見出し画像

mame論文公開とmame展覧会記録

mame論文

 田中です。ISSEY MIYAKEとMame Kurogouchiのカルチュラル・ブランディングについて書いた論文が公開されました。

ブランド・アイデンティティの継承と転換 ーISSEY MIYAKEとMame Kurogouchiの関係性を事例としてー

 リンク先は、旭川大学のリポジトリ(論文データベース)です。この論文は、無料でダウンロードすることができます。研究者や学生だけではなく、色んな方に読んでもらいたいと思って書きました。

 カルチュラル・ブランディングでは、社会歴史的な転換をブランド戦略に取り入れます。社会の変化によって生まれた不安へ対応することで、ブランドは強力なイコンになると考えます。この論文においては、ISSEY MIYAKEは経済成長と女性の社会進出が進む時代、Mame Kurogouchiは経済停滞と格差が進展する時代を背景に、それぞれがその時代に合わせた対応をすることで強力なブランドの構築に成功したと捉えました。それでいて、デザイナー同士が師弟関係にあることから、「手仕事」「ファクトリー」「身体」「自立した女性への支援」という要素が両ブランド間で継承されたのではないかと論じています。

 ファッションがお好きな方やmame愛好家の方にも読んでいただけたら嬉しいです。後半にある犬山紙子さんと小谷実由さんにご協力いただいたインタビューパートのみ読んでも面白いと思います。

10 Mame Kurogouchiの思い出

 上記の論文を仕上げる前に、10 Mame Kurogouchiへ行ってきました。昨年夏、長野県立美術館で開催された展覧会です。

刺繍の図案
細かく指示が書き込まれています
ブランドを代表するPVCのバッグ
この後現行のホワイトを買いました(我慢できず…)
朝吹真理子さんの『TIMELESS』からインスピレーションを受けたシリーズ
身近なものから着想を得るのだそう
全mameファン憧れの鈴蘭のワンピース
こぎん刺しなど日本の伝統技術が用いられています
「現代社会における戦闘服」
物語を大事にしておられるのだなあと感じ入りました
2017ss別注トップスを着て

 美術館のカフェテラスにデザイナーである黒河内真衣子さんがいらっしゃるのをお見かけし、ドキドキしながら声をかけました。私がmameを着ていることに触れてくださって、優しい方でした。偶然お会いできて大変嬉しかったです。いつか直接お話を伺ってみたいです。

+α

2010年代を代表するブランドとしてmameが取り上げられていました

 期間が重なっていたので、東京国立新美術館にてファッションインジャパン 1945-2020も見てきました。ファッションブランドを社会歴史的観点から捉えるという意味で、自分の研究と重なる部分が大きく、勉強になりました。ISSEY MIYAKEで修行したデザイナーの系譜も確認することができました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?