#5:初期に困惑した用語集:PM、PdM、Pjm、PO、UX、UIとは?
PMとして働き始めた頃、最初につまずいたことの一つが「用語の多さ」でした。IT業界やプロダクト開発において使われる専門用語は、研究ばかりを行っていた私にとって、はじめは暗号のようにも感じました。実際、PM以外にも似たような略称があり、UX・UI、POなど、頭文字だけで会話が成立してしまう現場では「え、それってどういう意味だったっけ?」と頭が混乱したものです。今日は当時の自分へのメモも兼ねて、よく混同しがちな用語を整理してみます。
PjM vs PdM vs PO
PjM(プロジェクトマネージャー):
プロジェクト進行を管理する役割です。開発プロジェクトの進捗管理や、スケジュール、リソース調整をメインに担う印象があります。ものづくりの中で「いつ、何を、誰が」という進行オペレーションが焦点となることが多いです。PdM(プロダクトマネージャー):
プロダクト自体の方向性や戦略を考え、その価値を最大化する役割です。優先度づけ、ロードマップ策定、ユーザー理解、ビジネスゴールとのすり合わせなど、「何を作るか」に注力します。PO(プロダクトオーナー):
アジャイル開発(特にScrum)で使われる役割名で、バックログ(優先順位をつけた機能リスト)の管理や、ステークホルダーと開発チームの橋渡しを行います。PdMとPOは重なることも多いですが、POはScrumチーム内でより実行フェーズに近く、PdMはより上位戦略から顧客価値最大化を考える傾向があると認識しています。
PMはプロジェクトマネージャーの略語であるときも、プロダクトマネージャーの略語であるときもあり、当初はPjMとPdMを混同して、「プロジェクトの進行役」と「プロダクトの方向性決定者」を同じものとして考えていたために混乱しました。会社や組織によって呼称や役割分担が異なる場合もあり、一概に区別が難しいですが、自社内で共通理解を持つことが大切です。
UX vs UI
UX(ユーザーエクスペリエンス):
ユーザーがプロダクトやサービスに接する中で得る「体験」の全体像です。使いやすさだけでなく、ユーザーが感じる心理的満足度、信頼感、問題解決感、ブランドイメージなど、総合的な「体験価値」に注目します。UI(ユーザーインターフェイス):
画面レイアウトやボタン配置、色、フォント、アイコンといった目に見えるデザイン要素。UXを構成する一部分であり、UIが分かりにくければUXが損なわれ、UIが快適ならUX向上につながる可能性が高い、という関係です。
最初はUXもUIも「デザイン関係」という大雑把な理解でしたが、UXはもう少し抽象的で広範な概念、UIはより具体的な表示要素という関係性が分かると、話が整理しやすくなりました。
その他よく出会う略語
KPI(Key Performance Indicator):重要業績評価指標。達成すべき目標に近づいているかを測る中間指標。
OKR(Objectives and Key Results):組織・チーム・個人が目指す目標(O)と、その測定指標(KR)を設定するフレームワーク。
CS(Customer Success):顧客がプロダクトを最大限活用し、成功体験を得るための支援部門。
NPS(Net Promoter Score):顧客ロイヤリティを測る指標(推奨度合い)。
MVP(Minimum Viable Product):顧客価値検証のために最低限必要な機能だけ実装した暫定的な製品。
業務中、こうした略語は日常的に飛び交います。最初のうちは聞いたことを即メモし、あとで自分なりに定義を確認すると理解が進みました。
聞く・調べる
「用語わからないと恥ずかしいかな」と感じることもありましたが、PMは何でも知っている必要はなく、分からない用語は正直に周りに確認して問題ありません。あとでググる(検索する)だけでも良いですし、社内のドキュメントやWikiを覗けば定義が書いてあることもあります。
大事なのは「分からないことを放置しない」ことです。用語が曖昧なままだと、会議での理解が曖昧になり、結果的に誤った判断や伝達ミスにつながります。早めに確認・理解しておくことで、その後のコミュニケーションがスムーズになります。
これからも新しい概念に出会うたびに理解するゾ
私もまだ全用語を完璧に把握しているわけではなく、時々新しいフレームワークや指標名が出てきては調べる日々です。いずれ慣れて「当たり前」になるかもしれませんが、そのプロセスは丁寧に踏もうと思います。自分が馴染んだら、今度は後から入ってくる人へ分かりやすく説明する—そんな循環が生まれると理想的です。
今日は、初心者PMだった頃、私が混乱した用語たちを整理しました。もし同じく用語迷子の方がいらっしゃれば、参考にしていただければ嬉しいです。