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うちの父が運転をやめません

高齢者は免許を返納すべき。

これを言うのは簡単。
バスやタクシーが常に沢山走り、スーパーやドラッグストアが乱立する都会なら可能だろう。
だけど、交通の便が良くない田舎は?
近場のスーパー、コンビニには車で30分なんて場所に暮らす人々に、簡単に車を手放せ、免許は返納すべきだ。なんて言えるのか…

本当に偶然、この本を買う前に夫と岩手県北をドライブしながら、高齢者の免許返納について話をしたばかりでした。

販売業に従事する私たち夫婦は、スーパーで商品を買うごく当たり前のことが難しいその土地での暮らし辛さの想像してしまう。
でも、高齢者の起こす自動車事故に子供達が巻き込まれてしまったら…
と想像すると恐ろしくなる。

返納しろと迫るのは酷なんじゃないか、でも危険であることも事実。
その時は答えが出せず終いでした。

読了しました

こちらの作品では、田舎に住む70代の父親が車を傷だらけにしながらも乗り続けて主人公の息子一家を不安にさせる。

いっそ都会に移住させてみては?
とウィークリーマンションを借りて両親を田舎から呼び出してみたものの、都会の空気が合わずにすぐに帰ってしまう。

田舎で暮らし、心身共に健康で生きるとともに、暮らしづらさを払拭するために作中では、

主人公が両親の代わりに
*ネットで買い物をする。
運転を生き甲斐とする父の気持ちを考慮し、
*自動ブレーキ搭載の車に買い替える。
近隣の買い物に困る高齢者の為に主人公が田舎にUターンし
*スーパー委託の移動販売車の営業を始める。
などが試される。

大手企業を辞めてUターンして田舎で商売を始める。なんて流石に世の中みんなが出来るはずはないけども、移動販売が増えるのは暮らす側にとってとても有り難い事だろうなと思った。

スーパーが乱立する地域でも、広いスーパーで買い物する高齢者な大変な思いをしているのは知っているつもりだ。

私たちはいつか高齢者になる。
免許返納の時期が来るのは私たちとは全く関係ない異星人の話ではない。
その頃にはもっと便利にな世の中になっているかもしれない。
でもそれは都会だけの話で、田舎は益々過疎化が進んでいるかもしれない。

この作品を読んで、現状を知ろうともせずに知らん顔して免許返納しろ。なんて言えないと改めて感じた。

田舎ののんびりした空気が大好きな私たち夫婦だけど、いざ自分たちが高齢者になって住むとなると二の足を踏みそうだなと現状では思ってしまう。
やり方はあるだろう。いい方向へ進める事も出来るかもしれない。
だけどやっぱり、答えが出せない。
夫がこの本を読んで、どんな意見を出すのか、また知らない誰かがどう思ったか感想が聞きたい。


ど田舎には建てるメリットがないから、スーパーが無かったり撤退するのもわかる。
けど、地域密着とは一体…と思ってしまう部分もある。

著者 垣谷美雨

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