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僕とおばちゃんとバス

素敵な出会いがあった。

今日の午前の天気は雨。昨日見たスマホの予報だとそうだった。ぼくは晴れ男だと自分で思っている。その思いが空に伝わったのか、時々お日様が顔を出すほどの天気だった。雨は降りそうにない。「ラッキー」と心の中で思い、出かけた。

今日は久しぶりにバスを使うことにした。市バスだ。何度か乗っているが、おじいさんやおばあさんが多く乗っていることが多い。車内も静かで快適なイメージだった。

目的地のバス停まで、あと5分くらいになった頃、衝撃的なことが起こる。学生の群れがバスへ乗り込んできたのだ。人数はおよそ30人以上はいただろう。快適だった車内は、あっという間に鮨詰め状態になった。

ぼくの目的地は次だったから、鮨詰めバスをすぐに下車することができた。あまりバスには乗らないけれど、今回の体験で「バスはソーシャルディスタンスがとれない」と感じた。たくさんのおじいさんおばあさん、たくさんの若者たち。こんな時代だからこそ、バスを分けてあげた方がいいような気がした。

電車で女性専用車があるように、高齢者専用バスがあってもいいのではないだろうか。コスト面で難しいのだろうか?市バスだからこそ実現してほしいと思う。

目的地について用事を済ませた。もちろん帰りもバスだから、スマホで調べてみた。すると、どうやら15分くらい待ち時間があるようだった。普段あまり来ない場所だったので、少し散歩をしてからバス停へ向かった。

バス停についたのが予定時刻の5分前だった。ぼくがバスを待っていると、60代くらいの女性もバス停へやってきた。「もうすぐバスが来る」と思いながら待っていると、バスではなく驚くほどの激しい雨が降ってきた。一緒に並んでいた女性はあわてて傘を広げていた。ぼくは晴れ男と言う根拠のない自信のせいで、傘を持っていなかった。

「あーやばい、びしょびしょになるやん」と心の中で思った。すると、「よかったら一緒に傘に入りますか?」と優しく声をかけてくれた。一緒に並んでいた60代の女性だった。ぼくは「すみません。いいですか?」と言って、お言葉に甘えさせてもらった。見ず知らずの男を傘に入れてくれるなんて、「とても優しい人だ」と思った。

自分が逆の立場だったら、同じことができるだろうか?40代のおじさんがバスを待っていて、傘を持っていない20代の女性に声をかけたらどうだろう?おそらく「変な目」で見られるだろう。できるだけ「変なおじさん」にはなりたくない。でも、この女性のような素敵な人になりたいと思った。

傘に入れてもらった時は「もうすぐバスが来るから少しだけ」と思っていたが、バスはなかなか来なかった。どうやらバスは遅れているみたいだ。でも、その時間を使って女性と楽しい会話ができた。女性にはぼくと同じ年齢の息子さんもいるようだった。

バスが来てお礼を言って、お互い別々の席に座った。ちょっとした出会いだったけど、人の優しさに触れて嬉しかった。素敵な出会いに感謝。

今日も読んでくれて、ありがとう。




 


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