見出し画像

不登校とお母さんのほけんしつ

栃木県宇都宮市を拠点に、不登校の子どもと親御さんのサポートをしている土橋優平さんからお話をうかがった。

土橋優平さん
(Facebookより)


土橋さんは青森県のご出身で現在30歳。

宇都宮大学に進学し、学生時代からボランティア活動で「生きづらさ」を抱える10代と関わるようになった。

かつては自身も孤独感を抱えており、周囲に合わせつつも寂しさで苦しい時期があったのである。

そして大学を中退し、2016年に「NPO法人キーデザイン」を立ち上げた。

土橋さんが今、主に取り組んでいるのが不登校の問題である。


キーデザインのホームページには、このように書いてある。

キーデザインは、不登校の子どもやその家族をサポートするNPOです。

(中略)

不登校自体は問題ではありません。

学校に行かなくなったときに、子ども達の行き場を用意することができていない社会を変える必要があります。

私たちが、子ども達の安心できる学び場・居場所をつくります。

悩んでいるお母さんお父さんはぜひご相談ください。
あなたはひとりではありません。

ホームページより


土橋さんの活動の範囲は、不登校の子どもだけでなく、その周りにいる親も含まれている。

LINEを用いて無料で相談に乗る仕組みを立ち上げ、4000名ほどが登録している。「お母さんのほけんしつ」という。

ちなみに「お父さんのほけんしつ」も一時期存在したらしいが、相談を寄せるのは圧倒的にお母さんの方が多いらしい。

子どもが不登校になると、親御さんは心配する。

「このまま学校に行けないと、社会で生活できないんじゃないか」

そうやって思い悩むが故に、子どもに却ってキツく当たってしまい、追い詰めてしまう親御さんも少なくない。

「親の責任」と周りから後ろ指を指されて悩む人もいる。

そんな親御さんに「余裕」を持ってほしいと、土橋さんは語る。「子育てを手放す」必要があるのである。

週に一日、30分でもいいから喫茶店でゆっくりしたり、趣味を見つけたり。

そうして親自身が自分の人生を楽しく生きることこそが、子どもにもポジティブな影響を与える。

ただでさえ、親は子育て以外にも仕事で忙しかったりして、抱えているものが多い。

そんな親たちに、時には親としての役割を「手放してもいい」と背中を押す「第三者」が、土橋さんの役割なのである。


土橋さんは、不登校の本質は、子どもたちにとって学校以外の選択肢がない世の中にあると感じている。

今後は活動拠点の栃木県内にもっとフリースクールを増やし、不登校の子どもの親の支援体制も、もっと整えたいと語ってくれた。

そして誰もが「ひとりにならない社会」が現実のものになった時には、団体は解散されるらしい。

「解散」というとどこか寂しさもあるが、その時にはきっと土橋さんの新たな活躍の場がたくさんあるだろうと思う。

ぜひスペースでの対話を聞いてみてください。



【初めて私のことを知ってくださったみなさま】

田中渉悟と申します。
フリーで対話のファシリテーション、企業向けのワークショップ、哲学対話の進行役などをしています。

X:https://twitter.com/tana_tana_sho

▼ジャーナリストの田原総一朗さんと仕事をしています

▼国分寺のクルミドコーヒー/胡桃堂喫茶店で哲学対話の進行役もしています

ぜひみなさまからのサポートもお待ちしております。

いただいたお金は、よりよい対話の場づくりをするために使わせていただきます。

どうぞよろしくお願いいたします。

▼下記の「記事をサポート」よりご支援いただけます。



いただいたご支援は、よりおもしろい企画をつくるために使わせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。