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【佐渡市地域おこし協力隊インタビュー 活動報告編】みなとオアシス佐渡両津推進担当 棚村 麗乃

『地域おこし協力隊』
その名の通り、地域おこしを考える団体に "協力する" 人を指すが、全国的に見てもその存在は勘違いされがちである。

「どんな人がいるの?」「何をしているの?」
このインタビューは、私から見た "地域おこし協力隊という職業を選んだ仲間" をただ知っていただきたいという自己満足の備忘録である。

今回は番外編として、私の活動報告をひとつ。
8月に約1週間のイベントと、2日間ながら大規模なジャズイベントを控えた私に取材と記事作成にかける時間的余裕が無いのが理由であるが、表からは見えにくいイベントの裏舞台をお話していく。

記事後半で佐渡島内でイベントをしたい方へのおまけTipsをシェアハピ。記事も随時加筆していきます。



棚村麗乃というヒト

自己紹介については過去のこちらの記事で簡単にまとめてあるのでご一読くださると嬉しいです。

Twitterのアイコンが性別不明のキリンのせいか、初対面の方に挨拶するとよく男性だと思っていたと言われることもしばしば。2021年5月に移住してあっという間に2年が経ちましたが、移住当初には27歳の誕生日を地元の方や佐渡でできた友人と過ごせるとは思ってもいませんでした。

スーパーや飲食店でも「たなちゃん!」と声をかけてくださる方もいて、気恥ずかしさもありますが幸せを感じる毎日です。


みなとオアシス佐渡両津とは

あいぽーと佐渡館内

さて、私の協力隊の担当業務であるみなとオアシスがどんな団体・制度かご存知でしょうか? 

「両津でイベントやっている団体の名前でしょ?」

佐渡の方にこんな御回答を頂けたらそれだけで御の字!というくらいそもそもの認知度が低いと感じているのですが、実はこのみなとオアシスは全国規模の取り組みとなっています。

みなとオアシスとは、地域住民の交流や観光の振興を通じた地域の活性化に資する「みなと」を核としたまちづくりを促進するため、住民参加による地域振興の取り組みが継続的に行われる施設として、国土交通省港湾局長が申請に基づき登録するものです。みなとオアシス制度は、平成15年に中国及び四国地方整備局で創設され、その後平成21年までに全ての地方整備局等にて制度の創設がなされました。その後、平成29年2月、全国的に統一した制度となりました。

みなとオアシス全国協議会公式サイトより

佐渡の両津港周辺は平成27年にみなとオアシスとして登録されました。「あいぽーと佐渡」「おんでこドーム」「佐渡汽船ターミナル」3施設の利用促進を図るため、季節ごとに様々なイベントを企画・開催していて、その運営補助が私の主な仕事となります。

春は牡蠣祭り、夏はビアフェスタ、秋はSea級グルメ大会、冬はおんでこドームイルミネーション。この2年を振り返ると毎日イベント準備に追われているような気がします。



普段何してるの? - 通常期とイベント期間 -

今後テンプレ化する予定のポスターの作成もしました

イベントは、99%を『準備』が占めています。
イベント出店申込要項作成、出店者とのやり取り、チラシやポスターの作成・配布等の広報、SNSやWebサイトの更新、イベント会場掲示物の作成、当日の人の動きの指示、備品準備…

3年目に入ってようやく少し余裕が出てきましたが、イベント当日以外は日々上記のような作業を黙々としています。

「そんな仕事、せいぜい1~2週間で終わるのでは?」

なんでですかね。全然終わらない、というか段階的にしか進められないのだと思います。例えばイベントのダンスや芸能披露ステージがあるとすると、ざっくりこのような進め方をしていきます。

イベント主催者ならわかるはず

何回もオアシスのイベントに出て頂いている団体ですと(特に代表者がひとりの場合など)それこそ1週間で決まるのですが、初めてのご出演だったり、関係者が多かったりされると出演決定までが長かったりすることも。

これが何団体もあり、さらには飲食店、ワークショップ、同時開催イベントなどがあるともうてんやわんやです。イベント会社が仕事として成り立つ理由も分かりますね。今もその渦中にいます。

おんでこドームで行われた加茂湖牡蠣祭り設営終了後の様子

イベント前後は会場設営・撤収作業。当日は司会進行からアルバイトスタッフの管理、ゴミの片付けなどオールマイティに会場を駆け回っています。

せかせかしている様子はあまり見せたくないのですが…  いつも慌ただしくてすみません。

始まりから終わりまで完全な裏方なので、自分自身が映っている写真はこの2年で数枚あるかないか(笑)  写真をお持ちの方はぜひ送って頂けると幸いです。

村山隊員が撮ってくれた貴重な一枚


佐渡でイベントの宣伝をするならば

たかが5万人、されど5万人。
島内向けのイベントでも、集客のための広報ってすごく難しいですよね。

みなとオアシス事業は佐渡市が共催ということもあり、『佐渡市役所LINE』でのメッセージ配信も利用していますが、各課からのメッセージが日頃から多いためそもそも通知を開かないという声も多々(笑) 

