書評:『ダークサイド・スキル 本当に戦えるリーダーになる7つの裏技』
「ダークサイド」というフレーズに中二心くすぐられて読んで見たものの、結構いろんな人にオススメしたい本だったので書評にしてみました。
「この本のポイントはもっとここだと思うんだよな」的なご意見いただけたら、非常に嬉しいです。ぜひいろんなご意見をください!
この本の概要
「和をもって貴しとなす」
「あうんの呼吸」
会社に忠誠心を持つと同時に、よそ者を排除する。
そんな日本企業が持つ価値観を、いい方向に作用させる鍵となるパーソンである”ミドルリーダー”に向けた本。
ロジカルシンキングや論理的思考力といった「ハード的」なスキル(=ブライトサイド・スキル)だけでなく、人に影響力いを与えたり意のままに操ったりするための「コミュニケーション・スキル」や「ソフト・スキル」といった泥臭いスキル(=ダークサイド・スキル)を身につけるためのヒントとなる内容がまとめられています。
この本を読んで欲しい人/理由
書かれている内容は主に、上司や部下を動かす方法となっているので、上司・部下がいるビジネスパーソン全員にぜひ読んで欲しいのですが、特に会社を変革するために上司や部下を変えたい・動かしたいと思っている人に読んで欲しいです。
読んで欲しい理由は様々ありますが、上司や経営層の理不尽を跳ね返す力や現場へ大きな変革を起こすための覚悟を身につけることで、いまの置かれている状況を打破して自身のキャリアアップにつなげてほしいからです。
愚痴を言っていても何か好転するわけではないので、辛い場面も前向きに立ち向かって自身の未来につなげていって欲しい。
そんな思いでこの本をオススメしています。
ダークサイド・スキルは7つある
その1 思うように上司を操れ
上司と部下では見えている視界が違います。
上司の方が見なくてはいけない広さ、時間軸が広がるため、注力していない部門はあまり把握できていないということもあります。
そんな上司との違いを把握した上で、どんなパスを出すと正しい意思決定をさせることができるのかが、事例と共に記されています。
その2 KYな奴を優先しろ
「おれは聞いてないぞ」と稟議書にはハンコを貰う必要がない人からの一声で稟議が通らない、なんてことへの対処法から、職場で多様な意見が飛び交う様にするにはどうするか、が紹介された節です。
その3 「使える奴」を手なずけろ
組織の階層図とは違った、自分だけの神経回路を構築し、仕事に協力してもらうラインや社内の情報戦を勝ち抜くための情報網、自己成長のための社外の繋がりを作っていく方法について書かれています。
仕事は一人ですることはあっても、自分だけの力で結果を出さなければならないわけではありません。
言わば「借り物競争」なビジネスでの場面を戦いぬく方法が書かれているのがこの節です。
その4 堂々と嫌われろ
仲良しこよしで出世していけるのはもう過去の時代であり、現代では嫌われてでも意思決定し推し進めていかないといざというとき踏ん張ることができません。
正しい判断だったとしても、誰かに嫌われるリスクは必ずあります。
この節では、そんななかでどんなやり方で戦っていけばうまくマネジメントしていけるかが紹介されています。
その5 煩悩に溺れず、欲に溺れろ
意思決定や行動は、目先ではなく長期的な成果を考えて行わなければなりません。
自分の価値観と企業理念を掛けあわせて行動していくために、自身の価値観を棚卸ししていく方法を教えてくれる節です。
その6 踏み絵から逃げるな
自分の信念を貫き通せるかどうかで、部下がついてくるか、結果が追い付いてくるかが変わります。
信念を貫き通せないならリーダーの資格はないとまで書かれています。
その7 部下に使われて、使いこなせ
変革を起こす際には情報が必要ですが、特に部下の持つ情報はなかなか見えづらいため、如何に部下から情報を持ってきてもらうかが重要になります。
ポジションパワーではなくヒューマンパワーで部下を動かすことの重要性と方法を説いた節です。
この本のポイント
最後に自分的にポイントだと思った文を紹介していきます。
心に刺さるもの、共感できるものがあればぜひ書籍を手にとって読んでみてください。
自分の煩悩さえコントロールできないのに、他人を意のままにコントロールしたいと思うのは、欲張りというものである。そういう人は、リーダーの道から降りたほうが、世のため、人のため、自分のためになる。
-「その5 煩悩に溺れず、欲に溺れろ p130 リーダーに向かない人」より引用
他人というのは基本的には変えられないものと思うくらいがちょうどいいと思っているのですが、この本の内容としては「上司や部下を動かせ」と言っているなかでのこのフレーズなのでより刺さります。
特にいまリーダーを張っている人で、自分のことがよくわかっていないという人は、まずは自分の煩悩を理解するところから始めてみましょう。
上司の器の大きさは、部下の多様性を見ればわかる
-「その7 部下に使われて、使いこなせ p164 部下からのネガティブフィードバックで死角をなくす」より引用
一人では自分の実力以上の成果を出すことは不可能ですが、多くの部下を抱えていればそれは不可能ではありません。
部下に仕事のやり方を強制させすぎたり、答えを決めつけ過ぎたりしてしまっては、自分の枠を超えた結果を出すことはできないので、一人ひとりが実力を発揮できる環境を作ってあげなければなりません。
改めて、自分のチームは自分の域を超えているかどうかを見直すきっかけになったフレーズです。
まとめ
市場価値を上げていくにはやはり、この本のなかでブライトサイド・スキルと呼ばれているテクニカルなスキルを伸ばしていくのは必要不可欠ですが、人と人とで成り立つ組織である以上、どうしても相手をどうしたら動かせるかを考慮する必要があります。
特にリーダーをやっていくならば、部下を動かすためにはブレない強さを持ち、上司を動かすには上手な情報の取り扱いをしていくなど、泥臭い強さがなくてはなりません。
人を動かすことで困っているミドルリーダーの方は、ぜひ読んでみてください!オススメです!
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