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NAIST受験記(2023年度春学期入学第1回入試)

初めまして.この度,第1志望の大学院に合格し,受験期は多くの体験記にお世話になったため,私も合格体験記を書くことにしました.私なりの受験期の過ごし方を述べていこうと思います.これから受験する方々の参考になれば幸いです.

忙しい人へ

対策は早いに越したことない
院試は事前に「自分を知ってもらうこと」が大事
小論文のテーマ決めは早く取り掛かろう
数学は推薦図書も大事だよ
小論文は図も大事
筆者はTOEICスコア 770(公開テスト)を利用
試験:数学は例年通りの難易度,面接は小論文の内容についてのみ
結果:数学1完(推薦図書の問題),面接はすべて回答

受験前の私のスペック

  • 情報系の学科,インタフェース系の研究室に所属

  • GPAは3.5台(最高4.0)で学科内ではおそらく10位以内

  • 学部3年次に3DCGの専門学校にダブルスクールするも3,4 か月で休学

  • 絵画工房でデッサンを習う

  • プログラミングは授業等でいろんなコードを組んだ(機械学習多め,音響信号処理,ゲーム制作等)

  • 情報系といいつつ数学は弱め(大学受験を経験してない)

  • 英語は総合的にそこそこ(リーディングは壊滅的だが,洋楽ばかり歌っていたせいかリスニングは得意)

受験期の社会情勢

コロナ流行前だった1年次は対面授業のみが行われておりました.
2年次になる直前にコロナが大流行し,それ以降,授業もオープンキャンパスもオンラインが主となりました.
4年次になる前後はオンラインと対面のハイブリッド運用が行われるようになり,4年次に参加したオープンキャンパスは対面での参加も可能となっていました.

受験の事前準備(対策)

●大学院のイベント参加

私は研究する環境を重視していたため,積極的にイベントに参加していました.参加したイベントを以下にまとめます.

2年
・春休みに初めてオンラインのオープンキャンパスに参加
3年
・5月ごろにオンラインでオープンキャンパスに参加
・夏休みに緊急事態宣言が出ていたためオンラインでサマーセミナー&インターンシップに参加(約1か月)
・2月ごろにオンラインでオープンキャンパスに参加
・春休みに念願の対面でインターンシップに参加(約2週間)
4年
・5月ごろに対面でオープンキャンパスに参加
・7月受験

2年次に参加したオープンキャンパスはオンラインのみの実施で,当時ステイホームで特にやることがなかった私は興味本位で参加しましたが,そこで伺ったお話が大変面白く,大学院に強く興味を持つきっかけになりました.
3年次は,そこで勧められた研究室にインターンシップとしてお世話になりました.「ARドラムセットアプリ」,「Raspberry pi 4を用いた自動餌やり機 for ウーパールーパー」,「キャラクタが推定感情に合わせて動くフィードバックモデル」を作成しました.当時はJavaの知識しかなく,UnityやAR,電子工作の知識はゼロの状態で挑みましたが,研究室のの院生の方々や先生方に助けて頂きながら制作いたしました.

インターンシップの参加を迷っているそこのあなた.
参加をオススメします!

プログラム全然できないし...何やったらいいか全然わからないし...

大丈夫です,何とかなります.私がそうでした.
自分の開発力に全く自信はありませんでしたが,手厚くサポートしていただき何とか形にすることができました.
何かを作る以前に,インターンシップの参加は

  • 自分が研究室の雰囲気を知る

  • 先輩・先生方に自分を知っていただく

機会になります.参加することで研究室の方々とコミュニケーションをたくさんとることができ,私個人は開発の経験値もグッと上がりました.

●英語(TOEIC)

はじめに言っておきます.早めのスコア取得をオススメします.
理由は後に言及する小論文と数学で(筆者が)苦戦するからです.

私の提出スコアは770です.(公開テスト2022年2月)
英語の対策は3年次の夏休みが終わってから始めました.
私の通っていた高校ではTOEICを重視した英語教育が行われ参考書は多く持っていたので,買い足したものも含めて対策に有効だったものをご紹介します.

