古いアパートにするか、団地にするか。いや、階層があるのは、隔絶する気がするからよくない気がする。
 あ、一晩だけ滞在した人がかかわってるシェアハウスはアパートベースだった。これも参考になるかな、、

 今回、住むところがなくなりそうという事態から、いろんなことを考えさせられた。
 自分と同じように路頭に迷いそうな人がいる。私は幸い、家主に出会ってホームレスにならずに済んだ。でも、家主も、ほかのシェアハウス運営者も、すべての人を引き受けるのは無理。
 でも、どうにかすくい上げることはできないだろうか。
 もし私がひとりでもふたりでもすくい上げられたら、そのひとりやふたりも同じように誰かをすくおうとして、またその人たちがすくおうとして、、貧弱ながらもセーフティネットになっていかないだろうか。
 ただ「やれないだろうか」と言っている段階で、この先、実際に行動するかはわからない。人間嫌いで、自分がよければ人のことなど知ったこっちゃない私が、ふと、なにかできないかと思っただけ。
 今のところは。

 

 


 

 

ネコ4匹のQOL向上に使用しますので、よろしくお願いしまーす