tanaka

人間は空想妄想の中に生きている生き物である。 自らの中にあるモノが全て吐き出せることも…

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人間は空想妄想の中に生きている生き物である。 自らの中にあるモノが全て吐き出せることもなく、形になることもなく、伝えることもない。 ヒトとは、ただ創造するモノ、である。

最近の記事

歪んだ性愛 ❹

息苦しさを忘れさせるような大きな音が響いた。 だれ!? だれ!だれなの! いや!やめて! 大人しくしろ!! やめて!いや! だれかー!んぐ! 微かに妻の悲鳴が聞こえてきた。 動悸が高鳴り全身の血が熱くたえぎり、身体を巡るのがわかるようだ。 妻は何をされているのか。 不安と期待が交差する。 これまで感じことのない感情に包まれ、私の股間は熱くなっている。 はぁ、はぁ、はぁ、はぁ。 まるで盛りの付いた犬猫のようになっている自分がいた。 クローゼットに身を隠すまでの

    • 歪んだ性愛 ❸

      息苦しさ30分ほどすると玄関が開く音がした。 妻が帰宅したのだ。 リビングに居るようだ。 そろそろ始めるか。 私は彼にメールを送った。 私 「妻を犯してください。」 彼 「かしこまりました。」 淡々としたやり取りだ。 こんなやり取りで自分の愛する妻を見知らぬ男に手籠にするのだ。 彼からのメールの返信の文字を見て、私は自分の愚かさに気がついた。 いや、気がついているのだ。 それよりも欲しいものがある。 自分の欲求を満たしたい欲がある。 愛する妻を差し出すことで得ら

      • 歪んだ性愛 ❷

        見えない鎖彼が私のところに来てから1時間くらいが経ったのだろうか。 実際に会い、話してみたがメールの通りの印象だ。 彼は信用ができる。 きっと私の心を粉々に砕いてくれるだろう。 そして妻も…。 人違いや事件、事故に発展することはお互い望んではいない。 念には念を、と、身分証明書を交換しお互いを確認した。 犯罪行為ではないことを書いた念書も用意して、お互いの本名を書き記すこととしていた。 見えない鎖だ。 はじめに私が住所、連絡先、アカウント、氏名を書き、彼に手渡した。 念書

        • 歪んだ性愛 ❶

          忿懣な男帰りは遅くなる 私は妻に伝えると、いつも通り仕事に向かった。 しかし会社には休暇を申請し、自宅近くの喫茶店で珈琲を飲んでいる。 珈琲を片手に新聞を読み、普段読まないような株式市場の動向、株価を念入りにチェックしている自分を俯瞰している自分がいる。 今朝は明らかに落ち着きがなく、自分が自分でいられない感覚のまま、時間が過ぎている。 落ち着け、自分で決めたことだろ。 自分の望んでいることじゃないか。 自分に言い聞かせてきた言葉を、何度も繰り返し、3杯目の珈琲を口にし

        歪んだ性愛 ❹

          初めてのNTR

          カイトの企み大丈夫なの? 大丈夫だって。安心していいから。 かなはカイトに、タナカという男を紹介された。 タナカは笑顔で挨拶をすると、かなの手を引きホテルの部屋へ入って行った。 鍵は開けたままだ。 大丈夫。きっと大丈夫。 ホテルのロビーにいるカイトは、自分に言い聞かせるように何度も呟いていた。 不安に押し殺されそうになるたびに自動販売機で500mlのビールを買い、 一気に飲み干している。 落ち着くはずはない。 実は、カイトがタナカと会うのは今日が初めてだった。 不安

          初めてのNTR