~TOEICを手っ取り早く勉強できる本~
【別冊模試・CD-ROM・音声DL付】TOEIC(R) L&Rテスト 直前の技術-受験票が届いてからでも間に合う11日間の即効対策プログラム

これは強くオススメします.
TOEICの出題傾向を重視した文法やリスニングのポイントが述べられており,忙しくてあまり対策できなかった月はこれに頼り切っていました.

~手軽に単語・文法を勉強できる本~
TOEIC L & R TEST 出る単特急 金のフレーズ (TOEIC TEST 特急シリーズ)

これはTOEICの単語を勉強するのに一番有名な本だと思います.これを覚えたら間違いないと思います.

ALL IN ONE TOEIC テスト 音速チャージ!

例文を聞いて発音しながら単語も文法も音できいてインプットするような学習をしてました.

~演習~
試験前1週間はひたすら以下の本を解いて対策していました.数回周回するだけでもスコアは上がっていくと思います.


●数学

理系かつ情報系に通うも数学が得意とは言えない私.
数学は受験当日まで苦労しました.
3月はインターンシップに参加していたため,受験する年の4月から対策を始めました.
4月 マセマの線形(演習)を1周
5月 大学院の解析の推薦図書を解きながらマセマの解析(演習)を1周
6月 マセマの線形をもう1周して線形と解析の推薦図書を解く

結論:推薦図書は最後まで解けませんでした.

合格したとはいえ,すべての問題に回答できなかったので参考にならないと思いますが,他の受験記を覆すことを言います.

大学院の推薦図書はしっかり解くことをオススメします.最低でも目を通しておくほうが良い.

ほとんどの受験記で,マセマのみで対策したという事例を多く見ましたが,私には不十分でした.というのも,私の数学の口頭試問は推薦図書から出題された


この推薦図書を多くの受験生が避ける理由は,すべての問題に解答・解説がなかったり,(英文を直訳したみたいな)理解しづらい文章で説明されていることが考えられます.英語版の解答のみはネットに転がっていたので英訳サービスを利用しながら答え合わせしていました.しかし,どうしても解法が欲しかったので,諦めの悪い私は海外の学習サービスに手を出しました.

https://www.chegg.com/

Cheggは英語のみに対応した学習支援サービスで,誰かが解説を投稿するような形で問題の解法を示してくれます.
現在は円安で少し高いですが,月額2,000~3,000円で登録できます.上記の2冊も対象(解析は版が違うので少しずれてる)となっており,ところどころ解説がない問題もありますが,ほとんど載っていたので大変参考になりました.しかし,すべて合っているとは言えないので信じ切らないほうが吉.

推薦図書はとにかく問題数が多い!遅めに取り掛かると最後まで解けずに地獄を見るので早め早めの対策が重要だと思います.

●小論文

2カラム2枚で,自分のやってきたこと・大学院でやりたいことをまとめて記述しなければなりません.
テーマの構想自体は受験する年の2月ごろから本格的に始めました.

私はテーマパークが大好きだったので,テーマパークにかかわるテーマ設定をしようと漠然と考え,最新技術をひたすら検索してはどんなシステムを作りたいか考える毎日でした.私のアイデアを詰めたパワーポイントをNAISTの志望研究室の先生にアポを取ってプレゼンし,アドバイスを頂きながら具体的に練っていきました.

~論文調査~
ひたすら検索しては読んでいました.読んだ文献の引用文献も芋づる式に読んで先行研究や手法,評価方法等の知識を広げていきました.英語の文献もたくさん読みました.DeepL様ありがとう.
論文は,

  • Google Scholar

  • CiNii

  • GoogleのUSA版(キーワード + paper で検索すると日本版では落とせない論文をPDFでダウンロードできる場合がある)

  • 大学の図書館サービス

を利用して読んでいました.
私は手法を大きく変更するなどしたので最終的に100本近くは読んだと思います.