現在、みなとオアシス佐渡両津が使っている宣伝方法は以下になります。
③~⑥はちょっとした広報Tipsを説明させてください。

佐渡市役所LINE   ② SNS・Webサイト  ③ 回覧板
④ 報道機関へのプレスリリース
⑤ 島内各所へのポスター・チラシ配布
⑥ 新聞折込みチラシ

③ 回覧板
回覧板で回せるのは公共性の高いイベントの情報になります。個人店や特定の企業の宣伝になるような催しについては基本的には受け付けていません。(詳細は佐渡市または各支所・行政サービスセンターへ)

回覧板が回るのは各月の10日からになり、自治会に参加されている世帯でゆっくりゆっくり回覧されていきます。そのため、イベントが月の頭にある場合は2か月前に回覧の依頼、月末にある場合は1か月前の依頼がおすすめです。右上に『回覧』の文字を入れることをお忘れなく。


④ 報道機関へのプレスリリース
新潟県の強みのひとつはローカルの報道機関が多いこと!  テレビであれば「NHK新潟放送局」「BSN新潟放送」「TeNY テレビ新潟」「UX新潟テレビ21」「NST新潟総合テレビ」。ラジオであれば「FM新潟」「BSNラジオ」他、コミュニティラジオもたくさんありますね。

そして佐渡はなんといっても「株式会社佐渡テレビジョン」! 
佐渡島内の企業や飲食店で流れていることも多く、島内高齢者の視聴率も高いと感じています。 SNSを使っていない層の口コミの拡散力とスピードを侮ってはいけません。オアシスでも「なんでも情報ポスト」などを活用して広報活動協力のお願いをしています。

FM NIIGATA マイクロツーリズム サタナビin佐渡市に出演(2021年)

⑤ 島内各所へのポスター・チラシ配布
オアシスではスーパー、地元温泉施設、飲食店、佐渡汽船、バス停など、人手と時間が間に合う限り、島内外各所にポスターやチラシの掲示をお願いしています。

夏季のスーパーは壁一面がカラフルなポスターでいっぱい!  オアシスでも多分に漏れず『キング』『マツヤ』『Aコープ』などでポスターの掲示をお願いしています。

ここで注意するのは入場料の有無です。食品や商品の購入以外で、会場への入場そのものに料金がかかる場合、掲示をお断りされる場合があります。例外もあると思いますが、掲示をお願いする際に聞かれる質問No.1です。あ、チラシスタンドはご持参を。

サッカー台にチラシホルダーを置かせて頂いている場所もありますが、「フレッシュ・マツヤ両津店」はサッカー台にスペースが無いためチラシホルダーは設置できません。あと『ひらせい』も設置できません。

また、『マルイ 佐渡店』と『バス停』にポスターを掲示したい場合は佐和田の新潟交通佐渡本社で掲示期間がついた判を貰う必要があります。学生向けの催しがある場合は屋根付きのバス停に貼るのも良いですね。

最近は「すしや まるいし」が島民向けチラシ配布場所の穴場だと気付きました

⑥ 新聞折込みチラシ
WebやSNSでの宣伝が主流になってきたとは言え、島内では「新潟日報」「読売新聞」を購読されている方は少なくありません。

回覧板も見ない、ポスターも見ない、チラシも知らない、商店街は歩かない…  様々なご意見を頂きながら最終的に辿り着いたのが新聞の折り込みチラシです。(そこからの口コミに期待しつつ)

A4のチラシ1枚の折り込み金額が3.7円、B3だと4.8円くらい。両津だけ、佐和田だけ、など配るエリアも選択できます。ただしあくまで折り込み作業費の価格なので、チラシの印刷費と併せると結構かかるのが痛手です。



他にはFacebookの佐渡グループで告知、イベント情報を旅館や施設宛のメーリングリストに一斉送信するなど、とにかくやれることをやっています。正解がどれかはまだ手探りですが、個人的にはこのポスター・チラシ配りがシステム化できないもんかと密かに願っております。


その他活動について

みなとオアシス事業がコロナ渦や冬季で時間のある期間には、両津商工会のチャレンジショップ事業で開催したGACHAHEGO MARKET(2021年)や、『佐渡ローカルクリエイター講座』(2023年)なども開催しました。

協力隊業務内ではイベント開催にかかる費用以上に収益を上げることはできないのですが、地元の皆様からの様々な知見を得たり、交流の輪が広がったことは収益を得る以上のことだと思っています。
可能であればまた冬季にも自分のイベントを企画したいです!

その他、協力隊以外では『株式会社Riparia』のローカルパートナーや、『佐渡UIターンサポートセンター』でパートタイム勤務をしています。

地域おこし協力隊として
新潟のベンチャー企業として
佐渡の移住者支援サポーターとして

様々な角度から佐渡や新潟の魅力を知る機会があるのは本当にありがたく、学びになります。 個人的な情報発信もだんだんとお仕事に繋がってきているので、無理なく継続していきたいです。
任期後も佐渡にいるので、引き続きよろしくお願いいたします。

▲ 過去のインタビュー記事はこちらをタップ

佐渡市地域おこし協力隊インタビュー vol.6 をお楽しみに!

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