~研究テーマの組み立て~
調査したものをあれこれと組み立てて,先生方と議論をしたり,先輩に相談しながら具体的に研究内容を練っていきました.テーマについて考える途中で2度目のインターンシップに参加し,その後の研究を意識したテーマ設定をさせていただいたので,具体的な実装もイメージしながら研究テーマを組み立てることができました.

~執筆~
執筆は5月のゴールデンウィークに始めました.私は論文執筆の経験がなかったため非常に苦労し,第一稿は人が読めたものではないレベルの文章でした.研究室の先輩方,先生方に何度もご添削いただき,5月下旬に差し掛かるころに提出版が完成しました.

私個人が論文執筆にあたって意識したのは見ただけで研究内容をイメージできる図の作成です.これは所属研究室の先輩にアドバイスいただいたポイントです.就学内容も説明する必要がある中で,2枚だけで自分のしたいことを伝えきるのは私には非常に困難でした.その中で自分のしたいことを図で視覚化し,流れを理解しやすくすることで文章では表現しきれない部分をカバーしていました.

他にも,

  • 図の位置(段の一番上か,一番下)

  • 参考文献の書き方(私はヒューマンインタフェース学会の手引きを参照)

など,論文の綺麗な見た目についても教えてもらいながら書きました.

●面接対策

同じ学科の同級生,先輩方,先生方に完成した小論文を読んでいただき,もらった質問をまとめた質問リストを作りました.さらに,本番を意識した質疑応答も何度もしていただきました.
また,試験の1か月前から友達と週2回,お互いの質問リストを作りながら実際の面接時間(10分)をはかって本番通りの面接練習をしていました.

特に答えられるようにしていた部分は

  • 研究内容を1分で説明

  • 新規性

  • 自分の研究テーマが実現されることで誰が利益を得るか

です.

本番当日はどんな質問が飛んでくるかわからないので,いろんな人に小論文を見てもらって質問をしてもらうのが対策になると思います.私は,研究室の先輩や先生,友達に何度も時間を作っていただき,いろんなアドバイスをいただきました.

作った質問リストは,気分が乗れば後日公開しようと思います.

受験当日

オンラインのみの実施でした.16時30分頃~の試験で,開始時刻までずっとそわそわしていました.

●数学

A4のスケッチブックとマッキーで参戦.
対策の項でも述べましたが,私の問題は解析,線形どちらも推薦図書からの出題でした.
解析は簡単でちょくちょくミスもありましたが完答しました.しかし時間がかかってしまい,証明が絡んでいた線形は全然わからず,「うーんと,えーっと...」と悩み,あまりにも解法が思いつけない自分に笑けて来たところで試験終了.笑いながら終わった試験は初めてです.
(出題された問題は頃合いを見て追記するかも)

結果:解析 完答,線形 手も足も出ず

●面接

人によって聞かれることが全く違うのであまり深くは言及しませんが,私は研究内容についてのみ質問されました.質問リストにあった質問がほとんどで,試験当日も対応できたと思います.
Webexに入室時,ガチガチに緊張している私の顔を見た志望研究室の先生に
「緊張してる?」ときかれ
「...緊張してます(苦笑)」と答えると
「ほな深呼吸1回して,肩回そか~」とおっしゃったのでスーツ姿のままその通りにすると
「いいよいいよお~」と言われて面白くなってしまい,良い具合に緊張がほどけました.
その後はリラックスして挑み,ほとんどの質問は回答できたと思います.

おわりに

最後まで読んでいただきありがとうございました.
私自身10年ぶりの受験で,ロープ一本の上をグラグラ渡っているような不安感に何度も襲われ受験当日まで耐えられるかわからないような不安定な状態でした.そんな中,友達,先輩方,先生方,家族に様々な形で何度もご協力いただいたおかげで最後まで受験できたと思っております.本当に心から感謝しております.

試験も無事合格,成績も良かったようで大変うれしい結果を得ることができました.

私の記事が,これから受験される皆さんの一参考になれば嬉しいです.そして,皆さんの頑張りが報われるよう願っております.

これから私が歩んでいく道,ワクワクが止まりません!!


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